唐松岳(初雪)

浅間山  標高2,524m 標高差約1,171m 歩行距離約12.2q   yahoo地図

浅間山荘(8:45)⇒一の鳥居(9:08)⇒不動滝(9:20)⇒二の鳥居(9:24)⇒火山館
(10:00〜10:08)⇒Jバンド分岐(10:24)⇒釜山分岐(11:05)⇒釜山(11:18〜11:24)⇒
シェルター(11:36)前掛山(11:52〜11:58)⇒シェルター(12:12〜12:32)Jバンド分岐
(12:58)⇒火山館(13:14)⇒二の鳥居(13:37)⇒一の鳥居(13:48)⇒浅間山荘(14:05)

 (歩行時4時間40分:全所要時間5時間20分)  am8:45〜pm14:05  コースmap

※単行動の自己責任ですので、全く参考にはなりません。
浅間山は活火山のため「噴火警戒レベル」が設定されています。火口付近は火山噴火に伴い、1972年より立ち入りが禁止されています。その後、沈静期には規制が解除されたこともありますが一昨年、火山活動が活発になり、2009年2月1日には警戒レベルが「3」に上がり、その後もごく小規模な噴火が起きました。一昨年4月から「2」に緩和され、2010年4月15日に警戒レベル「1」に引き下げられました。警戒レベル「1」では、火口まで約500メートルの前掛山まで、小諸側からの入山が認められています。ただし、浅間山(前掛山)は活火山であるため、基本的に登山者の自己責任での登山となっています。
上信越高原国立公園にも指定される浅間山と連なる山々の豊かな自然は数多くの動植物を育み、高山植物、高山蝶、野生動物など貴重な生物が現在でも多数生息しています。独立峰のため山頂よりの展望は素晴らしく、白根山、妙義山、荒船山、八ヶ岳、 日本アルプス、そして遥か富士山も望むこともできます。
チェリーパークラインを高峰温泉方面へ走って行くと、浅間山登山口と書かれている大きな看板が右側に立っていますので右折します。未舗装の林道を10分少々、4kmの道のりを走ると浅間山荘に到着します。駐車場は有料で500円です。浅間山荘で入浴の際、駐車場の領収書を見せると100円割引の400円で珍しい赤褐色のにごり湯に入れます。登山口には登山届の提出小屋と小綺麗なトイレが有り、活火山ならではの看板が設置してあります。現在は噴火警戒レベル1(前掛山までの登山は自己責任でOKです) 立ち入り禁止地区の警戒区域に入ると法で罰せられると書いてありますが・・・。※少し下がった場所に無料Pも有りますが、下山後温泉に入るので良しとしました。
緑のザックのお兄さん後にして、緩やかな山道を進んで行くと一の鳥居に到着です。ここから登山道は二つに分かれ、沢沿いの不動の滝コース右と、尾根道コース左になりますので、コースガイド通りに沢沿いの不動の滝コースを進みます。途中、小川の淵は凍りついていました。
不動の滝の滝壺まで行ってみると、両端と滝壷表面は良い感じに凍っています。中央部分から集中して流れ落ちていますので、実際の高さ以上より、迫力ある音が聞こえて来ました。滝の左の崖を高巻くように登ると、上段にも小滝があります。木段を登りあげると尾根コースと合流し、二の鳥居に到着です。
浅間山荘からの2.3kmの行程は比較的緩やかな道でしたが、二の鳥居を過ぎると勾配が増します。登山道脇に『ご協力お願いします。火山館暖房用のマキです。一本でも持ち上げてもらえれば感謝です』と書かれている札が置いてありますので、なんとなーく使命感を感じた私は、重げなマキを1本ザックに入れ(挟み)、もう1本を片手で持って運びます。15分ぐらい登って行くと『マキご協力、PartUポイント』がありました。
