水ノ塔山


水の塔山 標高2,227m  篭の登山 標高2,202

行程:高峰温泉(11:35)⇒水ノ塔山(12:30〜12:40)⇒篭の登山手前(13:40)
⇒水ノ塔山手前(14:13〜14:40)⇒水ノ塔山(14:48)⇒:高峰温泉(15:30)

(歩行時間3時間18分:全所要時間3時間55分) am11:35〜pm3:30  yahoo地図 

高峰高原付近は既に標高2,000m近くあるので、浅間連山の2000級の山々を容易に登れる事が出来ます。その浅間連峰の一角の、水ノ塔山と3年振りの篭ノ登山に向かいますが・・・。篭ノ登山手前より、予想以上の積雪と、暖か陽気でゆるんだ雪に悪戦苦闘を強いられ、撤収を余儀なくされます。

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浅間連峰周辺map

横川パーキングエリアで高峰温泉のスノーシューレンタルの問合せをしてみると、非常に親切な電話対応と丁寧な案内で、しかもリーズナブルなレンタル料金(千円)でした。結局、下山後までランプの宿の親切な応対に感動した次第です。・・・下山後知ったのですが、長野県全域に雪崩注意報が発令されていて、付近で雪崩が発生したそうです。


関越高速道走行時では、車窓から見える景色はどんよりしていて視界不良でした。藤岡ジャンクションを過ぎ、上信越高速に入ると雲が抜け始め次第に空が真っ青になり、佐久市に入ると浅間連峰が目の前に迫ってきます。チェリーパークライン経由で車を走らせ、浅間2000パーク第一駐車場に車を止めます。


雪上車のキャタピラの跡を辿って、登山口の高峰温泉ランプの宿までスキー場の脇をウォーミングアップ方々、緩やかな勾配をアイゼンで登っていきます。振り返ると真っ青な空と四阿山方面の景色が良好でした。


宿泊客へガイドをしているランプの宿らしき関係者の名案内を聞きながら、高峰温泉に到着します。


宿はチェックアウト後ですが、スノーハイク帰りの宿泊客で賑やかっていました。アイゼン等、不要な荷物を置かせて頂き、スノーシューを履いて出発します。ステッキは連れのみ借りますが、私は今回もノーステッキで歩いていきます。


少し歩くと眺望の良い小ピークに到着し、水の塔から篭の塔山と林道が稜線状に見えます。帰りは林道経由で周回コースの予定でしたが・・・。


気温が上がって積雪に締まりがなくなっています。トレースを外すとすぐに深みにはまりますので、沢山の踏み跡を追って歩いていきます。見上げると水の塔山頂では、トレースを付けてくれたカラフルな服装の登山者のグループが見えます。


随所に氷柱が下がっていますので、気温の上下が忙しかったみたいです。岩イワの頭が露出した急登を上がりきると水の塔山頂です。


見事な景色が広がり、四阿山〜横手山〜草津白根山方面から上越国境の山並みが一望です。


北アルプスの山並〜高妻山と火打〜妙高の山々が広がり、しばらく素晴らしい景色を眺め一息です。

ワカンの跡(一人分)に誘われて・・・。水の塔山山頂から急勾配を下がっていきます。団体さんは巻き道から下がったみたいです。

10数人の団体さんは何かの練習(訓練)をしています。よく見るとその様子を撮影をしていますが、いったい何の趣旨でしょうね??


団体さんを後にすると、先にはワカン一人分の足跡がランダムについてますが、積雪が多いのと緩々の雪で悪戦苦闘の跡が伺えますが・・・。結構イヤな感じです。

道標辺りを過ぎると、2層になった雪の表面は固くなっていますが、下の雪は緩々ですので、沈んでしまいます。以前に付けられた動物の足あとですが、自分の手のひら位あります。

鞍部を過ぎると、ワカンの足跡が藪方面に消えています。おじさんが尾根を外れ、目印赤テープ方面に下がっていき雪にすっぽりはまっています。まともに歩けない状態で四つん這いになって必死に戻ってきます。私より10歳位年上のおじさんでしたが、息を切らしてやっと尾根までたどり着いて、安堵していました。


