小浅間山 標高1,655m 浅間山 標高2,568m ※吹雪の為、東前掛山付近で無念の撤退!)

行程 峰の茶屋(8:45)⇒小浅間山分岐(9:10)⇒東前掛山付近(11:18)⇒小浅間山分岐(12:08)
小浅間山東峰山頂(12:20〜12:40)⇒小浅間山西峰(11:48)⇒峰の茶屋(13:08)

   (歩行時間4時間03分:全所要時間4時間23分)  am8:45〜pm13:08 yahoo地図 map

単行動の自己責任ですので、全く参考にはなりません。
浅間山は活火山のため「噴火警戒レベル」が設定されています。火口付近は火山噴火に伴い、1972年より立ち入りが禁止されています。その後、沈静期には規制が解除されたこともありますが、火山活動が活発になり、2009年2月1日には警戒レベルが「3」に上がり、その後もごく小規模な噴火が起きました。2010年4月15日に警戒レベル「1」に緩和されて、引き下げられました。警戒レベル「1」では、火口まで約500メートルの前掛山までで、小諸側からの入山が認められています。現在は前掛山が浅間山登頂の代変えになっています。
ただし、浅間山は活火山であるため、基本的に登山者の自己責任での登山となっています。
以前から予定をしていた冬の浅間山登山でしたが、クリスマス寒波の襲来で、試練を強いられた「イブ」となりました。出足から浅間山は雪雲に覆われていますので、回復を祈って登り始めます。8合目付近で温度計を見てみると、氷点下16度の厳寒の世界です。風速20m級の突風!更には吹雪&ホワイトアウトとなり、無念の撤退を余儀なくされました。※上記の写真は、天候が回復した浅間山を、帰路の小浅間山よりワンショット。

軽井沢から見上げた浅間山は雲が掛かり、全く見えませんので、取り合えず小浅間山まで向かう事にしました。アイゼンを履いてスノーシューを担ぎ、準備万端で東大観測所の左脇から歩いて行きます。
峰の茶屋登山口には注意看板が設置されています。「現在はレベル1」に温和されていますが、登山コースは小浅間山までの区間です。
樹林帯の中に立つ火山警報の塔があり、警報塔を過ぎると直ぐに馬返し(小浅間分岐)です。小浅間山が目の前に見えます。天候も回復して来ましたので、迷わず、浅間山へと向います。「自己責任」でトラロープを、2年ぶりに跨がせて頂きました。

小浅間山との鞍部から、樹林帯の中のS字の急登になります。トレースが付いていますので、仲間の気配が感じられます。
先程のトレースは何故か途中で無くなっていました。森林限界を越えると強風をもろに受けて寒くなります。山肌はまだ見えていますが、通常のコースは全くわかりません・・・。

歩きやすい場所を適当に選んで登っていきます。右前方の観測器の付けられたコンクリートの脇で、強風を避けながらジャケットの下にフリースを着込みます。振り返ると眼下に小浅間山です。浅間隠山方面は雲が掛かり、見えなくなっています。やがて標高2,000m地点を通過していきます。
黙々と高度を稼ぎますが・・・。山頂方面は悪天候の為視界不良で、どの位近づいたのか全くわかりません。砂礫が見えている付近を目安に、コースを外さないように登って行きます。やがてトラバース気味に進行して行くと、砂礫は積雪で埋まっています。道筋は全くわかりませんので、微かな記憶を辿って東前掛山方面へ目掛け、登って行きます。
標高を上げるに連れて冷たい突風が吹き付け、体があおられます。向かい風方向へ登って行くと雪が舞い上がり、顔に突き刺さり痛くなります。ザックにフェイスマスクがありますが、この強風ではザックも飛ばされそうですので諦めます。
悪天候の中、一瞬ですが日が差します。恐らく浅間山は私ひとりの貸切歩きになっています。ザックに付けてある気温計を見ると、氷点下16度を差しています。風が強いので体感温度はさらに低く感じました。
この時点ではまだ余裕があったので、動画モードで撮影してみました。 (55秒の短編です)
不安を感じながら山頂方面へと登って行きますが、一方では、視界不良でも坂を登って行けば何処かのお鉢(噴火口)付近に辿り着くと、意欲を奮い立たせていました。強風と戦いながらもいよいよ全くのホワイトアウトになってしまいましたが、それでも諦めの悪い私は、滅多に頼らないGPSが指す方向に登ってみます。やがて吹雪になり、帰路は私の付けたトレースが頼りですが・・・。
噴火口にある「避難用シェルター」まで、約30分以内で到着と思われる付近で、驚異の気温低下の為、GPSのバッテリーは著しく低下してしまいました。東前掛山と思われる付近で、今回は「納得のいく無念の撤退」をする事にしました。 悲しい事に私の付けたトレースは一瞬の吹雪で消されていて、全くの視界不良の中を下がって行きます。気が付くと、何故か浅間火山博物館方面へと下がっていました(ドキッ!)。大トラバースで右へと進路を試み、小浅間山方面へと修正して行きます。※本日一番危険を感じて焦った場面でした。
強風の影響か、新雪は吹き飛ばされ「アイスバーン」が剥き出しになっています。12本爪アイゼンが予想以上の大活躍です。やがて小浅間山が眼下に確認出来、安堵します。折角背負って来たスノーシューは、結構な荷物になっただけでした。
標高を下げて行くと、天候が回復して来ます。キャタピラー跡はアイスバーンになっていますので、適当に標高を下げて行きます。樹林帯の中に入ると、沢山の足跡があります。私の付けた足跡の外、スノーシュー跡×2人分とアイゼン跡×2人分がありましたので、後続の方は悪天候の為、早々に撤収したのだと思います。

