平ヶ岳 標高2,141 m 標高差約1,301m 歩行距離約22.7㎞
鷹ノ巣登山口駐車場(5:35)⇒登山道入口(5:50)⇒下台倉山(7:26)⇒台倉山(8:18)⇒台倉清水(8:27~8:36)⇒ 白沢清水
(9:08)⇒姫ノ池(10:12~10:15)⇒玉子石(10:36~10:44)⇒平ヶ岳山頂(11:23~12:01)⇒姫ノ池(12:22~~12:25)⇒
白沢清水(13:10)⇒⇒台倉清水(13:41)台倉山(13:47~13:52)⇒下台倉山(14:35)⇒登山道入口(15:54)⇒
下台倉橋(清流場)(15:56~16:03)⇒鷹ノ巣登山口駐車場(16:10)
(歩行時間:9時間22分 全所要時間10間時間35分) am5:35~pm:16:10 yahoo地図 コースmap
同行者と一緒でしたので、比較的のんびり歩きました。長距離の健脚コースですので、体力は必要です。 |
平ヶ岳は尾瀬の北西に位置し、利根川源流部の最高峰です。深山の孤峰であるため、どの交通機関を駆使しても登山口までのアプローチは非常に長く、登山口より往復20km以上の道程と、10時間以上の歩行時間を要します。百名山の中でも、容易に登れる山では無い事で多く知られています。山頂までは避難小屋、トイレは無く、テント場もごく小規模に設定されているので、陽の登る時間より日帰り強行が一般的となっています。山容は丸いドーム型で、初夏になれば頂上一帯はお花畑と化します。また、尾瀬のアヤメ平に匹敵する山地湿原が発達しています。頂上付近には自然の奇岩、玉子石があり、目を楽しませてくれます。民宿での送迎コースとして、短時間で登れる皇太子コースもあります。 |
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予想以上の晴天に恵まれ、熱中登山を余儀なくされました。しかしながら、池ノ岳までの急登を終えると風通しが良く、清々しい中央分水嶺の究極の別天地に変わります。姫ノ池周辺は、高山植物と地塘に採られたなだらかな高層湿原です。山頂周辺には平ヶ岳名物「玉子石」と呼ばれている奇石があり、玉子石越しに見る湿原と山並みが何とも言えない独特の景観を作っています。暑い中、5時間近く掛けて姫ノ池高層湿原まで来ましたので、感動もひとしおです。
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関越高速道路を魚沼市小出ICで下り、352号線で奥只見方面に向かいます。コンビニで食糧等の調達をしてから奥只見シルバーラインに入り、アトラクション的なトンネル途中から、銀山平分岐を右に折れます。延々と奥只見湖沿いをくねくねと走り、山小屋がいくつか見えてくると、新潟県と福島県の県境にある、鷹ノ巣登山口駐車場です。駐車スペースは両脇にあり、バイオトイレが設置されています。午後8時に到着ですが、既に10台位の車が車中泊をしていました。角のハイボール(500ml×2缶)を美味しく頂き、お休みです。夜明け前から出発して行く人の姿も見えます。既に20台の車があり、平ヶ岳の人気が伺えます。私の場合、車内に進入した蚊と格闘し、痒みをこらえての睡眠でしたので、ウトウトしながら、5時半の出発になりました。既にシンガリポジションでのスタートです。登山口には『軽装で登り6時間30分、下り4時間30分』と書かれていますので、同行者に頑張ってもらいたいと、勝手に思います。※一般的に玉子石に立ち寄る場合、更に1時間近く行程時間が増えます。
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最初の15分位は緩やかな林道を進んで行きます。下台倉橋(水場?)を渡り、少しすると「日本百名山平ヶ岳登山口、すぐやせ尾根です」と書かれた道標があります。更に平ヶ岳→10.5kmと書かれています。同行者は急登に備えてストックを準備します。ストックを使った事が無い私は、毎度の如く両足で頑張ります。途中で追い越した恰幅の良いスローペースのおじさんは・・・、果たして山頂まで辿り付くのでしょうか?
