破風岳 土鍋山 2013 11 01



破風岳:標高1,999m   土鍋山:標高1,999m    標高差約176m  歩行距離約5.8㎞

行程:毛無峠(9:08)⇒破風岳(9:35~9:55)⇒五味池分岐(10:07)⇒土鍋山(10:29~10:32)⇒土鍋山三角点(10:36)⇒
展望場所(10:40~11:00)⇒土鍋山三角(11:08)⇒破風岳分岐(11:34)⇒毛無峠(11:53)⇒毛無山(12:12)⇒毛無峠(12:24)

 (歩行時:2時間33分 全所要時間3間時間16分)  am9:08~pm12:24  yahoo地図 
破風岳と土鍋山は群馬県嬬恋村と長野県高山村との県境にあり、共に1,999mのピークを持つ山です。1999年に所轄市町村をあげて記念登山の募集をし、その年には大勢の登山者が訪れた。しかしその後以前のような静かな山に戻った。 登山口の毛無峠には硫黄鉱山跡がありここでもガンコウランやコケモモ、コイワカガミなどの高山植物を見ることが出来る。 山頂からは北東に本白根山や白根山の長い稜線と御飯岳が、南西方向の彼方には北アルプスも展望出来る。また南隣に位置する土鍋山も破風岳同様、全国の登山愛好家が増えたのはごく最近で2000年以来の事。標高 2000mが西暦年と同じということでプレミアム登山となった。その後、眺望が得られなかった山頂も部分的な間伐により、 以前より展望が開けるようになった。破風岳と直線にして1kmそこそこなので破風岳とセットで登ることができる。(信州山学ガイドHPより)
毛無峠という地名のとおり、辺りには木々が少なく荒涼としています。毛無山と破風岳の鞍部に位置する稜線の為、常に風が吹きつける場所です。その風を利用して、県外からもラジコングライダーを飛ばしにやって来る人も少なくありません。写真左の群馬側の、未舗装道をジブザクして下った先には、小串硫黄鉱山跡があります。最盛期には2000人を超える人々が暮らしていました。当時の名残として、峠の東側には鉱石を搬送した滑車の付いた鉄塔跡が現在でも多く残されています。小串硫黄鉱山は時代の流れとかみ合わず、昭和46年に閉山されました。今は寂しい荒野と化していますが、当時は学校や商店に診療所、遊具場まであったそうです。小串硫黄鉱山ピーク時は、国内3位の生産量を誇った鉱山でした。
 
万座プリンスホテル方面に向かい、万座道路を道なりに走って行きます。途中左折して林道に入ります。毛無峠手前では北アや北信の山並みが早くも見えます。行き止まりが、毛無峠の駐車スペースです。滑車の付いた鉄塔の残骸の景観が不思議です。車が1台駐車してありますが、登山者では無く、ラジコングライダーを飛ばしている方の車でした。毛無峠は風通しが良く、グライダーは気持ち良さそうに大空を飛びまわっていました。温度計を見ると摂氏1度を指していますので、防寒仕様で出発です。
毛無峠付近は広場になっていて、榛名山~浅間山を眺めることが出来る展望場所になっています。 群馬県側の小串鉱山跡へは「この先危険につき関係者以外は立入禁止」となっていますが、今もしっかりした廃道が取り付けられています。ゲートを跨げば歩いて行けるようですが・・・。峠より破風岳山頂が早くも見え、右側の切れ落ちたピークが破風岳山頂です。破風岳の往復だけでしたらコースタイムは、1時間以内の軽ハイキングになります。
毛無峠よりジグザグ登って行くと、眼下に小串硫黄鉱山跡が見えます。立ち入り禁止道路には下から車両が1台入って来ましたが、作業着姿でしたので関係者みたいです。浅間山と子分の小浅間山が進行左に見えます。
振り返ると笹道に付けられた稜線が見えます。毛無山の右には草津白根山が近くに見えます。30分弱で早くも山頂です。本日破風岳の一番乗りは私では無く、山頂標識に着地した不思議なホシガラスでした。
山頂からの景色は素晴らしく、まさに展望台的な頂きです。群馬県側には緩やかな山容の、御飯岳が見えます。角度を変えて山頂を望むと断崖絶壁状態です。
山頂からは大パノラマが広がります。北信の山々や、北アルプス、浅間山、秩父の山々、赤城山、榛名山、浅間山連峰まで良く見渡せます。写真は北アルプスです。
 浅間隠山(左)と鼻曲山(右)です。土鍋山へは破風岳の山頂から登ってきた道を戻り、分岐を下りずにそのまま進むと少しだけ近道です。心地よい風が吹き、爽やかな陽だまり歩きです。
ぬかるんだ道を避けながら歩いて行きます。霜が降りて足元は少し良くなります。看板の先に分岐があり、右に行くと牧場を経て五味池方面です。もちろん左の土鍋山方面に進みます。
岩が露出した場所を下りて行くと視界が開け、前方に土鍋山が見えて来ました。右奥の四阿山は意外と近くに見えます。浦倉山を隔て縦走路が続いていますので、今後の縦走コースのリストに加えてみました。
 
