奥穂高岳 標高3,190m  前穂高岳 標高3,090m 標高差約1,690m 歩行距離約28㎞

(バス:あかんだな駐車場⇔上高地)
上高地⇒河童橋⇒岳沢登山口⇒風穴⇒岳沢小屋⇒紀美子平⇒前穂高岳⇒紀美子平⇒奥穂高岳
⇒穂高岳山荘
⇒涸沢ヒュッテ⇒本谷橋⇒横尾山荘⇒徳沢園⇒明神館⇒明神池⇒上高地
 (全歩行時間時12間26分)          yahoo地図   コースmap

 
★1日目       あかんだな駐車場(6:40)バス⇒上高地(7:07)⇒河童橋(7:16)⇒
岳沢登山口(7:30)⇒風穴(8:02)⇒岳沢小屋(9:22~9:42)⇒紀美子平(12:02)

前穂高岳(12:38)⇒紀美子平(12:59)⇒奥穂高岳(14:25~14:35)⇒穂高岳山荘(15:10)

 (歩行時間6時間34分:全所要時間7時間14分) 標高差1,690m 歩行距離9.6 km am7:07~pm15:10 


★2日目穂高岳山荘
(5:50)⇒涸沢小屋(7:10~7:34)⇒本谷橋(8:28~8:38)⇒横尾山荘
(9:19~9:30)⇒明神館(10:50~11:05)⇒明神池(11:18~11:30)⇒上高地(12:30)

バス⇒あかんだな駐車場(13:03)
  
 (歩行時間5時間52分:全所要時間6時間40分) 歩行距離18.4 km    am5:50~pm12:30 
穂高連峰は、日本列島の中央部に連なる飛騨山脈、通称北アルプスと呼ばれる山岳エリアの南部にあります。主峰奥穂高岳(標高3,190m)をはじめとして、涸沢岳(3,110m)、北穂高岳(3,106m)、前穂高岳(3,090m)、西穂高岳(2,909m)などからなっています。その稜線は、長野県側である前穂高岳以外は、主に岐阜県と長野県の境界となっています。連峰の長野県側は上高地を経て松本へ、岐阜県側は白出沢、また西穂高からロープウェイを経て新穂高温泉へと至ります。この連峰は難易度の高い縦走路や登攀ルートを数多く抱え、その迫力ある急峻な岩稜、稜線からの大パノラマ、また涸沢カールからのヨーロッパを思わせる壮大な眺めなどが、多くの登山者を魅了しています。また、上高地から仰ぎ見る穂高連峰の日本屈指の景観も、全国から訪れる観光客に広く愛されています。穂高岳は、剣岳、谷川岳と共に日本三大岩場のひとつに数えられています。
昨年、西穂高岳より奥穂高の豪快な岩峰の雄姿に憧れました。先日、槍ヶ岳から雲海越しの穂高連峰を目にし、早速、連れを引き連れ向かいます。お盆過ぎから不安定な天候になり、残念ながら悪天候の為、半分以上はレインを着ての山歩きになり、完全な視界不良でした。雨の重太郎新道は急登の連続で、梯子や鎖が続き、「病みつきになりそうな、スパイシーで魅力ある重太郎新道」でした。
山小屋泊になると帰りの平湯温泉に入るのが楽しみですので、今回も“あかんだな駐車場”からシャトルバスに乗車し、上高地にやってきました。昨日、コンビニで買った食料を、いつでも補給できるようにと袋ごとぶら下げます。河童橋から望む穂高方面は、早速の視界不良です。橋を渡り、岳沢登山口までは早朝の上高地を楽しみながら歩きます。
岳沢登山口から、ご夫婦ハイカーと一緒の登りになります。歩き始めて倒木で荒れ気味のコースに突入ですが、直に普通の山道に変わります。前を歩いていたご夫婦は、私達の前を結構なペースで歩き、やがて消え去っていきます。健脚ハイカーと思いきや、違いました。途中、早くも疲れた模様で座り込んで、息を切らしていました。上高地からの往復で、本日は岳沢小屋に泊まるそうです。そんな上品なご夫婦を後にして先へ進みます。
登り始めは風通しの悪い樹林帯ですので、湿気があり、文句なしに暑い!楽園状態の風穴(1630m)に到着です。暑くなった体を冷やし、癒してくれます。途中、分岐を展望コースの見晴らし台(1760m)に巻きます。標高を上げるにつれ雲が近くなってきました。やがて雨が降りだし、早々にレインを装着です。
新しい岳沢小屋は、小規模ながら、売店・トイレ・水場などが整備されていて、多くの登山客の憩いの場として利用されていました。周囲にはテント場も整備されています。2ℓタンクを水場で補給し、朝食おにぎりを頂きます。小屋の入口に重太郎新道と紀美子平のお話が書いてありました。※写真をクリックで拡大
大粒の雨が叩きつけるように降り出しました。急な岩場や鎖が出現しますので、スリップに気を付けながら登っていきます。時折、すれ違う登山者は、真剣な表情で下山してきます。