 
振り返るとおじさんは再起動し、水の塔方面へ戻って行く姿が小さくみえます。目印赤テープ方面は巻き道になっていておじさんの二の舞になりそうですので、尾根上にコースを取りラッセルで頑張って歩いて行きますが・・・。

篭の登山が目の前に迫ってきます。先ほどからスノーシューでの見事なラッセル歩きで、腰まではまりながら歩いて行きますが、10分で10m位しか登れません。足を抜く時、スノーシューが引っかかり、体力を著しく消耗します。連れは私が付けたトレースをたどって頑張って付いてきます。


道なき尾根の急登から振り返ると、白い噴煙を上げる浅間山が見えます。もう少しで篭の登山ですが・・。
 

篭の登山頂手前の吹き溜まりの急登で、崩れそうな雪の絶壁に立ち塞がれます。文句なしで撤収する事にしました。自分達が付けたトレースの後を下がったり上ったりと、またまた疲労感を味わいます。


目印テープを外れて歩いて来た、危なげな尾根をふり返ります。先程の団体さんがいた鞍部で、高峰山越しに温かいらーめんを美味しく頂きます。


眼下に高峰温泉が見えます。スノーシューが煩わしくなり、途中で脱ぎますが、ズボッ!と入ってしまうのでやはり履きなおします。高峰温泉に到着しましたが、何故か静寂していました。
登山前から気になっていた、ハイラックス4WDの雪上車仕様、車輪部分のアップです。「ほうほう、なるほど。」・・・宿に入るとだーれもいません?? 本日は休館日でした。留守番の先代のオーナーによりますと、付近で雪崩が発生し、心配して四代目ご主人が池の平登山口方面へ、スノーモービルに乗って私達を探しに出かけたそうです。(◎o◎)ドキッ!

先代より、ランプの宿の歴史を聞きながらそば茶を頂きます。そして主人の帰りを申し訳ない気分で待ちます。フロント周りを見学したりしますが、綺麗な施設で情緒を感じます。やがてご主人が帰って来て私達の姿を見て、安心していました。登山前、フロントの方に水の塔山から篭の塔山経由の林道周回コースを歩くと伝えていましたので、気温が非常に上昇し、雪崩等の心配をして探しに行ってくれたそうです。休館日ですが、入浴をどうぞと言って頂き、貸切風呂を贅沢に堪能します。

源泉かけ流しの飲用温泉水を頂きます。石鹸、シャンプー等は何故かありません?説明書きを読むと創生水が蛇口から出るとの事。その創生水で体を洗うと何ともいえない肌触りです。贅沢な貸切温泉をゆっくり堪能し、しばしの幸せ感にひたります。


ロビーで帰り支度をしていたら、ご主人が、第一駐車場へ雪上作業車で向かう用があるので乗っていきますか?と、優しいお言葉を頂きます。(湯ざめの心配が無くなり、心身共に温かったです)

ランプの宿の歴史を語ってくれた先代(三代目)自ら、宿泊客でも無い私達に、丁重なお見送りをして頂きました。雪上作業車に乗せて頂き、ご主人のしばしの会話を楽しみながら浅間2000パーク第一駐車場へ向かいました。

おまけ 
ランプの宿三代目のお話によりますと、昭和53年火事で全焼し、以前より高地の標高2,000mの高原に移転し、再出発したそうです。しかしながら電気もなく、源泉を上げるめどがなかなか立たない為、自分達で工事をして数年の歳月を経て、昭和58年に開業したそうです。平成6年にランプの宿となり、親しんで頂いているそうです。以降、二階を増設し、念願の露天風呂も昨年オープンさせたそうです。露天風呂の設置許可を得るのに苦労し、そして現在の絶景場所に設置できたそうです。

下山を終えてスノーシューを返しに宿に戻ると、ランプの宿の方々に多大な配慮をして頂き、心が温まりました。山歩きより、登山後の印象が強く感じられました。

天候 : 晴れ
出会った人=15人位    
全く当てにならない疲労度:★★★☆☆(スノーシューのラッセル歩きは著しく体力を消耗します)