八ヶ岳

赤岳 標高2,899m 横岳 標高2,829m 硫黄岳 標高2,760m 歩行距離約16.9km、標高差約1,208m (ツクモグサを求めて)

6/5  美濃戸:赤岳山荘P(14:16)⇒行者小屋テン場(16:33)  yahoo地図  map
(歩行時間2時間02分:全所要時間2時間17分) 歩行距離約4.3km pm14:25~pm16:33
6/6  行者小屋テン場(6:50)⇒文三郎尾根分岐(7:00~7:22)⇒文三郎尾根(8:11)⇒赤岳(8:40~8:57)
⇒赤岳天望荘(9:21~9:39)⇒地蔵ノ頭(9:46)⇒(ツクモクサ鑑賞10分⇒横岳(10:51)⇒
硫黄岳山荘(11:22~11:32)⇒硫黄岳(11:50~12:15)⇒赤岩の頭(12:25)⇒赤岳鉱泉
(13:05~13:10)⇒行者小屋テン場(13:40~14:20)⇒美濃戸:赤岳山荘P(15:38)
(歩行時間7時間48分:全所要時間8時間38分 歩行距離約12.6km am6:50~pm15:38  

八ヶ岳は長野県の佐久地域、諏訪地域と山梨県の一部にまたがる山々の総称です。南北約30キロの広さがある火山群で、主峰の赤岳を始めとした日本を代表する人気のアルペンスポットです。その魅力は多彩なルートにあります。ハイキング感覚の山歩きから本格派登山まで、様々な楽しみ方が選択できます。また、白山・白馬とともに高山植物の3大宝庫の一つでもある八ヶ岳連峰は、珍しい花々の楽園として幅広い層の人気を集めています。

今回で3回目となる南八ヶ岳の赤岳です。昨年(2月16日)は、スリルある厳冬雪山歩きのでした。一昨年は赤岳~硫黄岳の日帰り周回コースで、偶然にも今回と同じく6月6日でした。行者小屋のテント場を起点に、一昨年見落としたツクモグサを求めて、素晴らしい稜線歩きを楽しみました。
美濃戸口バス停と登山用駐車場のある八ヶ岳山荘を過ぎて、左の狭まい悪路の林道に入ります。ここから歩くと、美濃戸登山口まで1時間位かかるみたいです。6月の平日ですので、登山口にある3件の山小屋駐車場の空き状態も心配ありません。すれ違い難易度の高い凸凹林道を、FFのミニバンでゆっくり向かいます。バスやタクシーを使って、ここから歩く登山者も沢山います。
赤岳山荘のおばちゃんに駐車料金(1,000円×2泊)を速やかに支払います。20台位駐車してあり、丁度、1台下がって行くところでした。狭い林道ですれ違わなくて良かったなぁ~と、独り言! 支度を整え14時過ぎからの出発です。一番奥にある美濃戸山荘の美味しい水を頂きます。総重量23kの重いザックを背負ってますが、本日の行程は行者小屋まで4.3kmで2時間のみの、楽々歩きです。

右の南沢ルートに入ります。(ちなみに北沢ルートはしばらく林道(車道)歩きです)コンクリートの堤防みたいな階段を過ぎ、鉄パイプ補強の木橋等で沢を何度も渡りながら樹林帯歩きになります。
ホテイラン
ホテイランの生殖説明案内板に引かれ山道脇を見ると、小さな森の妖精が健気に咲いています。南沢コースの薄暗い感じが、ひと際華やかになりました。ホテイランは絶滅危惧種に指定されていて、下から覗くと、ちょぴりエイリアンに似ています・・・、ゴメンナサイ(-_-;) !
美しい沢の流れを見ながら、山腹を巻くように登ります。やがて石ゴロゴロの抉れた河原跡みたいになり、深い樹林帯に入っていきます。
目印テープが無ければ間違えそうな道です。樹林帯の中は残雪が多くなりますので、端っこを速やかに歩きます。雷がゴロゴロ聞こえて来ます。辺一体暗くなり、大粒の雨が降り出しました。ザックカバーを掛けレインを装着して歩き始めると、雨は上がっているではありませんか!又々重いザックを下して、雨具を片付けます。やがて白河原のヘリポートの発着場付近から視界が開けてきます。
ザック重量がありましたので、何時もの1.3倍、時間が掛かりました。ようやく静かな行者小屋に到着です。(因みに前回訪問時、ベンチは積雪で埋まっていました)テント設営料@1000×2を、受付の感じの良いおねーさんに支払います。テン場を見ると8張りですので、好きな場所に設置出来ます。運良く、段上の特等席が空いているではありませんか。速やかに設置し、ひと息です。

