武甲山〜大持山


武甲山(1,304m)  大持山(1,294m)  小持山(1,273m) 標高差約786m  歩行距離約10.3km

行程  生川一の鳥居駐車場(11:25)⇒武甲山登山口11:43)⇒大杉の広場(12:10)
⇒武甲山山頂(12:40〜12:52)⇒シラジクボ(13:07)⇒小持山(13:34〜13:47)⇒大持山
(14:12)⇒鳥首分岐(14:16〜14:22)妻坂峠(14:47)⇒生川一の鳥居駐車場(15:08
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(歩行時間3時間12分:全所要時間3時間43分) am11:25〜pm15:08 yahoo地図 map
※歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません
武甲山はその異様な山容から、奥武蔵や秩父周辺のどこから見ても山名を言い当てることのできる山です。山頂付近まで削り取られた痛々しい山肌は、山体の北半分が石灰石で出来ているために背負わされた宿命だったのでしょう。採掘は、大正時代から始まり、昭和40年ころから急速に山容を変えてきたそうです。秩父側から見るその山容は、いまだ堂々として、奥武蔵の主にふさわしい存在感を示しています。
所用の為、中途半端な時間になりましたが、遅い時間からでも登れそうな馴染みの武甲山へと向かいます。当初はピークハントのみのピストンと思いましたが、折角ですので小持山〜大持山〜妻坂峠の周回コースに切り替えました。冷たい風が吹きつけますので、ピッチを上げての忙しい山歩きになりました。道中お会いした方はたったの4名だけの、閑散とした武甲山周回コースとなりました。
生川手前の工場群は毎回の如く、何かのひみつ基地みたいです。すぐに整備された広い駐車場になりますが、残念ながらここにはトイレはありません。(手前の菱工石灰工業様のWCを使用出来る地図入り貼紙がありました)ここが石標の1丁目で登山口で、登山届ポストが設置されています。
駐車場を過ぎると休業中の茶屋などの建物があり、すぐに釣堀のような施設を通り過ぎます。清流の小さい滝を左眼下に見ながら、コンクリートで舗装された林道をしばらく歩きます。 以前、左の沢沿いに転落していた車は見当たりませんでした。

コンクリート道が終わり、十二丁目の石柱から本格的な山道に入ります。十六丁目の石柱は割れていて、補強されていました。

表参道を登っていくと、程なくして不動の滝の水場に到着です。滝は凍り始め、すっごく冷たい水になっていました。 不動の滝のすぐ先に新しくなった吊橋があり、渡ると山道らしくなります。
武甲山御岳神社参道と書かれた石柱を過ぎ、植林された同じような景色の中をただひたすら登る事になります。三十二丁目を過ぎ、表参道の中間点「大杉の広場」標高1000m地点に到着です。 大きさが均等の杉の林の中にやたらと大きくて立派な杉の木があり、圧巻です。武甲山へ60分の案内が立っていて、見上げるばかりの杉の巨木です。 この先で川越からお越しの「爽やかなご婦人」を追い越します。

途中分岐がありますが、左の階段コースは階段崩壊の為、通行禁止になっていますので、右の一般コースを選んで進んで行きました。 やがて勾配が急になり、しばし登りつめると山頂手前の分岐です。

神社手前にトイレがありますが、冬季閉鎖中の表示があるので使えないみたいです。御岳神社に到着し、ここが五十二丁目です。神社の左脇を上がっていくと、景色の良い第一展望台兼、山頂です。

今回で6度目の訪問になる武甲山山頂には「陽気な単独おばさん」がいるだけでした。昼時ですので作業車等は止まっていて、大変静かな頂です。武甲山は本来の標高は1336mありました。※標石には「1,336-41+9=1,304m」と書かれていて、掘削の為、標高が変わった事が伺えます。
おばさんはニコニコしながら撤収して行きました。誰〜もいないので柵をのり越え、最高地点からしばらく絶景を楽しみます。西上州〜奥武蔵等の山並みです。遠方の山々は少し雪雲に覆われています。
眼下には昼休憩に入って静止している作業用重機等が、ミニチュアの玩具みたいに見えました。

