突風に吹かれた白銀の唐松岳  2014.3.17

唐松岳  標高2,695m 標高差約862m 歩行距離約9.0q   yahoo地図

八方ゴンドラ駅(9:35)⇒八方池山荘前10:12)⇒八方ケルン(10:31)⇒八方池付近(11:00)⇒丸山ケルン(12:15〜12:20)⇒
唐松岳(13:25〜13:35)丸山ケルン(14:15〜14:26)⇒⇒八方池山荘前(15:35)⇒うさぎ平テラス(15:50)⇒八方ゴンドラ駅(16:10)

 (歩行時4間時間57分:全所要時間5時間23分)  am10:12〜pm15:35  ※八方池山荘前より  コースmap
山頂から東に八方尾根が延びており、これがもっとも容易な登山コースである。また八方尾根の麓には国内でも最大規模を誇る八方尾根スキー場がある。ほかに、山頂を経由して南の五竜岳方面、白馬鑓ヶ岳方面の縦走路もあるが、いずれも岩場や鎖場が多く八方尾根よりは難易度が高い。特に白馬鑓ヶ岳に至る縦走路は不帰嶮と呼ばれるキレットを通過する難コースである。他に、唐松岳頂上山荘より西に向かって、祖母谷温泉を経て黒部峡谷鉄道の欅平駅まで標高差2000m以上の長大な登山道がある。登頂にあたってはリフト利用によりアプローチ時間も短く、途中に難所もないため初級者に人気がある。 なお、7月中旬から8月上旬までは長野県内の中学生が授業の一環として行う「集団登山」で利用され、大変な賑わいを見せる。 また、途中の八方池付近などからは白馬岳、杓子岳、鑓ヶ岳の白馬三山が望めるなど眺めも良い。(Wikipediaより)
腰痛も大分良くなって来ましたので、北アルプスでは馴染みの唐松岳の雪山へ今年も向かいました。唐松岳は今回で6回目になりますが、夏コースとは違い、お花畑や扇雪渓をショートカットしての直登りになります。八方尾根では冷たい突風の為、多くの登山者が撤収して行く姿を目にしますが、今回も先を進んで行きます。五竜岳上空では捜索ヘリが慌ただしく飛んでいるのが見えました。無事救助される事を願うばかりです。
白馬に到着すると真っ白に染まった後立山連峰の山並みが迫ってきて、気分が高まります。八方尾根ゴンドラ駅下の駐車場(@500)に車を置いて、9時35分のゴンドラに乗り込むと、点検停止?で2回程ゴンドラは停まってしまいました。リフト2基を乗り継ぎ八方池山荘へ10時10分に到着です。乗車しているのは殆どがスキーヤー&スノーボーダーでした。リフト駅後方には、早くも五竜岳〜鹿島槍ヶ岳が聳え立っているのが見えます。

八方池山荘(1,850m)まで標高を上げると、冬山の神秘的な光景が映しだされています。締まった雪ですので終始12本爪アイゼンを装着します。後方は頸城山塊方面です。一般のスキーヤー達は八方池山荘前リフトを下り、そのまま下界へ颯爽と消えて行きました。八方尾根は強風に吹かれ、早くも八方池付近より撤収をされた方々と数人すれ違います。
八方尾根より振り返って、眼下に八方池山荘とリフト駅です。焼山〜火打山〜妙高山〜高妻山〜戸隠山等の山並が迫るように豪快に見えて来ました。
八方尾根の右側には白馬三山がでっかく輝いているのが見えます。振り返り、四阿山〜浅間山

先行者の皆さんは突風にあおられ、時折立ち止りながら強風をしのいでいます。強烈な雪しぶきが煙のように舞い上がります。顔面に直撃すると思いの外痛いので、フードをかぶり難を逃れます。途中で数人追い越して先に進みます。

石神井ケルン(八方山:1,974m)まで登って来ると、人の姿は疎らとなり閑散として来ました。前方には不帰ノ嶮が見えます。

登り始めからずっと、救助ヘリと思われるヘリコプターが五竜岳上空を飛び回っています。八方池付近で引き返してきた方に伺うと、昨晩五竜岳付近で滑落事故が発生したとの事でしたので、無事救助される事を願うばかりです。双耳峰の鹿島槍ヶ岳と五竜岳が良く見えます。