鞍部目指して下って行き、軽く登り返します。トルネード状態の曲がり木が、良い感じで山道に突き出ています。山頂手前のトラロープが下がった急登を登り終わると平地になり、右へ進むと土鍋山です。以前分岐には浦倉山5.6キロという看板がありましたが、見あたりません。
土鍋山山頂に到着です。小串鉱山跡の谷が一望できます。横手山~草津白根山が良く見えます。北アルプス方面は、木々の隙間から眺められる位の眺望です。以前と変わらずポストが置いてあり、中には名刺やカードが入っていました。
 
少しだけ浦倉山方面へ歩いて行くと、土鍋山の三等三角点と浦倉山-バラキ高原への標識が置かれています。尾根を縦走して四阿山へ行けますが・・・。以前パルコール嬬恋より登った事のある浦倉山までは、時期によって熊笹の藪漕ぎ状態になってしまうみたいです。
 
熊笹は刈られていて、頗る歩きやすい尾根道です。標高を下げて行くと正面には、北アルプスの全容が見渡せる眺望ポイントです。浦倉山の後方には四阿山と根子岳です。
北アルプスの眺望が抜群のポイントですので驚きです。穂高連峰から槍ヶ岳の山並みのアップです。先日縦走した槍ヶ岳~涸沢岳が良く見えますので、ゆっくり眺めます。
 
土鍋山より少しだけ浦倉山方面に下がるだけで、これだけの眺望を得られて得した気分です。ビニールシートを敷いて少し早い昼食を、北アや四阿山、浅間山や八ヶ岳方面を眺めながら美味しく頂きます。食後の珈琲タイムも格別でした。
 
帰路は来たコースを戻ります。土鍋山の三角点を通り過ぎ、破風岳方面へ戻ります。そして本日初めてお会いする男性コンビとすれ違い、お互い「初めての登山者ですね!」と、笑顔で言い合いました。
 
眼下に毛無峠が見えて来ました。車は10台位駐車してありますが、余り登山者は見あたりません。峠より毛無山へ登って行くと、御飯岳より単独男性が下がって来ました。
 
御飯岳は元々登る予定では無かったので、毛無山でひと息入れて下がります。先ほど登った破風岳と土鍋山が見え、後方には四阿山も見えます。
 
毛無峠から毛無山まで往復30分強でした。土鍋山より浦倉山方面へ少し進むと素晴らしい景色が広がりますので必見です。破風岳から土鍋山、三角点と眺望ポイントまで、往復3時間弱の手軽な高原ハイキングが楽しめます。群馬県と長野県の県境に位置する、おすすめのハイキングコースです。

 
 吾妻渓谷へ、少し早い紅葉を観賞に向かいます。


 
帰りは草津を抜けて、吾妻渓谷へと向かいます。吾妻川にかかる雁ガ沢橋から上流の八ッ場大橋まで約4kmの渓谷は、九州耶馬渓にちなんで、関東耶馬渓と呼称される、昭和10年に「名勝吾妻峡」として国の指定を受けた景勝地です。
滝見橋より鹿飛橋の周回コースを歩きました。紅葉にはまだ早い吾妻渓谷ですが、クラブツーリストの団体さんも沢山いて、観光客で賑やかっていました。
 
鹿飛橋渓谷は最も狭隘な箇所で、急流をなす位置にあります。対岸コースに入るとめっきり人の姿は少なくなります。見晴台からの景観は素晴らしく、渓谷より沢の音が響き渡ります。
 
 吾妻渓谷の紅葉は始まったばかりですので、見頃はもう少しです。思いの外、静かな対岸コースを楽しんだ後は、吾妻峡温泉「天狗の湯」でゆっくり温まります。入浴料400円でリーズナブルです。
 おまけ 

 久し振りに万座温泉に出かけました。今回もお気に入りの「万座亭」でゆっくり温泉に浸かり寛ぎます。
 翌日はハイキング方々破風岳~土鍋山へ、4年前のリベンジ歩きに出かけます。
 展望台としても知られている破風岳は、毛無峠より短時間で容易に登れる山として巷で有名です。
 前回訪問時は、ガスガスの為全くの視界不良でしたので、心残りになっていた山でした。

 紅葉が終わって、冬が近づいて来た破風岳からは素晴らしい景色が広がり、
 ようやく周辺の山々や素晴らしい景色を拝む事が出来ました。
 余り眺望の良くない土鍋山より、三角点を過ぎて浦倉山方面へ少し進んで行くと、
 素晴らしい景色のサプライズ状態に、感謝感激でした。
 

 毛無峠周辺には、小串硫黄鉱山の面影を残す、取り残された鉄塔が点在します。
 自然の風景と歴史を感じる建造物とのバランスが、不思議な景観でした。
 

天候 :晴れ
出会った人=山道では3人 
全く当てにならない疲労度:★☆☆☆☆


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