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やがて絶景が広がる「やせ尾根」に入ります。暑くなるのは覚悟していましたが、陽当り良好ですので、予想以上の熱中歩きになって来ました。必殺アイテム「扇子」を駆使して頑張ります。※後方から私を写してもらいました。
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大きな五葉松の木がありますので、この辺りが前坂だと思います。やがて下台倉山への急登が見えて来て、平ヶ岳コースへの懐の広さを感じました。遥か先の稜線には、早い時間から出発した登山者が見えて来ました。
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標高を上げて行くと、燧ケ岳が左側に見えて来ます。途中、数名を遠慮しながら追い越して行きます。トラロープの張られた岩場もいくつか登り、日陰を見つけては同行者待ちをします、
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下台倉山までは、細くて急な岩の「やせ尾根稜線」をひたすら登るため、汗だくで水分補給も頻繁になります。下台倉山頂きから傾斜もゆるくなり木道も登場し、アップダウン走行になって行きます。
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左側にはなだらかな山容の会津駒ヶ岳が見えて来ました。燧ケ岳の右には日光白根山が見えます。
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右側の樹林の切れ目から遙か彼方に平ヶ岳が見えるようになり、距離の長さに圧巻です。越後三山方面も微かに見えて来ました。
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先ほどから私達と同じペースで歩いている、高崎からお越しの方が前方に見えて来ました。台倉山に到着です。三等三角点の標石が真ん中に設置してあり、台倉山と書かれた小さいプレートもありました。しばらく景色を眺め、ひと息です。
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いくつかのアップダウンを経て、樹林帯に入ります。しばらくして水場の「台倉清水」に到着です。飲料水4.5ℓ背負ってましたが、今まで飲んだ分の1.5ℓを補給すべく沢に下りて、ペットボトルに補給です。往復で5分程度でした。3ヶ所ある水場の中で一番豊富で冷たかったです。指導標には、「鷹ノ巣5.6km、平ヶ岳4.9km」とあり、半分を過ぎたことにひと安心です。「台倉清水」より30分少々の場所にある「白沢清水」は、水溜りみたいの湧き水でしたのでスルーしました。再び木道の緩やかな山道を進んで行きます。
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白沢清水を過ぎると、樹林帯を抜け、見晴らしの良い笹原に出ます。ここを登りあげると池ノ岳です。早くも単独のお兄さんが下がって来ます。「早いですね」と、声を掛けると晴天の中、嬉しい貸切テント泊だったそうで、平ヶ岳を思う存分満喫されたそうです。やがて左上に平ヶ岳が見えて来ました。少しすると、トップバッターのおじさんを筆頭に、早朝発の登山者がランダムに下山してきます。ヘッテンを点け、午前3時頃から登ったそうです。
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キオン オトギリソウ タテヤマリンドウ
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ハクサンオミナエシ イワイチョウ ブルーベリー
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目にする登山者は単独男性ばかりなので、気安く登れる山とは程遠いと改めて実感します。肌蹴た岩場を登り終わると、平坦な池ノ岳の肩です。尾瀬を囲んで聳え立つ、燧ケ岳~至仏山。後方には男体山~日光白根山~皇海山が見えます。
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姫ノ池に到着です。高層湿原が広がる青空と池塘、まったりとした山容の平ヶ岳とのコントラストは、ただただ、感動するばかりです。右の突き当りデッキにはテント用の突っ張り石が置かれています。この場所で満天星を拝めたら、究極の贅沢だと思いました。
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池ノ岳より山頂との分岐を右に折れ、お花見学をしながら玉子石へと向かいます。 地塘越しに荒沢岳、マウスを合わせると越後三山です。
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イワショウブ(若い) イワイチョウ ショウジョウバカマ
オヤマリンドウ ダイモンジソウ ハクサンフウロ
ワタスゲ チングルマ(壮年期) ハクサンオミナエシ
モミジカラマツ チングルマ(壮年期手前) イワハゼ
ウツボグサ? イワショウブ(花盛り) 何?