第二展望所の下にある武甲山の二等三角点を拝んでから鐘撞堂の鐘を木槌で叩き、景気良く鳴らします。「かぁ〜ん♪&かぁ〜ん♪」静まり返った貸切の武甲山でひと際、鳴り響いていました。武甲の肩まで下がり、浦山口への裏参道との分岐を、小・大持山方面へと下がって行きます。

武甲山を後にして、シラジクボの鞍部まで約216mの急下降を開始します。下降途中から望む小持山と大持山です。
シラジクボの鞍部に到着です。ここから「持山寺跡」を経由して、生川登山口までのコースもあります。ひと息入れてから小持山まで登り返します。「若い仲良しカップルハイカー」と急登ですれ違い、以降は貸切道中となりました。
小持山までは急登になったり、緩やかになったり、岩場になったりしながら登って行きます。小持山山頂から振り返ると、アセビ越しに無傷の堂々たる奥武蔵の代表格の武甲山が凛々しく佇んでいます。
お腹が空きましたので小持山で昼食にします。風が強いのでガスを使うのを諦めて、カレーヌードルはお持ち帰りになりました。冷たい風を避けながら、ファミマのフライドチキンとおにぎりを即効で美味しく頂きます。※フライドチキンを逆から開けてしまいました(^_^;
小持山より奥武蔵の山々の景色です。
途中、岩場の眺望ポイントより、両神山から奥秩父の山々を望みます。浅間山や八ヶ岳方面は雪雲に覆われ、残念ながら見えませんでした。

程なくして大持山へ到着です。風が強いので奥武蔵方面の景色を眺めて通り過ぎます。

鳥首峠と妻坂峠の分岐地点は、展望場所になっています。ザックを下して、しばらく眺望を楽しみます。

新宿副都心のビル群と東京スカイツリー方面のアップです。
武川岳〜子の権現方面の今年歩いた縦走コースの眺望です。分岐から妻坂峠まで急降下で、前回の逆回りコースでは良い手応えだった事を思い出しました。
山道は一旦緩くなり、少し登り上げた先から妻坂峠まで一気に標高を下げて行きます。急勾配ですが土嚢が敷き詰められていますので、滑る心配はありません。武川岳が正面に聳え立っています。

妻坂峠に到着です。鎌倉時代から歴史のある峠で、戦国武将畠山重忠の伝説があります。昔は秩父と江戸を結ぶ重要な交易路のひとつだったみたいです。このお地蔵さんは、多くの人々を昔から眺めていたんでしょうね・・・。分岐を生川へと下がって行きます。
正面を見上げると榛名山が良く見えます。先ほどまで幅広の山道が一気に狭くなります。緩やかな箇所は「チャッチャカ歩き」で通り過ぎます。
15:08分、一の鳥居の生川登山口に帰着です。小持山手前の急登ですれ違った「「仲良しカップルハイカー」が、丁度車で帰る所でした。本日は武甲山の帰りなので、迷わず日帰り温泉「秩父湯元武甲温泉」で冷えた体を温め疲れを癒します。
昭和35年頃撮影された標高1,336mの貴重な武甲山の写真です。 現在は標高1,304mで、32m程削られて低くなっています。
おまけ 

 急遽、今年3回目になる武甲山へと向かいます。生川からの気軽なピストン歩きの予定でしたが・・・。
 遅い時間の出発でしたが呆気なく山頂に到着しましたので、急遽周回コースに切り替えました。
 思いの外冷たい風が吹いていますので、寒さ対策として少しペースを上げて自己発熱を試します。
 緩い下り坂は、久し振りにチャッチャカ歩きを起動して、速やかに移動しました。
 
 武甲山麓にはいくつもの巨大な石灰・セメント工場が連なり、ダンプカー等の往来の数は圧巻です。
 武甲山は周辺から眺めると、いちばん目につきやすい山で、山肌が削り取られていて、
 痛々しい山に見えますが、大・小持山から見える武甲山は、奥武蔵を代表する堂々たる山容で、
 優しげな風格さえ感じられました。 

天候:晴れ(強風) 
出会った人:4名
全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆

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