左上部には民枝の頭?ではなく、『トーミの頭』が見えて来ます。カモシカ平に到着しましたので、息を凝らして当たり一帯見渡しますが・・・。残念ながらカモシカの気配は一切ありませんでした。やがて浅間山(前掛山)が見えて来ます。
強烈な硫黄臭が漂って来ました。有毒火山ガスの噴出による真っ赤な崖を右眼下に望みながら、沢に沿ってトラバース気味に歩いて行きます。沢の対岸は牙山の凄い岩壁を仰ぎます。×印を強行し進んで行くと、剣ケ峰へ行けるらしいです。
平成11年に建てられた木造2階建の火山館(1F避難小屋)に到着すると、館長(神田さん)が出て来て、「有難う」とマキのお礼を言われ、マキを降ろしてから中に入り、館長さんよりお話を伺ったりしました。先月の10月15日に土曜スペシャル(レポは、ダニエル・カール&はなわさん)で放映されてから、極端に火山館への訪問者と登山客が増えたとかです。火山館は登山者用水洗トイレが設置されていて、ハイカーの憩いの場として活用さています。年間を通じて自然保護と遭難防止対策の拠点として館長が滞在しているのは、大変凄いと思います。前掛山までは、火山館で約半分の行程です。
火山館の裏側には浅間神社(せんげん神社)が建っていて、中には浅間山大神が祀られていました。坂を登り上げると平坦な湯ノ平になり、巻き道とショートカット道に別れますが、大差は無いと思います。やがて素晴らしい位、急勾配な草すべり方面との分岐になりますが、標識通り真っすぐ進みます。
樹林の中をしばらく歩くと、Jバント方面との分岐にでます。先行者と車坂峠から黒斑山を経て、Jバントから下がって来たおじさんが分岐にいました。黒斑山経由は思いの他、時間が掛かってしまったと言ってました。そんなおじさん達を後にして浅間山の山腹登りに入ります。※独り言ですけど、Jバンド経由は、ふしぎな街のアリスちゃんが先月通ったコースらしいです。
森林限界を越え火山砂礫のザクザク登りにはいると、突風が容赦なく吹きつけて来ます。砂礫が舞って目が痛くなりますのでサングラスを装着し、フードを被って歩きます。先行者のみなさんはステッキを突きながら、大変歩きにくそうに登ってますが、ステッキを持ち歩かない私は、安定した踏み場を選んで重心を低くして登ります。釜山との分岐は立入禁止ですので、気分的に一旦シェルター方面へ回り込んでから、ロープを跨ぎます。
足跡は適当に付けられていますので、適当に登っている方は結構いるみたいです。釜からトレイル風のお兄さんが軽快に下がってきました。「お釜は突風注意報が発令されていますよ!」と冗談を言って、爽やかに下がって行きました。釜の端っこからは前掛の尾根と黒斑の尾根が眼下に見え、北アルプスの山々は白く染まり、行儀良く並んでいます。
前掛山の山頂には5名の登山者が確認出来ます。更にズームで黒斑山山頂を見ると、2名が後ろを向いて立っているのも確認出来ます。※突風に吹かれ、カメラが揺れるので少しブレ気味です。
非常識ながら1年振りの釜山に到着です。対面に見えるのが浅間連峰の最高地点(2,568m)で、昨年は峰の茶屋から小浅間経由で訪問して、お鉢巡を45分かけて回りました。昨年に比べると釜内部はだいぶ静かになった感じがします。

