樹氷と深雪の黒斑山  2014 1 31


黒斑山 標高2,404m   標高差約434m  歩行距離約6.6km

行程:車坂峠登山口(9:46)⇒シェルター(11:27〜32)⇒トーミの頭(11:47〜11:52)⇒黒斑山頂 (12:9〜12:13)
⇒蛇骨岳手前(12:39⇒)黒斑山(13:06〜13:32)⇒表・中コース分岐(13:55)⇒車坂峠登山口(14:48)

(アイゼン⇒スノーシュー⇒アイゼンにかえている時間込)

(歩行時間4時間22分:全所要時間5時間02分) am9:46〜pm14:48  yahoo地図 map
日本を代表する活火山浅間山は、この黒斑山を始め、噴煙を上げている釜山、大きく立ちはだかる前掛山、寄生する小浅間山などを総称して呼んでいる。その中で黒斑山は浅間山の展望と登り易さから四季を通して登山者が多い。春の残雪期はカラマツの芽吹きと浅間の山肌にいくつもの雪筋の縞模様が美しく、初夏から夏にかけては登山道を埋め尽くすシャクナゲや高山植物、そして草黄葉の秋から雪山へと姿を変え登山者を魅了する。また黒斑山は浅間山第一外輪山なので噴火の危険がある場合は登山規制がされるので、確認しから登るようにしよう。※信州山学ガイドHPより
 
 当初は浅間山荘から火山館経由で、前掛山を予定していました。浅間山荘駐車場に8:40分に到着すると、車も人影も全く見えません!
車から降りて支度を整えようと思いきや、冷たい突風に吹かれテンションが下がります。
本日の天候とコンディションでは、前掛山の沢沿いコースでは山を楽しめそうもないので、眺望の良い黒斑山〜鋸山への外輪山歩きに急遽変更して、車坂峠へ向かいます。
 
 デジブックで編集しました。(注!再生するとBGMが流れます)
チェリーパークラインは深夜に降った雪で真っ白でした。車内温度計は氷点下6度を指しています。高峰高原ホテル駐車場より望む白く染まった黒斑山方面です、アイゼン(12本爪)を装着して、雪しぶきが舞い上がる強風の中、車坂峠登山口は積雪が多く、無理やり越えて行きます。

毎度の如く、眺望の利く表コースからのスタートです。先行者はいるみたいですが、飛舞雪の為、トレースは無くなっています。 次第にアイゼンではラッセルになり、スノーシューに履き換え、再トライです!

予想以上の積雪で素晴らしい景色が広がり、嬉しい悲鳴です。真っ白に染まった吹きつけ樹氷はお見事です! 華やかな樹氷群には圧巻です。

スノーシューでは急な下りは滑るので、必殺!尻セードで楽々下がります。急登ではスノーシューでは歯が立たなくなり、またアイゼンに履きかえます。

樹林帯を抜けると、強風にあおられます。しかしながら、素晴らしい雪景色で気分は高まります。
眼下はスタート地点の高峰高原ホテルです。水の塔、篭の登、湯の丸方面も見えて来ました。樹林帯を抜けるといつもはゴロ岩が剥きだしになっている場所ですが、今日は雪に覆われていました。
此方から眺めると、優しい山容に見える黒斑山が見えて来ました。 振り返って白く染まった湯の丸山&烏帽子岳がようやく見えます。
 
強風で雪が舞い上がる浅間山(前掛山)と赤ゾレ(今日の場合は白ゾレ) が姿を表します。名物、雪に覆われたシェルター!
本日のトップバッターのお二人さんが早くも下がって来ます。気になる「剣ケ峰」は火山観測館付近より登れます。 諏訪よりお越しのお二人さん!尻セードの準備かな?