早い時間ですが、テン場の皆さんも夕食時になりました。本日のメインの楽しみは、やっぱり美味しい、酒、です!ペットボトル×2本を凍らせてハイボール用のロックアイス。具だくさんのすき焼きは、山で食べると格別です。冷え冷えのドライで、まずは乾杯~!です。
やっぱり、炭酸ブクブクの冷た~いハイボールですね。大好物のサッポロ一番味噌ラーメンが本日の〆です。周りを見ると8張9人見えますが、1人用のテントは2張りのみでした。オートキャンプ場でのテント泊と違い、開放感たっぷりです。
行者小屋は標高2300m付近に佇んでいます。寝袋の中に入りますが、寒くなって来ますのでウイスキーのお湯割りで体を温めます。
起床するとお空はどんよりしています。フレンチトーストと野菜たっぷりの朝食を美味しく頂き、モーニング珈琲で温まります。

隣のお兄さんは3人用のテントで1人優雅に寛いでいました。テントをデポしての、本日は嬉しい軽量化での行動です。文三郎尾根分岐を阿弥陀岳へ向かいますが・・・。
標高を上げると、時々落し穴状態の残雪歩きになります。滑り止めも無く思いの外、体力消耗と時間ロスになります。夕方から雨の予報ですので分岐におとなしく戻り、ひと息です。阿弥陀岳へは無積雪の時に訪問する事にします。

急で単調な階段は見掛けより手強く、連続して登ると息が切れます。心拍数を上げないようにゆっくりと足を上げます。見上げると、まだまだ階段とクサリが交互に現れます。
分岐手前に以前には無かった、階段が分岐手前まで設置されていました。文三郎尾根に到着です。眼下に行者小屋がポツンと見えます。
西側は、八ヶ岳で3番目に高い阿弥陀岳(標高2,805m)です。鞍部から続く稜線は雄大です。東側には赤岳の岩峰が見えているので気分が逸ります。キレット分岐からは両手も使い、岩場の爽快歩きに変わります。
鎖は背丈が高い場所に設置してあるので、無理やり使うと余計に疲れます。自分で登り易い場所を選び、要所でペイントを目がけて修正しながら歩きます。赤岳天望山荘泊の感じの良い夫婦が下がって来ました。「山荘の風呂はぬるかったので出るに出られなかったんですよ・・・etc」と、笑いながら言ってました。
赤岳山頂(2,899m)に到着です。山頂標識と一等三角点が設置されていて、立派な赤岳神社の祠が祀られています。八ヶ岳の北~南までの稜線が目の前に広がります。南アルプスも見え富士山もシルエット状態で見えました。
眼下にテントをデポしてある行者小屋と、厳冬時宿泊した赤岳鉱泉が見えます。両山小屋は帰路の周回コースです。(アップ撮影)
山頂ピークは二つあり、南峰は三角点と祠があり、北峰には赤岳頂上山荘と展望場所があります。赤岳頂上山荘からも素晴らしく景色を楽しみます。建物はこじんまりとしていて地味な感じです。
横岳~硫黄岳方面の雄大な景色を眺めてから下山開始です。ザレ場を滑らないように急降下して行きます。意外にも今までお会いした方はたった3名だけでした。岩陰に「コメバツガザクラ」がちっちゃく咲いていました。
キバナシャクナゲが随所に咲いていて、白以外の花も咲いていました。赤岳天望山荘から振り返り山頂方面です。
小屋のベンチで本日の行動食のミニ豆大福を美味しく頂き、ほっと珈琲で寛ぎます。やがて行者小屋で同じくテントをデポしたおじさん2人組とすれ違います。地蔵峠経由の文三郎尾根の周回みたいです。ほっと珈琲を頂くと、何時ものようにリラックスモードに入る私でした。
振り返ると赤岳天望山荘と赤岳頂上山荘がアクセントの赤岳の雄姿です。
行者小屋と横岳の分岐の、地蔵ノ頭です。分岐で鎮座しているお地蔵さんは、朗らかなお顔で親しみを感じます。思い起こせば昨年の厳冬期、突風に煽られながら視界不良の地蔵尾根をピッケル片手に登って行くと、お地蔵さんが見えて安堵した次第です。地蔵ノ頭より、横岳~硫黄岳山荘付近までゆっくりお花鑑賞です。
       ミヤマキンバイ                  チョウノスケソウ
      キバナシャクナゲ                  イワカガミ   
オヤマノエンドウは沢山群生していました。
地蔵ノ頭から岩場の尾根歩きになります。横岳までは急な岩陵と鉄のはしごやクサリ場などが続き、ちょっとしたアトラクション気分で楽しく歩きます。
鎖場を通過し、地蔵ノ頭より25分位歩いたピークサイドの左に、満開のツクモグサの群生がありました。思いの外、沢山咲いているので驚きの感動です。もはや『咲き誇っている』と言う、感じでした。
過酷な条件の場所に、穏やかに咲いているツクモグサ。北海道と白馬と八ヶ岳の横岳だけにしか生息しないという、希少種です。ツクモグサの花名の由来は、山草愛好家の城数馬が八ヶ岳で発見し、父の名の九十九にちなんで命名したみたいです。

