子持山

槍ヶ岳 標高3,180m   標高差約1,680m  歩行距離約40.2q

(バス:あかんだな駐車場⇔上高地)
上高地⇒明神館⇒徳沢園⇒横尾山荘⇒槍沢ロッヂ泊⇒槍沢テント場⇒天狗原⇒ヒュッテ大槍分岐
⇒槍ヶ岳山荘
⇒槍ヶ岳山頂⇒槍岳山荘泊⇒槍沢ロッヂ⇒横尾山荘⇒徳沢園⇒明神館⇒上高地
 (全歩行時間13時間11分)          yahoo地図   コースmap

 あかんだな駐車場(8:10)バス⇒上高地(9:38)⇒河童橋(9:52)⇒
明神館(10:45)⇒徳沢園(11:52〜12:07)⇒横尾山荘(12:48〜13:13)⇒槍沢ロッヂ泊(14:26)

★1日目 
           (歩行時間4時間8分:全所要時間4時間48分) 標高差325m 歩行距離14.3km am9:38〜pm14:26 
槍沢ロッジ(5:56)⇒槍沢テント場(6:26)⇒天狗原分岐(7:42)⇒・殺生分岐(9:15〜9:20)
⇒槍ヶ岳山荘(10:02)⇒槍ヶ岳頂上(10:20-50)…槍ヶ岳山荘(11:10)

★2日目
(歩行時間4時間1分:全所要時間4時間6分) 標高差1,355m 歩行距離5.9km  am5:56〜am10:02 ※槍の穂往復48分

槍ヶ岳山荘(6:55)…槍沢大曲分岐(8:36)⇒槍沢ロッジ(9:16〜9:21)横尾山荘(10:48〜10:58)
⇒徳沢園(11:42〜12:13)⇒明神(13:00〜13:10)⇒河童橋(13:48)⇒上高地(13:53)
バス(14:00)⇒あかんだな駐車場(14:42)

★3日目  
       (歩行時間5時間2分:全所要時間5時間58分) 歩行距離20.2km am6:55〜pm13:53 ※槍の穂往復26分
名前の如く天に槍をつく形が特徴的な高山であり、その形から「日本のマッターホルン」とも言われる。登山者でにぎわい、穂高岳などと共に多くの登山者の憧れの的となっている。そのピラミダルな山容にふさわしく、槍ヶ岳は四方に尾根と沢を伸ばしている。尾根は東西南北に、東鎌・西鎌・槍穂高・北鎌の四稜、沢は東南に槍沢、南西に飛騨沢(槍平)、北西に千丈沢、北東に天丈沢の四沢である。梓川源流部の槍沢上部標高2,500m付近の天狗原に、天狗池があり周辺は氷河公園と呼ばれている。周辺は圏谷(カール)地形となっている。
 
珍しく山小屋連泊にて山行きを設定。白馬岳から不帰ノ剣への縦走と考えていましたが、前日になり、なんとな〜く憧れだった槍ヶ岳に急遽、変更します。上高地からの1泊2日の行程と思いましたが、連れと一緒ですのでマニュアル通り2泊3日、のんびり山小屋泊で向かいます。歩行距離は長いですが、随所に山小屋と水場があるので安心です。運転の心配が無い私は、水よりも各山小屋で飲んだ冷たい生ビールの方が多かったみたいです。
山小屋連泊になりますので、帰りの日帰り温泉も考慮し、平湯温泉先の“あかんだな駐車場”へと向かいます。昨年は無料開放だった平湯トンネル(安房峠道路)は、今回は有料でした。普通車750円。軽自動車600円、ETCは半額です。平湯インター出口の駐車スペース(WC有り)で車中仮眠をとり、あかんだな駐車場へと移動。階段を下り、徒歩1分でシャトルバス乗り場へ到着です。駐車料金は1日500円×3日(後払い)。上高地まで往復シャトルバス代2,000円でした。

