谷川岳~平標山

①トマノ耳:標高1,963.2m
(とまのみみ)
②オジカ沢ノ頭標高1,890m
(おじかざわのかしら)
③小障子ノ頭標高1,730m
(こしょうじのかしら)
④大障子ノ頭標高1,800m
(おおしょうじのかしら)
⑤万太郎山:標高1,954.1m
(まんたろうさん)
⑥エビス大黒ノ頭標高1,888m
(えびすだいこくのかしら)
⑦仙ノ倉山:標高2,026.2m
(せんのくらやま)
⑧平標山:標高1,983.7m
(たいらっぴょうやま)
松手山:標高1,613.6m
(まつてやま)

土合橋駐車場(4:00)⇒西黒尾根登山口(4:22)⇒ラクダの背(5:51)⇒トマノ耳(7:02~7:07)⇒肩の小屋(7::12)
⇒オジカ沢の頭(8:04)⇒小障子ノ頭(8:28)⇒大障子ノ頭(9:01)⇒万太郎山(9:45~:10:00)⇒エビス大黒の頭
(11:40~11:52)⇒仙ノ倉山(12:42~13:12)⇒平標山(13:46)⇒松手山(14:35)⇒平標登山口駐車場(15:30)
(単純標高差約1,364m 累計標高差約2,598m 歩行距離約21km   map  yahoo地図 

※写真を撮ったり景色を眺めて満喫している時間は、すべて歩行時間内です。
 (歩行時間10時間28分:全所要時間11時間30分)am4:00~pm15:30
 
2回目:2014年6月26日ランデブータッチ編  3回目:2014年10月26日平標新道へ  4回目:2015年5月22日茂倉新道へ

※歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません。

谷川岳の標高は2,000mにも満たないが、急峻な岩壁と複雑な地形に加えて、中央分水嶺のために天候の変化も激しい。気象の厳しさから標高1,500m付近が森林限界となるために、比較的低い標高でも高山植物が観察できます。谷川山頂からは、平標山にかけて東西にのびる県境稜線の山々、湯檜曽川を囲む馬蹄形稜線の山々など、すばらしい展望が楽しめる。谷川連峰を余すことなく満喫出来る主だった健脚縦走コースは、谷川連峰馬蹄形縦走コースや、万太郎山を経由しての谷川岳主脈縦走コースなどがあります。

以前から歩いて見たかった谷川連峰主脈縦走コースです。梅雨時の貴重な好天候と休日がマッチして、ようやく歩く事が出来ました。昨年の6/22日、谷川連峰馬蹄形縦走では、水分欠乏状態で難儀な思いをしていますので、今回は飲み水6.5リットルを担いで、贅沢な飲み放題状態の安心気分で歩けました。各ピークは予想以上のアップダウンがあり、ザック重量感と共に、精神力を鍛える絶好の稜線歩きとなりました。3年ぶりになる仙ノ倉岳へ到着した時、安堵と達成感と、思いがけないサプライズで感動の鼻血ブー(笑)でした。
※上記の写真は万太郎山手前から望む、ダイナミックなガスの掛かった谷川岳方面への稜線です。

デジブックで編集しました。(注!再生するとBGMが流れます)
夕方の関越高速道を飛ばし、まずは、明日のロングコースに備え、湯テルメ谷川でゆっくり温泉に浸かり体をリラックスさせます。コンビニで食事の買い出しを済ませ、みなかみ「湯檜曽公園」駐車場に向かいます。寝付けにハイボールを頂き、今回も車中泊です。早朝に起きて土合口駐車場に車で移動です。準備を整え午前4時から西黒尾根登山口へ向けて歩き始めます。最終予定は平標登山口バス停から、15:50分のバスに乗車して、湯沢駅から17:56分発に乗り、土合駅に18:20の帰着予定ですが・・・。