不帰ノ嶮がひと際大きく見えて来ました。白馬岳左下には国内最大収容人数を誇る白馬山荘が見えます。

第3ケルンの先には、先行者が見えます。ようやく唐松岳の山容も見えて来ました。右に続くのは不帰ノ嶮〜天狗と大下りです。第3ケルンをしばらく進むと、丸山ケルンまで冬季限定直登りコースになります。

息(ヤムス)ケルン(第2ケルン)に続いて特大のケルンは八方ケルン(2,035m)です。悪天候の日や視界不良時に各ケルンは、道標目印として活用されます。

中央左が雨飾山で右には焼山。白馬連峰展望図に合わせ、白馬連峰の山々を望みますが・・・、強風が吹き付けるので先を進みます。
 
カップルハイカーが 八方池ケルンを風よけ避難場所として休んでいるので、素通りします。夏コースでは樹林帯の中を通過して、左のお花畑や扇雪渓経由になりますが、積雪時は直登りで丸山ケルンへ向かいます。先行者のスキーヤーとしばし一緒のタイミングでの歩行となります。
 
五竜岳の左には後立山連峰の盟主とされる、双耳峰の鹿島槍ヶ岳が姿を現します。さらに鹿島槍ヶ岳の左奥の南東側斜面には、種蒔き爺さんの雪形が見られると云われる爺ヶ岳が見えます。
 
冬季限定の直登りですので、弱点の脹脛を引っ張りながら登って行きます。強風で一瞬、雪が舞い上がり、ホワイトアウト状態になります。

丸山ケルンまで後2回程、急な直登りをして行きますので、著しく太股と脹脛に負荷をかけます。航空路線になっているのでしょうか?上空では定期的に旅客機が飛んでいます。
 
丸山ケルン手前の無名ピークでは、先ほどの若いスキーヤーが休憩をしています。直射日光が強いと見えて頗る日焼け顔をしていました。少ししたら滑って帰るそうです。丸山ケルンまで横なぐりの突風に震えながら登って行き、しばらく絶景を味わいます。以降は5名の登山者とすれ違うだけになります。
 
 丸山ケルンより、白馬三山を眺めます。3年前の夏、白馬三山より唐松岳を縦走したコースですが、白く染まった雪山の白馬は神秘的に見えます。
この先は、ちょっぴり危なげなコースに変わった稜線歩きになります。唐松山荘裏のピークの右に唐松岳が見えて来ましたので、射程距離に入りました。

 
3名ほどすれ違いましたが何れも唐松岳山頂まで行かずに途中で引き返して来たそうです。唐松岳山頂を望遠アップで望むと、二人の登山者が見えます。
 
この辺りは強風に注意を払って進行します、左は救助ヘリが捜索を続けている五竜岳が迫って見えて来ました。
 
感じの良いスキーヤーの先行者とすれ違います。この先は誰もいないので唐松岳は貸切だそうです、夏ルートでは、落石防止用のネットが架けられていたガレ場や木橋を通り尾根を巻きますが、冬季限定コースでは直接唐松山荘裏のピークへ向け、ピッケルを刺しながら登ります。
 
急斜面を登り上がると眼下に唐松山荘が見えます。左奥ピークは牛首で、後方は五竜岳です。
 
今から向う唐松岳山頂です。トレースは数人分疎らに付いていますので、私も新しいトレースを適当に付けながら直登りして行きます。短い距離ですが夏コースと違って、積雪時直登りでは著しく体力を消耗します。
 
 振り返って八方尾根から登って来た唐松山荘裏ピークです。今回は唐松山荘から山頂まで、やけに歩き甲斐があった感じです。
今回で6回目の訪問になる唐松岳山頂です。剱岳の山容は・・・。残念ながら立山連峰の山々の上部はガスが掛って剱岳の姿は見えません!※マウスを合わせると昨年訪問時(2013年3月26日)撮影の写真に変わります。
静かな山頂では時折突風が吹き荒れます。山頂標識の裏側は、吹き付け樹氷で十字架状態になっています。唐松山荘の右側は五竜岳。
 
