赤城登山鉄道

赤城登山鉄道跡から赤城山 (利平茶屋~鳥居峠は今回で5回目の訪問になります)

黒檜山標高1,828m ・駒ヶ岳標高1,685m ・篭山?m  標高差約808m 歩行距離約12.5km  

行程:利平茶屋公園駐車場(9:45)⇒御神水(10:31~10:40)⇒鳥居峠(10:53~11:00)⇒覚満淵(11:08)
黒檜山登山口(11:40)⇒黒檜山(12:48~13:10)⇒駒ヶ岳(13:42)⇒駒ヶ岳側下山口ベンチ
(13:53~14:15)⇒篭山(14:38)⇒鳥居峠(14:48)⇒利平茶屋公園駐車場(15:33)
(歩行時間4時間48分:全所要時間5時間48分)   am9:45~pm3:33 yahoo地図 map

※歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません。
赤城山は複成火山であり、複数の山頂(黒檜山/駒ヶ岳/地蔵岳/長七郎山/小地蔵岳/鍋割山/荒山/鈴ヶ岳)の総称です。赤城山の最高峰は黒檜山で深田日本百名山と日本百景の一つにも選ばれています。中央のカルデラの周囲を、円頂を持つ1,200mから1,800mの峰々が取り囲み、その外側は標高にして約800mまでは広く緩やかな裾野の高原台地をなしています。裾野の長さは富士山に次ぐ面積を誇ります。
      高度経済成長期に赤城山観光の目玉として登場した赤城登山鉄道(営業距離1.0km)
S32年7月21日 赤城山頂~利平茶屋開通 ・S42年11月5日休止  ・S43年06月1日廃止

東武鉄道が赤城山観光開発を趣旨として昭和32年に開通した念願のケーブルカーでした。東武路線を軸とした鉄道とバス経由の独自の策で観光最短ルートでしたが、新大間々~利平茶屋は悪路で非常に時間がかかったそうです。モーターリゼーション時代の到来と昭和41年赤城有料道路南面ルートの開通により、マイカーでの乗入れが支流になり客足が伸び悩み、利用者が激減しました。10年後の昭和42年に休止となり、翌年、永久廃線となってしまいました。 約半世紀の日々が経った現在、当時の名残を感じさせる風化しかけた軌道線跡を歩きました。
赤城登山鉄道(利平茶屋~鳥居峠)登山道の詳細は以前のレポへ
先送りにしていた黒檜山へ登るべく、利平茶屋へと向かいます。国道122号線を日光方面へ進んで行くと左側に「道の駅くろほね・やまびこ」があります。次の信号「下田沢」をR62号線へ左折し、道なりに進んでいくと利平茶屋森林公園の大きい標識があり、R70号線へ左折し進みます。突き当り右が利平茶屋森林公園の大駐車場です。管理事務所とバンガローを過ぎた左カーブの右に利平茶屋登山口がありますが、今回は通り過ぎます。
※利平茶屋森林公園は閑散期の為、閉鎖中ですので、WC等は一切使用出来ません。

今回は東屋裏手の「赤城登山鉄道・旧利平茶屋駅跡」から登って行きます。しばらくコンクリートの風化したケーブルカー軌道線跡を登って行きます。
やがてケーブルカー送電線跡が見えて来ます。テープが張られ進入不可になっていますので、右上の登山道へと少し強制的に登り、通常コースと合流します。一昨日降った雪が多く残っていますので、新しい足跡から察して先行者が2名いるみたいです。
樹林帯の薄暗い登山道を歩いて行くと、小さい木の橋があります。本日は気温が低く薄い手袋では手が悴んでしまいますので、ザックから防寒用手袋を出し装着します。日陰は凍っていますので注意を払いながら歩きます。
2番目の木の橋を渡ると、鳥居峠直下の軌道線跡に出ます。軌道線跡を下がり、右下の御神水の水場へと向かいますが、足跡は全く無く、久し振りの訪問者になったみたいです。
御神水は3種類あります。美人の水・御神水・智慧の水は、それぞれ個性が違う味です。残念ながら智慧の水の標示は無くなっていました。今回も飲み比べをしましたが、やはり美人の水が一番美味しかったです。※ペットボトル(大)に補充して、本日の飲料水とカップヌードル・珈琲用にキープです。
ケーブルカー軌道線跡に戻り、コンクリートの歪な800段の階段と中央のコンクリート部分を登り始めます。途中、落石跡があり、線路跡は大破していました。 
傾いた軌道線跡を一歩一歩登って行くと、やがてレストハウスが見えます。振り返ると、明日登山予定の「筑波山」が良く見えます。※北関東自動車道の太田IC以降は乗った事がないので、高速を使って「筑波山」を予定しています。
鳥居峠に到着です。旧赤城山頂駅のは、現在、サントリー・ビア・バーベキューホールになっています。繁忙期のみの営業ですので、冬季休業中の鳥居峠周辺は閑散としていました。冷たい強風に煽られ冷えますので、中間着を着用しフードを被ります。
鳥居峠から覚満淵へ向かいます。湖面は凍っていますので、住民の鴨達は、何処に行ったのでしょうね?大沼周辺は人出も無く、静寂していました。大沼の湖面は強風の為、さざ波がたっていました。