谷川岳指導センターの、冷たく美味しい水を駆け付け2杯、頂きます。5分位歩くと、左側に西黒尾根登山口があります。歩き始めて直ぐに水場があり、雪解け時期は流れも良く、冷たくて美味しい水を頂きます。急登を少し頑張ると、私的にシンボルの鉄塔が見え、下を通過して行きます。
樹林帯歩きは一昨日の雨の影響でぬかるんでいますので、靴とズボンを汚さないよう注意を払いながら登って行きます。風が遮られた樹林帯道中で、日の出を拝みます。振り返ると白毛門と笠ヶ岳が見えて来ました。
暑くなる前に樹林帯を抜けられ、風通しの良い岩場に出ます。眺望も広がり、やっと爽快気分です。早朝の谷川は、神秘的な静けさです。RWが動く時間になったら、賑やかになるのでしょうね。
鎖場を数ヶ所、越えて行きます。ラクダの背から谷川岳山頂の双耳峰を望みます。南峰がトマの耳、北峰がオキの耳です。本日は梅雨の切れ間の好天候で気温も上昇していますが、水場で沢山頂いたので思ったよりも水分補給が少な目です。(いつになっても、ザックが重い・・・)
ラクダの背を過ぎ、厳剛新道との合流地点の西黒尾根ガレ沢の頭を過ぎて岩場と鎖場を登って行きますが、ザックが重くいつものように軽快には登れませんので、大好物のカレーパンを噛じって、ひと息です。
肩の小屋手前には未だ沢山の雪渓が残っています。お陰さまで汚れた靴が綺麗になりました。※アイゼン等は必要無く、最初で最後の残雪歩きになりました。程なくしてトマノ耳です。
予想通り、豪華貸切の谷川岳山頂トマノ耳に7時02分に到着して、ひと息です。正面にはオジカ沢の頭と爼嵓(まないたぐら)の豪快な山容が見えます。この時点で水分1リットル消化です。
オジカ沢の頭の後方のほぼ直線状に万太郎山と仙ノ倉山が見え、右奥には苗場山も見えます。谷川岳主峰のトマノ耳と後方には一ノ倉岳・茂倉岳を望みます。右には少し霞んだ笠ヶ岳と烏帽子岳、朝日岳が見えます。
オキノ耳は進行方向で無いので行かず、そのまま肩の小屋へ向けて下がって行きます。小屋の裏側分岐を万太郎山方面(6.5㎞)へ向けて歩きます。
肩の小屋から眺めるオジカ沢ノ頭から俎嵓へ続くラインは、いつ見ても美しくてカッコイイです。実際の縦走路はこのラインでは無く、オジカ沢ノ頭から後方に伸びている万太郎山経由の稜線になります。初めて踏み入れる主脈稜線眺めは気分が高まり、しばし感動に浸ります。稜線を眺めている方と話をすると、肩の小屋の管理人さんらしき方でした。「平標山までは距離もあって大変ですよ!頑張ってくださいね」と、元気と気合を頂きました。

オジカ沢ノ頭へ向かう稜線上には、ミヤマキンバイや沢山のハクサンイチゲが咲いていました。
途中で肩の小屋を振り返り、随分標高を下げて来たのが分かります。素人では踏み入れられない、中ゴー尾根との分岐です。マツダランプの道標によりますと、肩の小屋から500メートル歩いて来ました。

やがて、ヤセ尾根の小さなトンガリガレ場を左にトラバースして登って行きます。ピーク手前の岩場は素直に鎖に頼って登ります。ハクサンイチゲが沢山咲いているヤセ尾根からは、爼嵓(まないたぐら)方面や、茂倉岳方面の雄大な景色が迫って来ます。
肩の小屋から52分でオジカ沢の頭に到着です。チョコバーを食べながらしばらく景色を楽しみます。万太郎山まであと3.1キロメートルの標識です。