 不帰ノ嶮〜天狗と大下り〜白馬三山方面は嬉しい視界良好です。
帰路は雪屁に注意を払いながら、自分なりのコース取りで山荘裏ピークへ向かいます。それにしても静かで贅沢な唐松岳〜山荘周辺です。
冬季休業中の唐松岳頂上山荘です。今年の営業は平成26年4月26日(土)〜平成26年10月19日(日)だそうです。振り返って雪屁と唐松岳〜不帰キレットです。ひと息入れて下山開始です。
山頂を目指して登って行く、感じの良いソロ男性とすれ違います。遅い時間ですので、場合によってはテント泊と言ってました。ナイフリッジ風の雪山限定尾根を、バランスを取りながら強風の中を下がって行きます。
再び白馬三山のビューポイントに入ります。五竜岳方面は今も尚、救助ヘリが捜索を続けていますので心配です。
丸山ケルンより、白馬連峰の素晴らしい景色を見納めします。右は不帰キレット〜天狗ノ大下り〜天狗ノ頭。
冬季限定直コースは雪遊び(尻セード)をしながら、適当に下がって行きます。八方尾根のダケカンバは素晴らしい景色とマッチして上品に見えます。
 
ダケカンバ地帯を抜け、再び風当たりの強い八方尾根へと下がって来ました。15時少し前の遅い時間ですがソロレディーが登って来ます。話をすると八方池山荘に先ほど到着して、本日は山小屋泊だそうです。時間があるので八方尾根散策とか・・・、爽やかなレディーでした。
積雪で埋もれた八方池まで来ても、人っ子ひとりいません!お腹ペコペコ状態ですので、石神井ケルン下でカレーヌードルと思いましたが、白馬八方の「おひょっくり」で蕎麦を食べる事にしますので、 菓子パンだけで我慢します。そして人の姿も疎らな八方池山荘に15:35分、帰着です。
速やかにリフト2基とゴンドラを乗り継いで、八方尾根ゴンドラ駅直下の駐車場へと向かいます。満車だった駐車場は半分だけになっていました。
信州白馬郷土料理店の「おひょっくり」で食事と思いきや、準備中ではありませんか・・・。無料駐車場にある「第一郷の湯」の隣の「温泉らーめん八方美人」でラーメンと餃子を美味しく頂きました。日帰り温泉は「みみずくの湯」へ行ってみますが駐車場は満車状態でしたので、始めての訪問になる「十郎の湯」で汗を流し温まります。こじんまりした佇まいでした。
八方尾根ゴンドラ駅下の駐車場(@500)を利用(ゴンドラに一番近い駐車場 ) ・ゴンドラ往復1600円 リフト2本は片道各300円。
※ゴンドラ&リフト運行状況 http://www.happo-one.jp/gelande/lift.html  ※温泉情報 http://vill.hakuba.nagano.jp/privilege/onsen/index.html

おまけ 

 予報では長野方面は晴れマークですので、自分なりに早起きして唐松岳へと向かいます。
 ゴンドラ&リフトを乗り継ぎ、八方池山荘より10時12分出発の遅めのスタートです。
 天候も良く、今回も後立山連峰の素晴らしい景色を充分に楽しめて充実した休日となりました。
 
 出発時、八方尾根ゴンドラ駅でニコンD800の一眼レフをぶら下げた単独男性と挨拶を交わします。
 ザックを背負っていたので気軽に少し話をすると、八方池山荘に宿泊されたそうです。
 昨日は大荒れの天候でしたが、早朝は素晴らしい日の出を見られたそうです。
 しかしながら、強風の為、丸山ケルン付近で撤収されたそうです。
 この時点で八方尾根から強風が吹いている事を知り、気合いを入れます。

 八方池山荘より歩き始めると、私達より1時間半位早いリフト始発組の方々が突風の為登頂を断念して、
 八方池〜丸山ケルンの区間から其々下がって来ますので、テンションが下がります。

 強風ゾーンは石神井ケルンから八方池ケルンと丸山ケルン直下でした。
 遅い時間からのスタートが幸いしたのか、丸山ケルンを過ぎて標高を上げて行くと、
 覚悟していた突風は和らいだ感じでした。
 思い起こせば昨年3月より、登山者が多かったので気分的に楽でした。

 冬季限定コースは、第3ケルン先の丸山ケルンまで直登りで、
 扇雪渓等、ショートカットしての尾根沿いのコースです。
 今回も後立山連峰や頸城山塊方面の素晴らしい景色を眺められ、感謝の一言です。

 北アルプス入門編と言われる唐松岳ですが、
 積雪時限定コースは急登の直登りと更にはこの時期強風が多い為か、難易度が高く感じます。

 昨晩発生した滑落事故で、五竜岳上空を捜索ヘリが慌ただしく飛んでいるのが見えました。
 無事救助される事を願うばかりです。

天候  :殆んど晴れ(強風→突風→強風)
出会った人  :登山者(ハイキング者)は30名位  丸山ケルン先は5名
全く当てにならない疲労度  :★★
☆☆

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