ツクモグサが群生しているピークを登ると、祠が祀られている隣のピークが見えました。以降は、まだ蕾んだツクモグサを多く目にしました。赤岳の右には南アの甲斐駒ヶ岳方面が見えます。
コースは変化に富んでいて、自分的にはご機嫌な歩きになります。 石尊峰の頂上には大権現と書かれた石標があります。 やがて、杣添尾根との分岐にある三又峰の頂上へ登り込みます。
小ピークより振り返り、赤岳~中岳~阿弥陀岳の素晴らしい稜線を眺めます。ここまで、比較的静かな南八ヶ岳が堪能できました。
岩陵と鉄のはしごを登ると奥の院です。 横岳山頂は、縦走道が通る頂きです。横岳からの下りは、馬の背を想像するかのような高度感のある急な岩陵が続き、本日最後の緊張感を味わいます。やがて、なだらかな稜線に変わっていきます。 
キバナシャクナゲの群生地でしばらくシャクナゲ鑑賞です。高山植物保護の立入禁止地区ですが、まだ高山植物は咲いていませんでした。なだらかで駄々広い硫黄岳の鞍部には、硫黄岳山荘が見えます。
硫黄岳山荘でお待ちかね!喉越し爽快のスーパドライを、喉越し爽快で一気に飲みほします。山荘前には駒草神社が祀られています。硫黄岳山頂までケルンが沢山立っていますので、山頂へ向かう目印になります。

駄々広い硫黄岳は、南八ヶ岳の中で比較的登りやすいのか、本日、一番賑やかな場所になっていました。硫黄岳火口の縁は地盤が不安定で、近付くと縁と一緒に崩落しそうな危険を感じます。
標識避難小屋かと思ったら雨量計跡でした。昼時ですので絶景を見ながらラーメンランチタイムです。素晴らしい景色と一緒に美味しく頂きました。2人の若いレディーが爽快な表情で、赤岳鉱泉方面より登って来ました。
帰路の赤岳鉱泉方面へと下山します。赤岩の頭付近は残雪が山と調和し、幻想的な風景を生み出しています。
樹林帯の中をジクザクしながら標高を下げて行きます。残雪ぬかぬか道が随所にありますので、滑らないよう下がります。沢を渡ると直ぐに山荘です。
赤岳鉱泉に到着です。先ずは美味しい水を駆けつけ2杯頂きます。南八ヶ岳の美濃戸山荘、行者小屋、赤岳鉱泉の水場は量も豊富で、冷たい自然の恵みを有難く頂きました。
行者小屋へは中山乗っ越を越えて行く為、少し標高を上げます。赤岳鉱泉から30分程で行者小屋のテン場に到着です。速やかにテントを片付けます。
赤岳山荘Pへ向け出発です。帰路は酒類や食材等が少なくザックは軽くなりましたので、チャッチャカ下がって行きます。
美濃戸山荘で美味しい水を頂き、ひと息です。赤岳山荘Pには10台位と少なめの車でした。振りると、初めてのテント泊でしたが、コース的にテントをデポ出来た為、キャンプ気分でテン泊を楽しめました。
美濃戸口までの狭い林道は、すれ違いが非常に困難ですので、運に任せて車を走らせますが、対向車も無く、美濃戸口を通過出来ました。今回も八ヶ岳温泉「もみの湯」で、ゆっくり温まり、2日間の汗を流し、さっぱりします。
おまけ 

 一昨年の同日、赤岳-横岳-硫黄岳の日帰り周回コースで、
 惜しくもツクモグサを見落としてしまいました。
 それ以来、ツクモグサの事が気になっていました。
 ツクモグサが元気に咲いているようですので、初めてのテン泊を歩き慣れた八ヶ岳で
 ゆっくりお花鑑賞しながら楽しみました。

 毎年、テント泊をしようと思いつつ数年が経ち、
 思い立ったように前々から欲しかったテントを購入しました。
 エアライズかステラリッジと決めていました。
 1人用テントでは自分に物足りないので最終的に迷ったあげく
 「エアライズⅡ」を買いました。ついでですのでザックも新調して、テン泊用品を揃えました。
 ●テント=エアライズⅡ●ザック=オスプレー70ℓ
 ●シェラフ=モンベルULスーパースパライルダウンハガー
 ●マット=モンベルULコンフォート150
 ●枕=U.L.コンフォートシステムピロー(マットとジョイント)
 ●何かと便利なシート=オール ウェザー ブランケット●その他小物・・・etc

天候 : 曇り時々晴れ間 梅雨時ですので天候はスッキリしませんでした。
出会った人=総計25人位で静かでした。
全く当てにならない疲労度★★★
☆(高標高で長く続く単調な鉄の階段は、息が切れます)

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