鎖が終ると今度は急なハシゴが!槍ヶ岳の梯子よりゆるやかでしたが、長さはあります。急岩登りと鎖場が続きますので、重太郎新道はなかなか侮れません!
岳沢パノラマに到着ですが、山頂方面はガスのパノラマしか見えません。前方にハードコースが続いているのが確認出来ます。
ガスが少し抜けたので、登って来た道を振り返ります。進行方向は相変わらず、岩峰しか見えません。
岩峰をよじ登り、雷鳥広場に到着です。雨の中ですので、雷鳥さんはハイマツの中で、雨宿りをしているのでしょうね。
視界は5m~10m位ですので、どの辺まで登ったのか全く分かりません。鎖場を過ぎ、すれ違いのおじさんに「紀美子平は?」と聞くと「あと30秒!」と驚きの返答でした。
紀美子平に到着です。休憩するのに丁度良い場所です。天気が良ければ絶景が飛びこんでくるはずでしょう。「重太郎新道」を開設した、今田重太郎氏の5歳の娘の紀美子さんを作業中、ここで遊ばせておいたことから「紀美子平」と命名されたとのことです。紀美子さんは昭和45年、23歳という若さで病死したそうです。紀美子平の端っこにザックを置き、白ペイントマークを頼りに前穂高へ登っていきます。

前穂高岳(3,090m)に到着です。折角登った山頂は、強風で寒く視界はまったくありません。ゆっくりしてはいられませんので、直ちに紀美子平へ戻ります。
紀美子平からは、奥穂高岳へ向けた吊尾根の登りです。急峻な岩場の登りが続き、相変わらず視界不良ですので○ペイントを頼りに登っていきます。すれ違う人もなく、なかなかのアップダウンで、侮れない山道でした。やがて最低コルの分岐点を通り過ぎます。

トウヤクリンドウが稜線の随所に咲いています。稜線から離れ、岩場の長い鎖場を登り込むと、南稜の頭に到着します。ここから奥穂高岳の山頂は目の前のはずですが、ガスの中・・・。

穂高神社嶺宮にお参りし、いよいよ奥穂高山頂の大ケルンの祠へ登ります。
連れと二人で満員状態の狭いケルンの祠です。そこは冷たい突風が吹き付け、体温が徐々に下がっていくのを感じます。隣の方向版へと移動します。穂高岳山荘経由でお越しになった親子連れが到着し、久しぶりの人間様に安堵しました。ザックは山荘に預けて登ってきたそうです。
 2010/8/31  西穂高岳へ向かう西穂高独標より撮影。 奥穂高~前穂高方面
 ★岳沢小屋から(重太郎新道)⇒前穂高より(吊尾根)⇒奥穂高岳

 2011/8/6  槍ヶ岳山頂より撮影。 奥穂高連峰方面
体が冷えますので早々と、穂高岳山荘へと向かいます。山小屋手前の急な鎖場や梯子は掴むと冷たく手が悴んでしまいます。発電機らしき音は聞こえますが、ガスでなかなか山小屋は近くに寄るまで見えませんでした。 ※十数時間後、この梯子から滑り、滑落事故が発生する事になります。
穂高岳山荘に到着です。ロビーは沢山の登山者が寛いでいます。すぐにチェックインの手続きをし、部屋で着替えを済ませます。ロビーのストーブで温まりながら、角のお湯割りを頂きます。同席だった(3+1)=4名さんは、西穂からジャンダル経由で到着したそうです。うち1名は、単独テント泊で大田区からお越しの青年です。ジャンダルでガスに巻かれ、不明瞭になった場所で立止っていたら、ご夫婦を引き連れたガイドさんと一緒に、ジャンを制覇して来られたとか。夕食の時間まで6人でお酒を飲みながら、各所の名峰話に盛り上がり、時を過ごしました。