大正池が見えて来ました。穂高岳方面は少し雲がかかっています。程なくすると上高地へ到着です。満車状態のバスから下車すると、皆さん一斉にトイレへと駆けこみます。念の為私も。※チップ制100円でした。登山相談所で登山届を提出します。宿泊先の山小屋等も聞かれ、係りのおじさんは良い仕事をしていました。
数分で河童橋です。穂高方面の雲が徐々に抜け始めました。ザックを降ろし観光客にまぎれ、上高地の自然とダイナミックな風景を堪能します。河童橋の名の由来は、昔ここに河童が住みそうな深い淵があった為、まだ橋のなかった時代、衣類を頭に乗せて川を渡った人々が河童に似ていたから。 などの幾つかの諸説がありますが、定かでないそうです。
河童橋から眺めた梓川と穂高岳、右の写真は振り返って河童橋と焼岳です。ゆっくり行程ですので「登山者+観光客÷2」の気分で、満足感を味わいます。
やがてお猿さん達が沢山現れ、歩道を一緒に歩くことになります。甘えん坊のちび猿君は、お母さんの背中にしがみ付いて離れません。健気な風景に思わず笑みを浮かべます。沢山の人達が往来する歩道は全く高低差がありませんので、知らずと歩行距離を稼ぐ事になります。明神館を過ぎ、徳沢園も通り過ぎます。
 
穂高岳と槍ヶ岳分岐の横尾に到着です。森林浴をしながら綺麗な空気を沢山頂いたので、喉も渇きお腹も空きます。横尾山荘で缶ビールとカレー&稲荷を頂き、昼食休憩です。横尾を過ぎると往来する登山者は少なくなります。
上流に登るにつれ、川幅が沢山あった梓川は徐々に狭くなり、河原から清流の沢へと変わって行く感じでした。いつの間にか山道が登山道らしくなってきます。左頭上には横尾尾根が壁のように迫り、一ノ俣・二ノ俣から少しづつ高度を稼ぎます。

早くも14時少し前に本日宿泊の槍沢ロッジに着いてしまいました。本日の歩行距離は14km強、標高差は350m弱ですので、尾瀬ヶ原のハイキングコース位の疲労度です。夕食は17時で、消灯時間は20時30。こんな健全な生活を送れる事に感謝し、生ビールで乾杯です。嬉しい事に男女別の風呂があります。(15時〜19時まで石鹸類は使用不可)さらに驚いたのは、お湯は出ませんが水で遠慮なく体を洗えました。チェックイン順ですので最初の17時からの食事になります。ご飯とみそ汁はおかわり自由で、大変美味しく頂きました。※下記に山小屋での食事写真を小さく掲載しています。
本日は30人位の団体さんが宿泊しますので、定員150名オーバーの可能性も有り、とのでした。個室部屋等も雑居寝スペースになっていました。早く着いたので、ロフトタイプで一部屋、7名×4=28人部屋の二段部分でおやすみです。消灯し、すぐ段下の親父のいびきが煩く、寝付く所か目が冴えてきます。雑居寝が苦手な私は、必殺アイテム「耳栓」で難を凌ぎました。朝食は5時から、並んだ順ですので、20分前に並び、初回の朝食定員に間に合いました。槍沢ロッジを6時少し前に出発です。槍沢テント場は、青年が沢山いて活気がありました。
 
雪渓を少し横切ると、凄い勢いで水が噴き出しています。靴に水が入らないよう足元を気遣いながら近付き、冷たい湧水を駆けつけ2杯頂き、身も心もリフレッシュです! 沢沿いを行くとすぐに槍沢大曲りです。
水俣乗越への分岐の槍沢大曲を過ぎると、カール状に幾つかの雪渓が見られます。槍ヶ岳は一番奥の谷を右に曲がるまで残念ながら見えませんでした。登山道沿いはだんだん高山植物が多くなってきました。

天狗原を過ぎると勾配が増します。高山植物が山道を飾り、ニッコウキスゲやチングルマ、ハクサンフウロ・キンポウゲ・ミヤマキンバイ・クルマユリ等の花々が咲き競って、アルペン気分を味わいながらの登りです。 ※下記に写真をまとめて掲載しました。
さらに高度を上げると急な雪渓があり、踏跡を交互で横断する涼しい場所です。やがて槍ヶ岳を開山した、播隆上人の坊主岩屋が現れます。今でも緊急時に利用できそうな大きな岩屋でした。現在は、槍の穂先へは鎖、梯子などで安全に登れるようになっていますが、もし鎖、梯子等がなどが無ければ・・・。この槍ヶ岳を江戸時代、初登攀した「播隆上人」こそ、日本初のアルピニストと言えるでしょう。(1786年 〜1840年)。説明板もあります。