強風に吹かれながら絶景ならぬ恐怖の絶叫噴火口を目前にして、足を滑らせれば万に一度も助からない驚異(恐怖)の噴火口を覗き込んでみます。時折風に乗って、二酸化硫黄が吹きつけてきますので、早々に撤収します。
シェルター方面へ向け、大石混じりの火山砂礫を慎重に下がります。前掛山への尾根道はとっても歩きやすいですが、風が強いので東の切れ落ちた絶壁側に注意を払いながら、北アルプスや周辺の風景を見ながら歩いて行きます。
前掛山山頂からは浅間山が目の前に見えるので、釜山以上の景色が得られ、絶景そのものです。山頂には三角点などはありませんが、代わりに手型が掘られた山頂標識の板に手を当てタッチ!で、本日の最終目的を完了です。山頂より少し先は、立入禁止地区になっていました。 突風がもろに当たる細長く狭い山頂ではザックを降ろす人は無く、皆さん景色を楽しみ早々と撤収して行きます。

奥穂高〜大キレット〜槍ヶ岳がはっきり見えます。


圧倒的な存在感で白く聳え立つ北アルプスの山並みは、端から端までパーフェクトに近い感じの絶景です。金峰山の後ろには富士山。剣岳〜鹿島槍〜五竜〜唐松〜白馬連山が見えます。右に木曽駒、御嶽山、乗鞍岳、さらに左には妙高の山々や白根山等、数えきれないほどの日本の名峰を見渡せます。これだけの景色を拝めるのですから、何処の山から見ても、浅間山の存在感は偉大だと思います。
 
八ヶ岳連峰、そして後方には南アルプスです。眼下に霞みが掛かる佐久市〜小諸市方面です。四阿山と眼下には田代湖が見えます。浅間連峰には今回で11回目の訪問となりますが、本日の眺望がベストでした。お腹が空いたので、シェルター目がけて下がって行きます。
緊急時のシェルターは、先ほどからみんなの『憩いの場』化されています。外では突風の為、ガスを使えないので迷わず人のいなげな小さいシェルターに入ります。槍ヶ鞘付近(黒斑側)のシェルターに比べれば随分立派ですが、こちらは釜直下ですので大きい火岩が飛んできたら・・・? 実際の噴火では気休め避難シェルターって感じがしますが、設置されているだけ、ありがたいの一言です。。
本日はローソン製の鮭切り身と生明太子のオニギリと、体がとっても温まる毎度のカレーヌードルです。後から上尾市からお越しの感じの良い方が来られましたので、二人で山の会話などしながら食事を楽しみます。ゆっくり休んだので賽の河原方面へめがけ、ザクザク火山砂礫を下りて行きます。山ガール&山ボーイ&山ジュニアが、元気よく、ザクザクと登ってきます。
Jバンド方面〜黒斑山を眺めながらの下山は、とても楽しく贅沢な気分にさせてくれます。今度、前掛山へ再来する時は黒斑コースの、Jバンド&草すべり経由で黒斑山方面を思う存分楽しみながら、歩いてみたいです。
 
おだやか陽気の火山館のテラスやベンチのある広場で、皆さん昼食を楽しんでいました。火山館を覗いたら管理人さんは不在みたいでした。鳥居をくぐってトーミの頭を後にします。
強烈な硫黄臭が漂う、細いトラバース道を過ぎると、単調なコースに変わります。途中で管理人さんがマキを割っていたので挨拶してから帰ります。二の鳥居の分岐は、尾根沿いコースを右に巻いて帰ります。
シェルターから1時間33分で浅間山荘に到着し、早速温泉で温まります。天狗温泉は、「日本一赤い温泉」で単純鉄冷鉱泉ということです。源泉を舐めてみると、強烈な赤錆風の味がし、赤褐色の源泉の濃度はピカイチです。ゆっくり汗を流し、スッキリします。
宿付近にコテージが何棟かありました。駐車場の隅には可愛いピーグル犬が二匹、日向ぼっこをしていますのでナデナデ! 眼下にはお馬がいて、浅間山荘の宿泊者は、周辺で乗馬体験が出来るそうです。帰りは私の好きな一般道『ルート・ニコヨン』経由で荒船山(艫岩)や、西上州の山々を眺めながらのんびり帰ります。
 おまけ 
一昨日、浅間山の山頂部が雪化粧に変わり、多少なりとも雪山を期待してアイゼン等を準備して出発しましたが、
関越高速から眺めた浅間山は雪が無く、さらに上信越高速から眺めた長野方面からも雪はありませんでした。

浅間山荘からの前掛山コースは、標高差と歩行距離よりも楽な展開でした。山頂直下の森林限界を越えた火山
砂礫のザクザク登り以外は、比較的緩やかな山道でした。再来する機会がありましたら、眺望の良いコースの
高峰温泉側からJバンド経由の黒斑コースで是非、歩いてみたいです。

天候=11月での花曇り
出会った人= ・30人位
全く当てにならない疲労度:★★☆☆

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