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沢山の高山植物を観賞しながら歩きます。山頂との二つ目の分岐を真直ぐ進みます。目の前に見えるピークを少し下がった場所に名物「玉子石」があります。
『玉子石は風化して危険ですので近寄らないで下さい』との注意標示が近くにあります。玉ちゃんまで、意外と遠かった感じです。
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目の前に巨大な玉子石がドーン!と、出現します。庭園のような池塘群と、背景の山並みとの景観の素晴らしい「玉子石スポット」です。しばし手前の大石でザックを下ろしてひと息です。
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玉子石(推定身長2m以上)に近寄り、色んな角度から見学しましたが、この上記の写真がベストポジションみたいです。コバケイソウの群生の中に伸びている木道を進み、一旦戻る形で山頂へと向かいます。
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姫ノ池に出ないショートカット道で、山頂へと向かいます。水場の前にキャンプ指定地があります。何やら変わった色と形の植物がありました。優しい山容に不似合いなモウセンゴケ(毛氈苔)食虫植物の一種で、葉にある粘毛から粘液を分泌して虫を捕獲するそうです。
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三角点のある山頂はほとんど展望がないため、先に進んだ最高地点まで行ってみました。こここそ、まさに「平ヶ岳」の頂き!と、呼ぶにふさわしい、真っ平な空間です。
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ニッコウキスゲもわずかですが点在しています。積雪深計設置と書かれた人工物越しに至仏山が見えます。以前は積雪深計より、アンテナが立っていたようでした。
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最高地点より、越後三山を望みます。左よりチョンと頭が出ているのが「八海山」、真ん中の山は名前の如く「中ノ岳」、そして右は百名山の「越後駒ヶ岳」
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山頂に戻って毎度の昼食です。必要以上に汗をかきましたので、おにぎり&パンは口に入らず、持ち帰りになりました。カレーヌードルと塩大福を美味しく頂き、ジュースを飲んでお腹を満たしました。山頂前の木道脇の休憩スペースは4組5名でのランチタイムとなり、毎度の如くカレーヌードルの写真を撮っていたら、高崎よりお越しの方が「何か意味があるのですか?それともマイブームですか?」と尋ねられたので、5年前から何故か「クセ」になっているんです~!と、笑って答えました。
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12時になったので下山を開始します。姫ノ池までは一旦標高を下げ、再び少し登り上げて行きます。姫ノ池を名残惜しく見学です。新しい板で作られた休憩デッキには、テント設営用の石が置いてありました。
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2時間10分、天上の高層湿原を思う存分満喫しましたので、平ヶ岳平原を後にします。池の岳肩より正面に燧ケ岳、右には至仏山と少し霞んで武尊岳です。
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長い長い距離を急降下して行きます。途中7,8人を遠慮しながら追い越して行きます。本日初めて単独以外の登山者を目にしました。前を歩いている男性4人のグループです。歩き慣れしている方だったので、すぐに道を譲ってくれました。
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飲料水も残り500mlになりましたので台倉清水で水分補給と思いましたが、先客が2名いましたので我慢する事にします。台倉山でひと息入れたた後はノンストップで下がって行きます。
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平ヶ岳の平らな山容を見収めします。この角度より望むと燧ヶ岳の柴安嵓と俎嵓がはっきりと分かります。途中で休憩をしていた関西よりお越しのおじさんが「この山は過酷だね~」と、言っていました。
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「やせ尾根」は油断をすれば滑落もあり得るので、浮き石に注意を払って下がって行きます。この尾根は見応えも有りますが意外と長く、歩き甲斐もあります。
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下台倉橋(水場?)に下がり、冷たい清流に頭ごと入れ、何度も何度も顔を洗いリフレッシュです。16時10分、鷹ノ巣登山口駐車場に帰着です。Pには12台の車が置いてあり、今から車中泊の準備をしている人もいました。
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会津バス「沼山峠」行きバスが丁度到着して、1名乗車して行きました。帰路は只見国定公園「銀山平森林公園」内にある、日帰り温泉「白銀の湯」で沢山掻いた汗を流し、ゆっくり疲れを癒します。
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おまけ
平ヶ岳へは、鷹ノ巣コース以外は全く興味がありませんので、前夜車中泊をして早朝よりの出発です。
午前5時30分に出発しましたが、大部分の登山者は4時前後より登り始めたみたいです。
出発時間が遅かった(私なりに早かった)ので、やせ尾根付近より、
直射日光をもろに受け、熱中登山を余儀なくされました。
しかしながら、池ノ岳まで登り上げると風通しの良い湿原が広がり、
青空と高層湿原は、ただただ感動するばかりです。
庭園のように広がる池塘群と背景の山々との景観が素晴らしい「玉子石」は、
平ヶ岳の名物スポットですので必見です。
日本アルプスに引けを取らない重量スペックですので、
是非とも多くの登山者にじっくり味わってもらいたいと勝手に思っています。
もう一度登る機会があれば、テントを担いで満天星をハイボールを頂きながら拝みたいと思ってます。
天候:快晴
出会った人:20名位(見た限り女性は同行者のみでした)
全く当てにならない疲労度:★★★★☆(炎天下の熱中登山でしたので)
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