一挙にガスが抜け、槍ヶ岳の山容には圧巻です。殺生分岐からは凄い勾配の急登になり、健脚ハイカーも思わずスローモーション調になります。呼吸を調え稜線上の槍ヶ岳山荘や、穂先を仰ぎ見ながら、地道に登っていきます。
槍の穂先が見えてから歩行ペースが落ちた感じで、思いの外、時間がかかりましたが、10時に槍ヶ岳山荘へ到着しました。先ずは槍を眺め、生ビールで乾杯です。※いつも10時頃から山歩きを始める私には、時間が余り過ぎますね。
穂先にとりつく登山者が良く見えます。ビールを飲みながら眺める岩峰は険しそうに見えますが、山頂直下の鉄のハシゴの方が高度感がある感じです。ガスがかかり始めましたのでゆっくりしてはいられません。
憧れだった穂先はすぐ目の前です。ザックを山荘に置き、いよいよ槍の穂先へと向かいます。登りと下りは別ルートになっていますが、数ヶ所交互通行になっているので交差渋滞し、結構な待ち時間でした。

振り返えって、赤屋根の槍ヶ岳山荘を見下ろします。岩場はきっかけが多くあるので、三点支持で登っていけば問題ありません。鉄のハシゴは単調ですが、傾斜が急なので皆さん真剣です。殆どの方がザック無しの空身ですので、難なく登ってましたが・・・。
山頂手前、垂直に近いハシゴを慎重に登れば、待望の槍ヶ岳山頂です。やはり緊張して登って来る人達の様子が目に映ります。生憎のガスで視界不良!直下の槍ヶ岳山荘の赤い屋根が確認出来る位です。※左の梯子が登り専用で右が下り専用。
狭い山頂で15分位粘りましたが、ガスは抜けず本日は無念の撤収です。帰りも大勢の登山者で渋滞ですので、ゆっくり下がります。
山荘展望台の下はお花畑になっています。ベンチに座り、角のウイスキーを温かい紅茶割りで頂きます。景色を見ながら2時間近くまったりします。殺生ヒュッテ方面を見下ろすと、これから到着する登山者が、最後の急登で苦戦をしている姿が映り、皆さんの注目の的になっていました。
荷揚げヘリの往来も半端ではありません。先ほどから槍ヶ岳から穂高にかけての各山小屋へ、5機は確認できました。ウイスキーのおつまみにと、予備食のオールブラウンをザックから取り出すと、パンパンに膨らんでいました。
北アルプスでは白馬山荘の収容人数、1,200人に次いで、槍ヶ岳山荘は2番目で収容人数は650人です。夕食時間はチェックインの早い順番ですので、最初の17時の案内でした。お隣さんはアメリカ人のグループでしたので会話も出来ず、黙々と食べて早々に撤収です。隣のUSAレディーは、おかずの酢鳥に苦戦をし、ふりかけご飯を食べていました。本日のねぐらはエコノミータイプ、ロフト式の個室が空いていました。しかしながら、いびきを掻く人がいたら周囲には筒抜けですけどね。標高3080メートル、高所の山荘ですので、薄着で寝た私は寝冷えをして、まさかの風邪をひいてしまいました。
※フロントでモンベル会員カードを見せると、ソフトドリンクサービス券が貰えます。翌日、モーニング珈琲を美味しく頂きました。

早朝4時に起床です。夜中は雨でしたので外を確認すると小雨でした。ライトを持ってカメラをぶら下げ、星の見えない霧雨の中、槍の穂先へと向かいます。先行者のライトは3人位です。岩場と梯子は濡れていますが、前日登っているので自分のペースで登ります。渋滞無しのチャッチャカ登りで、山荘から山頂に10分もしないで到着しました。(私は個人的に岩場が好きなので)。数分遅れで連れが到着です。霧雨も上がり、ガスが抜け始めました。なんと雲海の流れが見えます。陽が昇り御来光を拝む事が出来、富士山や日本アルプスの山々を雲海越しに見た私は、久々の“感動の鼻血ブー”でした。 ※鎖場・岩場・梯子は滑落危険の為、注意が必要です。
怪しき山が噴煙を上げています。徐々に雲海が浅くなり、浅間山の存在を思い知らされます。穂高連峰方面から槍沢方面に雲海が流れ落ち、山容が現れ始めます。
夜明けと朝焼けを堪能し、目の前のガスが一瞬に去り、富士山が堂々と聳え立っているのが見えます。八ヶ岳〜南アルプス〜中央アルプスが姿を現します。山頂はまだ9人だけですので、早朝は悪天候と思い、皆さん御来光は断念したのでしょうか?
北アルプスの燕岳から大天井岳さらに常念岳・蝶ヶ岳へと続く稜線が目に入ります。白馬山も見えてきました。山頂には山座同定はありませんが、「先生」と若い二人に呼ばれていた親切なおじさんが、自称歩く山座同定だったのです。
大喰岳〜中岳〜南岳。大キレットから続く穂高連峰は雲海が流れ去り、神秘的な山容が姿を現します。大展望で消え行く雲海以外は、隔てるものがありません。