オジカ沢の頭からの素晴らしい眺めです。ガスが少しか掛かってきましたが、小障子ノ頭~大障子ノ頭のピークと、大きく立ちはだかる万太郎山が見えて来ました。見た目よりも大きなアップダウンを繰り返しながらの歩きになります。
オジカ沢ノ頭避難小屋です。気温上昇の為、温室効果も手伝い、ドアを開けた瞬間、熱風が放出されました。小さい避難小屋です。茂倉岳や大源太山等の山も、いつもと違ったアングルに変わって行きます。
谷川岳を横断する、日本一の長さを誇る関越トンネル(11,065m)の空気孔(万太郎立坑・谷川立坑)が、眼下に見えます。トンネルの上を横断しているのでしょうね。小障子ノ頭付近では、チングルマが咲いていました。程なくして小障子ノ頭に到着です。
前方の稜線上に、利用頻度の高い大障子避難小屋が見えて来ました。水の標識を左に下がると、10分少々で行ける水場がありますが、ザックには4リットルも残っているので、給水の必要ありません。
大障子避難小屋の中を覗くと、やや広めの空間でした。前方は、大障子ノ頭です。振り返ると、大障子避難小屋が小さくなり、やがて見えなくなって行きます。
大障子ノ頭に到着してひと息です。ここからの急斜面の下がりは、岩場が濡れていますので大変滑りやすく、滑落しないよう慎重に下がって行きます。
万太郎山へ向かう縦走道は、意外に高低差以上のスペックがある感じで、侮れません。ハクサンイチゲのミニお花畑の尾根道を過ぎて、黙々と標高を上げて行きます。
万太郎山手前の吾策新道との分岐から振り返ると、オキノ耳~一ノ倉岳~茂倉岳が遠方にそびえ立ち、そして歩いて来た稜線(大・小障子ノ頭~オジカ沢の頭~トマノ耳)にはガスが掛り始め、一段とダイナミックな山容を望みます。本日初めての元気な単独おじさんとすれ違います。朝の4時から平標山登山口から日帰りで主稜線縦走を天神平に向けて歩いているそうです。RW経由で土合駅から電車で帰るとおっしゃっていました。
万太郎山に到着し、ザックを下ろして休憩です。仙ノ倉&平標山方面にはガスが掛かり、見え隠れしています。ゼリーとおにぎりを頂き、栄養補給です。万太郎山から毛渡乗越までもったいない位の標高を下げてから、再び500メートル前後、エビス大黒ノ頭、更には仙ノ倉まで登り返して行きます。

万太郎山を後にして下がって行くと、新潟側斜面からガスが上がって来ます。シャクナゲとハイマツの中の、両側が切れ落ちたヤセ尾根道を、足元に注意を払いながら進んで行きます。先程からシラネアオイが沢山咲いていますが、元気なシラネアオイは3割程度で、後は時期を過ぎていました。

ハクサンイチゲの群生が随所で咲き誇っています。赤谷本谷方向から爽快な風が吹き上がって、気分爽快です。
振り返ると、ガスが掛かり始めた万太郎山です。東俣ノ頭から進路をやや右下に向け、標高を下げて行きます。目指すエビス大黒ノ頭付近は、ガスがまとわり付き始めました。
小さめの越路避難小屋を振り返ります。ハクサンイチゲの群生の尾根道を進んで行くと、毛渡乗越の分岐があり、標識は寝そべっていました。エビス大黒の頭への登りに入りますが、目標はガスの中なので距離感が把握出来ません。300メートル前後、エビス大黒の頭まで標高を上げて行きます。

左眼下に切れ落ちた沢が見えます。稜線の鞍部から、黙々と標高を上げて行きます。視界が利きはじめ、ようやくエビス大黒の頭に到着しました。
予定より、30分位早く到着しましたので、本日2本目のチョコバーで栄養補給しながらひと休みです。平標山の家がはっきり見え、平標山~仙ノ倉岳周辺の登山者の姿が小さく動いているのが確認出来ます。エビス大黒から、またまた標高を下げてから登り返します。