17時からの夕食開始です。2Fの部屋から下りて食堂に向かいますが、嬉しい一番乗りでした。
穂高岳山荘の夕食です。同席だった4名のおじさんは、それぞれ単独で来られて途中で仲間になり、4名一緒の部屋に宿泊だそうです。会話もはずみ、京都で小さな美術館の館長をなされているおじさんから、ビールを沢山とご馳走になり、楽しい夕食の時間をすごしました。※繁忙期ですが、悪天候の為か個室が空いていました。風邪っぴきで雑居寝が苦手な私は、蝶が岳というお部屋を別途料金を支払い、温か毛布をかぶり、熟睡出来ました。
夜中じゅう大雨で、早朝には小雨に変りましたが、凄いガスです。4時過ぎに起きて5時から朝食を頂きます。視界不良ですので、奥穂高の再登りと涸沢岳・北穂高行きを残念ながら諦めます。ロビーでモーニング珈琲をゆっくり飲んでからレインを装着します。早朝、山荘付近の奥穂高岳に向かう急勾配の梯子から、滑落事故が発生しました。悪天候の為、奥穂高岳登頂を諦めて帰るハイカーの姿も多かったです。山荘を下ってすぐのガレ場で、コースを外れた岩陰から、私達を呼んでいる声がします。振り返ると、昨日夕食時に一緒だった単独のおじさんでした。ガスにまかれ急な沢を下り、間違いに気付き、必死に戻ってきたそうです。正規のコースを説明しましたが、結構な疲労らしく、少し休んでから行きますと言っていました。
今年8月7日に落石の為、2名の滑落死亡事故が発生した急岩のザイテングラード付近です。この岩場付近で千葉県からお越しの学生さん40名位と交互通行になります。涸沢に近付くにつれ、登山道も緩やかになります。チングルマの群生越しに涸沢雪渓が見えて来ました。
標高を下げると雲の下に出て、涸沢カール基点が見え始めました。氷河期にできた渓谷で、日本有数の登山基地です。涸沢小屋と涸沢ヒュッテの2軒があります。カラフルなテントが立ち並ぶのが見えて来ます。涸沢小屋展望台より、穂高方面を見上げますが、やっぱり雲の中・・・。
昨日、穂高山荘ロビーで同席だった、ジャンダル経由の(3+1)=4名さんとまたもや一緒になります。珈琲を飲み、最終の穂高の雰囲気を名残惜しみます。テント場を横切り下山です。涸沢から緩やかな山道に変わり、大田区の単独青年の後について30人位、チャッチャカ追い越しながら歩きます。
本谷橋に近づくにつれて雨が上がりました。殆どの方が、レインを脱いで軽装になります。レインを脱ぐと、其々持ち前の服装と変わり、山ガールに変身するレディーが多かったです。
穂高岳と槍ヶ岳分岐の横尾に到着です。ここから上高地までの道程は平坦ですが、結構な距離があります。まだ午前9時20分ですので、お気に入りの平湯温泉「あんき屋」での昼食に決めます。
観光コースの明神橋を渡ると、落ち着いた感じがします。時間がありますので明神池を観光客にまぎれて見学します。拝観料300円が必要です。
一ノ池、二ノ池、三ノ池と3つの池がありますが、現在見ることができるのは一ノ池と二ノ池です。澄み渡った湖面には周囲の木々が映り込み、河童橋周辺よりは人も少なく落ち着けます。帰路は木道主体の遊歩道ですので、クールダウン方々の気持ちの良い歩きになります。河童橋を渡り、12時30分発のあかんだな行きに乗車です。
待ちに待った昼食です。平湯インター近くのあんき屋で、まつや鉄板焼肉牛定食を頂きます。じゅうしーでとっても美味しく、ライスもおかわりしました。
今回も“平湯の森”で汗を流し、ゆっくり寛ぎました。※泉質も良く広い露天風呂、入浴料も500円で大変とリーズナブルで、お気に入りです。駐車場は混んでますが施設が大きいのでお風呂はのんびり入れます。今回で5回目の通過になる安曇アーチダムのメインの「奈川渡ダム」上の国道158号を通過し、帰ります。

おまけ
 念願だった奥穂高岳は生憎の悪天候で、半分以上はレインを着ての山歩きとなりました。
 天候が良ければ難なく登れるコースだと思いますが、雨の中の重太郎新道と吊尾根は、
 著しく視界を遮られ、コースを外れないように慎重に歩きました。
 条件の悪い難コースでしたが、連れが健脚ぶりを発揮してくれたので助かりました。
 
 夏の山歩きでまさかの気温低下により、震えながら山頂から下山しました。
 奥穂高山荘へ入った瞬間、ストーブがあり温かく、心地良さに感激しました。
 今回の山歩きは、眺望は無かったけれど、振り返って満足感を沢山得られ、
 さすが穂高岳!と思いました。
 
 奥穂高連峰等の山容を、一度も望めない山行きになりましたので、晴天の日に是非、
 リベンジしたいと思います。
 
 1日目は上高地から奥穂高岳まで歩行時間約6.5H、標高差約1,690mは良い感じです。
 2日目は涸沢経由で明神池観光含め、歩行時間約6H弱ですので、ゆっくり出来ました。
 ※岳沢~前穂高岳までは、健脚の方でしたら日帰りコースになると思います。

 奥穂高岳は山ガールが少ないと思いましたが、レインに隠れて自慢の服が見えなかった
 だけでした。しかしながらレインのカラフルな色彩は、
 悪天候の日に目立って良いですね。

天候= 1日目:曇りのち雨 2日目:雨のち曇り
出会った人= ・岳沢コース登り(25人位) ・涸沢コース下り(150人位)
全く当てにならない疲労度:★★★☆ ※悪天候の1泊2日でしたので


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