クレバスに阻まれた、危険な白毛門! 2015 2 12


白毛門 標高1,7.20m   標高差約1,081m   歩行距離約6.3km

行程:土合駅手前駐車スペース(7:54)⇒東黒沢(8:06)松ノ木沢ノ頭(10:02~10:05)⇒
白毛門手前の大岩付近(10:47~11:07)⇒松ノ木沢ノ頭(11:43~11:58)⇒東黒沢13:03)⇒土合駅手前(13:15)
(歩行時間4時間41分:全所要時間5時間19分) am7:54~pm13:15  yahoo地図 

早くも厳冬期を過ぎた白毛門(修羅場門)は大変危険な領域になっていました!
湯檜曽川をはさんで谷川岳の向かいにある白毛門は、谷川岳の東壁を一望できる絶好の展望台です。白毛門の名前の由来は積雪期の山容からきています。ジジ岩、ババ岩が雪で氷門のようになり、山頂付近が白髪頭のようにみえるためにその名がついたといわれています。谷川岳の西黒尾根に引けを取らない急登が続く人気のコースで、馬蹄形縦走コースの基点となる健脚向けです。更に積雪時は直登りコースになる為、体力を要します。
昨年の3月24日に続いて、積雪の修羅場門(白毛門)に訪問しました。今回は昨年より40日以上早く訪問しましたが、またまたクラックが!季節的には厳冬期に入りますが、最近の気温上昇と日当り良好の白毛門はすでに厳冬期を過ぎて、クラックやクレバスで危ない領域になっていました。しかしながら嬉しい事にみなかみ地区は予報と違って、午前は文句なしの快晴でした。谷川岳の展望台と云われている松ノ木沢ノ頭~白毛門直下より、白銀に染まった谷川岳のダイナミックな姿を何度も眺めました。

  デジブックでダイナミックなスライドショーをご覧頂けます。
 
 みなかみICより、ダイナミックな谷川連峰が真っ白に染まっていて、早くも気分が高まります。

白毛門登山口の土合橋駐車場は積雪で入れませんので、土合駅に車を止めてスタート!MAX土合ベース横の、土合橋駐車場入口に積もった雪を、12本アイゼンを装着して乗り越えて行きます。
「親しみ」の『谷川連峰馬蹄形概念図』は雪で埋まり確認できません!東黒沢に架かる雪でナイフリッジ化した小さな鉄橋を渡ります。 夏コースでは右に進路をとりますが、真っすぐ尾根伝いに直登りして行きます。トレースは古いのと新しいのが沢山あります。
    見上げて対面の天神平山頂駅と天神平スキー場!       標高を上げて行くと谷川岳が良いアングルで見えて来ます。

樹林ポイントを抜け、ようやく松ノ木沢ノ頭と白毛門が姿を現し、そして右斜面をトラバースして行きます。右眼下を見ると非常に高度感があります。
この先は、雪庇が発達しているようです。 気温上昇の為雪質が悪く、すぐアイゼンに雪ダンゴが!ピッケルのシャフトでコンコンとアイゼン脇をたたいて雪ダンゴを落としながら歩きます。
 
 素晴らしい白銀の谷川岳の絶景にしばし立ち止り眺めます。
真っ白な大量のモコモコ雪と雪庇!
 
雪庇とクラック! 暑いのでジャケットを脱いでアンダーシャツ1枚で!白毛門は2月12日ですが、最近の気温上昇の為早くも修羅場門状態になっています。  
少し標高を上げてダイナミックな谷川岳を望む!
 
 トレースは沢山ありますが、クラックも・・・!
          雪庇越しに武尊山                 先行者が勢い良く!早くも下がって来ました。
東京よりお越しの元気な山レディーの3人娘です。山頂直下はクラックが凄いとか?私は山レディー達は山頂からてっきり下がって来たのだと勝手に解釈しました。※写真掲載許可済! 白毛門名物、ジジ岩&ババ岩で、jijibbaさんとは全く関係はありません(^^)
 
  前回登った素晴らしい独立王国の上州武尊山!
振り返って眼下に元気な山レディー達!そしてこの山域は私ひとりだけの寂しい貸切です。この大岩を越えればすぐ白毛門山頂ですが・・・。沢山あった数日分のトレースは大岩ですべて途切れています!さっきの山レディー達はこの先の大岩で引き返した事を今更把握です!
気温上昇で緩々雪になっていて、大クラックの裂け目が横に伸びている!
ピッケルで雪の上を叩いてみると下は大クレバスになっていて、怖っ! 南西方向の雪もピッケルで突いてみるとやはり深いクレバスが続いてる!
ピッケルで表面の雪を落としてみると?! 深さは3メートル位あり、下は空洞になっている!落ちたら絶対絶命、抜け出せない!
 クレバスは人工的に切断されたように両方向に伸び!非常に危険な現状を把握したので、納得感いっぱいで逃げるように撤収!
 