仙ノ倉岳方面の視界も開けて来ました。そして本日最後の避難小屋、エビス大黒避難小屋を通り過ぎ、最終の登りに取り掛かります。
振り返って避難小屋とエビス大黒の頭です。新潟側の稜線はさらにガスが発生して来ました。私の縦走プランを知っているMさんと仙ノ倉岳手前で、タイミング良くお会いします。どうやらバスに乗って帰着するプランは、嬉しい事に無くなりました。
12:42分に仙ノ倉山頂に到着です。さらに、偶然にも仙ノ倉山頂で、知り合いのスーパーレディーのAさんが寛いでいるではありませんか!お互い顔を見合わせビックリです。飲み水はまだ2.5リットルも残っていますので、喉が乾きやすいカレーヌードルを美味しく頂きます。※Aさんとカレーヌードル??には、写真の掲載許可を頂いています。先程まで貸切同然で歩いて来た主脈縦走コースと違って、賑やかなコースに変わりました。
お花畑鑑賞をしながら、平標山へ向けて3人バラバラで歩いて行きます。先ほどから、古ぼけたマツダランプの標識から、綺麗な東芝ランプの標識に変わりました。肩の小屋から10000m歩いて来たみたいです。
木道両脇のお花畑は見頃を迎えていますが、少しガスが掛かって来てしまいました。ハクサンイチゲ/ハクサンコザクラ/チングルマ/ミヤマキンバイ/ハクサンイチゲ/ミツバオウレン/アズマシャクナゲ等が咲いていました。
仙ノ倉岳と平標山区間の、華やかで壮大に広がる景色は最高です。平標山山頂では気さくなグループさんに、冷たいメロンとパインのカットをご馳走になりました。
松手山へ向かう稜線は、ガスが掛かったり抜けたりして良い感じです。途中、ミニお花畑がありますのでひと息つきます。
急に日差しが強くなり、暑くなって来ました。平標山を振り返るとガスが抜け、青空が広がり始めます。松手山ピークを通り過ぎて数組、遠慮しながら追い越して行きます。
巨大な鉄塔付近から、苗場や湯沢方面の景色を眺めながら標高を下げて行くと、タニウツギが沢山咲いています。更に標高を下げると、ツツジが綺麗に咲いています。
最後は3グループほど団子になって、ゾロゾロと下山完了です。平標山登山口に15:30分に下山完了です。バスで湯沢駅経由で帰るとしても、まだ20分程ありますが、嬉しい事に余計な計算になりました。
前日の夜は湯テルメ谷川でしたので、今回で3度目になる鈴森の湯で汗を流して疲れを癒します。平日でしたので露天風呂は豪華貸切でしたので、ゆっくり疲れを癒せました。(入浴料@650)




上記の写真の8割は、肩の小屋~エビス大黒の頭の稜線に咲いていました。
おまけ
 谷川岳主脈縦走コースは、以前から歩いて見たかった念願の縦走コースです。
 谷川連峰馬蹄形縦走コースと並び、ダイナミックな谷川連峰の主稜歩きは、爽快感が増して
 精神力が高ぶります。歩いている時は、爽快気分と達成感で然程疲労を感じませんでしたが、
 体は正直で、帰着後、予想以上の疲労感を味わいました。
 しかしながら馬蹄形縦走に比べれば、気分的に楽な展開でした。

 日の出前に出発し、暑くなる前に西黒尾根の樹林帯を抜けましたので、森林限界に出てから
 心地良い風に吹かれ、オキノ耳まで標高を上げられました。
 本日はウォーターシステムの2リットル&ペットボトル飲み水たっぷりの
 4.5リットル=6.5リットルを担ぎ、水欠を気にしないで歩けました。
 カレーヌードルも頂きましたが、1.5リットルは持ち帰りになりました。
 ※体が慣れる前の西黒尾根では、ザックが重く感じて大変でした。

 今回の谷川岳主脈縦走コース決行に当たり、「気ままな男の赤城さん」より、
 心強いアドバイスを頂きましたので意欲的に主脈縦走コースに挑めました
 歩き終わって思いましたが、来年は逆周りで再び、爽快気分を堪能したいと思います。

天候:晴れ=時々曇りとガス  
出会った人= ・谷川岳主脈縦走コース1名 ・仙ノ倉山~平標登山口(30人位) 
全く当てにならない疲労度:★★★★☆   

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