笠ヶ岳方面から奥飛騨方面へと流れる雲海と、眼下には子槍。何時の間にか山頂は賑やかになっていて、満足そうな登山者の顔で溢れています。バンザイの声も聞こえます。
名残惜しいですけど、槍の穂先は渋滞気味ですので帰りルートも混まないうちに撤収です。景色を見渡しながら交差地点で登って来る人と挨拶を交わし、視界情報を伝えます。
6時からの朝食は待ち時間無しで頂けました。山荘を後にして、快適ペースで下山開始です。やがて交差大渋滞に巻き込まれ、立ちん坊主体歩きに変わります。後続の山岳ガイドのおね〜さんが、若いお兄さん二人を引き連れ、ゆっくり走行の団体さんの追い越しを始めます。私達も、おね〜さんガイドの後を追いペースを上げます。

槍沢の水場で顔を思いっきり洗い、サッパリします。標高を下げると気温が上がり、喉が渇きます。槍沢ロッジで本日初めての生ビールを美味しく頂きます。やがて標高差も無くなり、梓川のせせらぎを聞きながら緩やかな山道へと変わっていきます。
徳沢園でカレーと生ビールで昼食。結局、ザックにあるウォーターシステム2リットルのミネラルは、生ビールだけでも3日間で7杯飲んだのと水場があるので、余ってしまいました。
上高地手前から雨になりました。折りたたみ傘を差しての走行で十分です。あかんだな行きのバスには、待ち時間もなくスムーズに乗れました。最終仕上げの“平湯の森”で、2日間の汗をゆっくり流し、寛ぎます。※人気の施設ですので、駐車場は大変混んでます。
・槍沢ロッジの夕食は:鳥の照焼と豆腐ハンバーグ他 ・朝食:鮭・オクラ・ごぼう煮・葺き・玉子焼き他
・槍ヶ岳山荘の夕食:酢鳥とポテトサラダ・チーズケーキ他 ・朝食:鯖西京焼き・青豆・玉子焼き他 ※ふりかけ有











上記の花の写真は、上高地⇒槍ヶ岳⇒上高地で撮った順に並べました。
おまけ

 慣れない山小屋連泊でしたので、旅行気分で着替えや食料やウイスキー、その他、
 便利小物等でザックはパンパンでした。結局、ツエルトやスパッツ、レイン等の必需品は除き、
 半分以上は不要な荷物になりました。
 この経験を生かし、今後も山小屋泊での快適軽量化を促進したいと思います。

 1日目は槍沢ロッジまでの歩行時間約4Hはハイキングコースみたいでした。
 2日目は標高差もそれなりにありましたが、やはり歩行時間約4Hでした。
 3日目は歩行距離は長いが、下がる一方で歩行時間は約5時間でした。
 健脚の方でしたら1泊2日コースで十分だと思います。

 沢山のハイカーに親しまれる北アルプスの大御所、穂高連峰や槍ヶ岳の登山者の多さには圧巻でした。
 流行の登山服ファッションも定着し、ハイカラな色彩が多くなり、
 服装だけでは女性の年齢が分からなくなって
 来ました。山ガールだと思いきや、追い越し様に顔を見ると、
 山おばさんだったりが、多くありました。
 ところで山ガールと山おばさんの境目は?・・・私は、山おじさんですけれど。

天候= 1日目:晴れのち曇り 2日目:曇りのち少しだけ晴れ 3日目曇りのち雨
出会った人=多すぎて未知数でした。
         
全く当てにならない疲労度:★★★☆☆ ※山小屋2泊3日でしたので


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