小浅間山との鞍部まで下がって来ると天候は回復してきました。小浅間山(東峰)山頂標識は倒れて寝てましたので、ケルンの隙間に挿してワンショット!です。山頂手前で陽気な「冬山ガール」3人組が美味しそうに、熱々のラーメンを食べていました。
徐々に視界が利くようになり、周辺の山々が見えてきます。左上の写真は妙義山方面です。眼下に峰の茶屋登山口が見えます。
振り返って浅間山です。天候が回復して来ましたので、撤退した事が無性に残念な気持ちになりました。今から再度リベンジしようと少しだけ思いましたが、時間が遅いので、安全をとり次回のお預けにしようと思います。
小浅間山は氷点下10度を指しています。お待ちかねのカレーヌードルを頂きます。気温低下の為、お湯が沸くまで通常の倍かかりました。西峰へ移動して草津方面を眺めますが、雪雲がまとわり付いて視界不良です。
小浅間山からは踏み跡の多い健全なハイキング道と変わり、呆気なく帰着です。馴染みの小浅間山でしたが、本日は少し寂しく感じたのが本音です。
なんとな〜く安堵な気持ちと裏腹に、消化不良の思いを抱いて峰の茶屋へ帰着しました。峰の茶屋から振り返り、浅間山を見上げると雪雲に覆われていますので、撤退した事は良い判断だったとつくづく思いました。中軽井沢駅方面へ向かう「日本ロマンチック街道」のR146号線に設置された気温計は、日中ですが氷点下7度を指していました。帰路の日帰り温泉は久し振りに「トンボの湯」に浸かり、開放感いっぱいの露天風呂で冷えた体を癒します。
おまけ 


 以前から予定していた冬の浅間山は、クリスマス寒波の影響で、緊張感溢れる行程となりました。
 最初は「イブ」に相応しく、心地良い新雪歩きを貸切でトレースを付けながら歩けましたが、
 標高を上げるに連れて悪天候になり、氷点下16度の突風の中への突入となりました。
 
 浅間山は今年最後の山行き計画でしたが、東前掛付近で無念の途中撤退となりましたので、
 来年早々、晴天の日に是非ともリベンジしようと思います。

 登りは視界不良でしたが、狭くなる頂きを目指して登るだけでしたので比較的大丈夫でした。
 下山は山麓が広域に広がる為、下山方向を誤ると想像以上の難儀な状態になっていたと思います。

 
1回目(2010/8/13)の峰の茶屋〜浅間山  2回目(2011/11/27)の浅間山荘〜浅間山
 

 天候=曇りのち少し晴れ間、以降は驚異の吹雪
 出会った人=3人(小浅間山3人)
 全く当てにならない疲労度:★★☆☆(少し焦った為、ペースが早かった!)


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