 そして安全な場所へ移動して眺める、ダイナミックな谷川岳は最高です!
 
 トマの耳とオキの耳のアップ!
 
 一ノ倉岳~茂倉岳のアップ!
  茂倉岳のアップ!危なげな雪庇が今にも落ちそう!          このアングルより眺めると、カッコ良い武能岳!

     トマの耳のアップ!下にはクラックがあるようです!             茂倉岳と武能岳の間に苗場山~神楽ケ峰 
眼下の稜線の脇にもクレバスが発生しているので注意を払って標高を下げます。
緩い積雪の下は空間が出来て、陥没して雪崩たようです! 松ノ木沢ノ頭少し上の安全な場所で食事休憩です。何気にピッケルを雪に置いたらトップで止まった!
      お湯を渡している間にいつものワンショット!       冷たくても美味しく頂ける稲荷ずし ※本日は暑いですが!
松ノ木沢ノ頭少し上のピークより、良いアングルの谷川岳!
               野うさぎ?のトレース!                   至仏岳~笠ヶ岳
振り返って!危険な場所に変わった白毛門!
             怖そうな西黒尾根!                    谷川岳も気温上昇中?
冬コースは殆ど真っすぐで急降下!滑らないよう注意を払います。
          眼下に谷川RW駅                       只今の気温は?
         ヌカヌカ雪の樹林帯にもうすぐ突入!               気温上昇の為、落とし穴連発!

 
        東黒沢の雪橋?を冬季限定で渡ります。             東黒沢は雪で覆われて、全く見えません!
親しみの『谷川連峰馬蹄形概念図』を探すと、雪に埋もれてました!積雪の為、駐車出来ない土合橋駐車場より振り返って武能岳!
   MAX土合ベースへ着地して速やかにアイゼンを外します。          踏切を渡たり、振り返って白毛門!
谷川ドライブインの駐車場で、巨大かまくらを見学!入口には「関東一、谷川大かまくら」の看板!中にはベンチが置かれて休憩所になっていました。意外と広い空間で、入口から差し込む明かりで良い感じです。やがて融けて潰れるのでしょうね?

 帰路は永井食堂により、店内でもつ煮定食を美味しく頂きます。     修羅場門直下のクレパスに阻まれた位置!
 
谷川連峰の山域を熟知しているTomoさんより提供して頂いた写真です。前日の11日、谷川岳より撮影した白毛門の写真!
 
少し拡大して見てみると、私が登る前日、既に大岩周辺は危険なクラックとクレバス地帯になっています。下には登山者の姿が見えます。白毛門は今後も積雪があると思いますが、空洞のクラックの上に雪が降るわけなので、残雪期が落ちつくまで安全の為、白毛門の訪問は控えた方が良いかと実感しました。
 
おまけ

 昨年は3月の24日に訪問して、山頂直下よりクレバスに注意を払い、緊張しながら登りました。
 今回は昨年の教訓から、厳冬期の白毛門に訪問すべく、昨年より40日以上早い2月12日ですが・・・。
 
 トレースは沢山あり、夏コースとは違い樹林帯歩きでなく直登りで、
 最初から笑っちゃうほどの急登が続きます。
 雪質は緩んで歩き難いので、余計な体力を要しました。
 天候に恵まれすぎ、予想以上の気温上昇でしたので、登り始めてすぐジャケットはザックの中!

 途中でスライドした山レディーの方達は、
 てっきり山頂まで登ったと勝手に解釈して、安心しながら登って行きます。
 しかしながら山頂直下の大岩で、数日分のトレースはすべて途切れていました。
 この大岩を越えれば数分で白毛門山頂ですが・・・。
 目の前は、大クラックの裂け目が危なげに横に伸びているので納得です。

 ピッケルで雪の上を叩いてみると直下は大クレバスになっていて、
 人工的に切断されたように両方向に伸び、深さは3メートル前後ありました。
 落ちたら絶対絶命!
 危ない状況を把握出来たので安全を取り、速やかに撤収しました。

 早くも厳冬期を過ぎた雪の白毛門の下山は、ゆるゆるでドキドキ状態でした。
 積雪の状態が落ち着くまで、クラック&クレバス、雪崩等の危険は拒めないので、
 絶対に近寄り難いと実感しました。

天候:午前は快晴!のち曇り 
出会った人:松ノ木沢ノ頭でお会いした元気なレディー3名のみ
全く当てにならない疲労度:★★
☆☆(歩きづらい緩んだ雪質)

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