トーミーの頭手前は真っ白なの吹きつけ樹氷の楽園です。前掛山と重なった浅間山が目の前に迫って来ます。ゼブラ模様ではなく、白く染まった山容を望みます。

 振り返って槍ヶ鞘! トーミーの頭で強風に吹かれながら景色を眺めます。本日はプチ厳冬仕様です。
草すべりとの分岐は積雪の為、全くの歩行不能状態でした。トーミの頭を過ぎ、急坂を登り上がると浅間山の観測機器地点です。

湯ノ平〜賽の河原が眼下に見え、蛇骨岳〜Jバンド方面は何時もより雪深い景色です。

「おんぶ雪!」が可愛く、カラマツにおんぶされています♪ 程なくして黒斑山に到着です!浅間山が目の前に大迫力で迫って来るビューポイントです。蛇骨岳方面はトレースはありませんが、行ける所まで行って見ましょう〜!

お鉢のアップ!噴煙は見えません。 樹林帯は雪深く、新鮮なトレースを気持ち良く付けながら、慎重にコースを選び進んで行きます。

振り返って黒斑山!予想以上にの深雪ですので、浅間山の外輪山を歩いている感じはしません。樹林帯の中は北横岳みたいな感じが少しだけします。

腰まではまるラッセルもあり、コース取りの難易度は非常に高く、雪庇に注意を払いながら沢沿いを進んで行きます。蛇骨岳が大分近づいて来ました。

雪庇越し眼下には湯の平!無積雪期でしたらあと5.6分で蛇骨へ行ける距離ですが・・・。取りあえず浅間山を眺めながら同行者と考えます。 答えは・・・。「本日は突風の為、大事を取ります」

雪庇ごと落ちる可能性は拒めませんので、無念では無く!安全の撤収を開始します。鎖も岩場もありませんが、高度感があります。 帰路は自分の付けた足跡(ラッセル跡)があるので安心歩行です。

素晴らしい雪化粧を放つ日に黒斑山に訪問出来て非常にラッキーです。

黒斑山に戻って来ました。厳冬の山でもタフなジェットボイル! 私は毎度カレーヌードルです。連れはシチューヌードルをご賞味です。気が付くと富士山(アップ)も見えていました。

ナント!険しい草スベリ付近をカモシカが登っています。浅間山の観測機器を下がった場所から眼下を覗くと、先ほどのカモシカがいます。餌を求めて上がって来たのでしょうか?
八ヶ岳〜蓼科山、後方は南アルプス! 槍ヶ鞘手前の鞍部へ向け急降下です!

 
 帰路はショートカットの中コースへ! トレースは沢山ありますので楽々歩行です。可愛いまつぼっくりの実ですか?
烏帽子岳の後方は北アの鹿島槍〜五龍岳です。なんとな〜く!北アの景色をしばしリラックスして眺めます。

 
後半はスノーシュー跡をアイゼンでラッセル歩きです!スノーシューに履きかえるのも面倒なので、最後までラッセル! 高峰高原ホテルに帰着です。内風呂のみですがガラス越しからの景色が良く見えます。冷えた体を温め、ゆっくり疲れを癒せました。(入浴料:500円)

 おまけ

毎年のように積雪時に訪問する黒斑山ですが、
深夜に降った雪で、いつもより雪深くなっています。
雪を舞い上げ冷たい強風さらされ、フェイスマスクを久し振りに使いましたが、
その恩恵から、素晴らしい樹氷が眺められました。

念の為、スノーシューを担いでアイゼンを装着して出発すると、早速ラッセルです。
スノーシューに履き替え、急登でまたアイゼンに戻します。
脱いだり履いたりの中腰前かがみの姿勢から、
ろくに歩かないうちに弱点の腰が痛くなってしまいました。
2日前の情報では、6本アイゼンでも歩行可能なコース状況だったみたいです。

黒斑山から蛇骨岳方面はトレースは無く、深雪でした。
樹林帯を抜け、2回目のトラバース付近は雪庇が張り出しています。
腰まで埋まるラッセル歩きになってしまい、安全を取って撤収です。
※出発時は鋸岳までの予定でしたが・・・。

山頂でお会いした方に教えて頂いた事ですが、
黒斑山〜蛇骨岳の沢を縄張りにしている、真っ白なカモシカがいるそうです。
近年、ニホンジカの異常繁殖の影響で、
カモシカの縄張りまで侵入して餌を食い荒らしているそうです。
猟友会メンバーの高齢化も進んでいるのも、影響しているそうです。


 天候:晴れ(強風!)。  
 出会った人 8名
 全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆

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