赤城神社入り口を過ぎると左側に黒檜山登山者用Pがあり、7台車がありました。更に登山口手前の駐車スペースには4台駐車してあります。登山口では男性3名が下山してきました。足元を見るとアイゼンは付けていませんので安心です。

途中、大沼と地蔵岳を眼下に眺みます。高度を上げていくと凍っている箇所がありますので、小枝を掴んで滑らないよう登って行きます。
振り返ると、地蔵岳の横に富士山が見えて来ました。途中6名とすれ違いましたが、アイゼンを着用している方は2名だけでした。駒ヶ岳への分岐尾根道に到着です。
山頂標識の上部には『立派な標識』が新設されています。一番下の『点々が5つある“黒”と檜山』の超手作り感漂う看板も風化して、馴染んだみたいです。以前は真ん中の道標しか無かったので、随分と賑やかになりました。※最近は、一年ごとに山頂標識が増えています。
北側の眺望ポイントへ向かいますが、谷川~武尊山方面は雪雲が掛かっています。皇海山方面は視界良好です。先行者の男性が1名いましたので、近くに寄り「こんにちは!」と、声を掛けたら、『ビックリ!』していました。冷たい北風が吹きつけるので、景色を見渡し早々と撤収します。

木の枝に着いた雪は、カチンコチンに凍っています。黒檜山山頂は若者で賑やかっていますので、写真を撮り、通り過ぎます。
 
赤い鳥居のある御黒檜大神で食事を、と思いましたが、強風でガスが使えそうもなく、断念です。榛名山の後方には、真っ白な浅間山が見えます。
小沼の右上には、富士の頭が見えます。嬉しい事に3週連続で富士山を拝む事が出来ました。花見ヶ原キャンプ場と駒ヶ岳との分岐で、先ほどの“ビックリさん”が腰を掛けてコンビニ製では無く、手作りおにぎりを美味しそうに食べていました。恵比寿さま顔負けの笑顔を頂きながら、少しの会話を楽しみました。“ビックリさん”は、花見ヶ原キャンプ場へ戻るそうです。
御黒檜大神からの下りの木段の真ん中で、おじさんが座り込んでいました。「こんにちは」と声を掛けたら、『ビックリして、慌てて端に寄ってくれました。大タルミからの登り返しでオーバーヒート状態になってしまい、もう誰も来ないと思い、休んでいたそうです。今日はヤケに『ビックリ』のサプライズを頂く、不思議な日になりました。以降は貸切歩きになり、雪の木段は滑るので、注意を払いながら下がっていきます。大タルミの陽だまり付近は雪が融け、泥んこ状態になっていますので、靴を汚さないよう端を歩きます。
お腹ペコペコですので駒ヶ岳で食事と思いましたが、眺望も無く落ちつける場所では無いので、何時もの如く通過します。
二つのベンチが設置してある駒ヶ岳登山口と篭山の分岐で、遅い昼食です。冷えきった体に、温かいカップヌードルとほっと珈琲は格別でした。下山は右側の駒ヶ岳登山口へ下りる鉄の階段を下らず、篭山経由で鳥居峠へと向かいます。踏み跡の疎らな藪雪道を下がって行きます。

やがて、岩がゴロゴロしていて眺望も標識も何にも無いお山の「篭山」に到着です。右に巻いて下がって行くと、覚満淵と鳥居峠が見えて来ます。

鳥居峠から黄昏時が迫った覚満淵方面を望みます。冬に入る前の覚満淵はひと気がなく、静寂していました。大沼の後ろには薬師岳と陣笠山が見えます。やがて大沼も凍って、来月にはワカサギ釣りの季節に入ります。
鳥居峠からの帰りは、サントリー・ビア・バーベキューホールの右手からの山道から軌道線跡を使わないで、と思いましたが、残雪の為、来たコースで戻る事にしました。 帰りにペットボトル×2本に美人の水と御神水を其々補充し、晩酌のウイスキー割用に頂いて来ました。
利平茶屋公園には立派なバンガローが沢山あり、キャンプ施設も沢山あります。開園時期になると活気がある施設に変わります。公園内は鳥居川が流れていて、バーベキューや夏の水遊び、鳥居川に沿って遊歩道が整備され、ハイキングなど自然を満喫することができます。帰りは久し振りに、伊勢崎のゆまーるで温まってから帰ります。

 おまけ

 
今回で14回目の黒檜山になります。雪山時期には4回ほど登っていますが、今までの中で本日が一番寒く感
 じました。一度冷えた指は防寒手袋をしても悴んでしまい、シャッターを押す指の動きが、歯がゆく感じました。
 冷たい強風対策として、マスク代わりにタオルを口に巻いたり、毛糸の帽子&フードを被ったりしました。
 
 赤城軌道線跡は登山道として復活されています。ちょっぴりマニアックなコースなので歩く人は少ないですが、
 思い出深くて好きなコースです。途中にある御神水は、魅力ある美味しい湧水ですので、是非、ご賞味を。

 
天候:晴れ(強風)
 出会った人:赤城軌道線跡は貸切 黒檜山:15人位
 全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆


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