東北のアルプス~!と言われる、花の飯豊山 2014.8.6


飯豊山
(標高2,105m  三国岳 (標高1,644m)   疣岩山 (標高1,654m)  標高差約1,425m   累計標高差約2,100m  歩行距離約27.8km   

弥平四郎登山口駐車場(4:41)~上ノ越(6:00)~疣岩分岐(7:05)~三国小屋(7:47~7:55)~切合小屋(9:05~9:08)~
姥権現(9:48)~本山小屋(10:30)~飯豊本山(10:41~11:05)~本山小屋(11:16~11:20)~姥権現(11:54)
切合小屋(12:29~12:35)~三国小屋(13:35~13:46)~疣岩分岐(14:25)~祓川山荘(15:40)~弥平四郎駐車場(駐車場)(15:53)
(歩行時間10時間16分:全所要時間11時間12分)  am4:41~pm15:53   yahoo地図   下記にyahooGPSデーター添付

歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません。
飯豊連峰の最高峰は大日岳であるが、主峰の飯豊山は、通称飯豊本山と呼ばれる信仰の山である。かつての登山道はすべてこの飯豊山を目指していた。神社の所領権をめぐり、米沢藩と会津藩、新潟県と福島県で争いがあったといい、現在は三国岳から御西岳まで、細長く福島県境線が延びているのが印象的である。飯豊連峰は日本海の影響を大きく受け、冬期には偏西風によって多量の雪がもたらされる。主に東側に雪が積もる偏東積雪の現象により東側の地形が大きく浸食され、非対称山稜となっている。さらには植生にまで影響があり、西側の新潟県側にはヒナウスユキソウなどの乾地性高山植物が、東側の山形県側にはイワイチョウなどの湿地性高山植物が分布している。飯豊連峰は雪田とともにお花畑でも知られる山域である。(山と高原地図より)
前々より訪問したかった懐深き東北の名峰、飯豊山(いいでさん)に向かいます。前日に予報が変わり、残念ながら曇りのち雨。自称晴れ男!とプラス思考で望みます。嬉しい事に最後まで天候は崩れる事もなく、花々を楽しみながら、懐深く素晴らしい名峰を楽しむ事が出来ました。
歴史ある表参道コースと呼ばれている川入の御沢野営場へは古くから飯豊詣りのコースとなっていますが、昨年の台風の影響で車両通行止めになっていました。 アプローチ的には磐越自動車道の西会津ICより比較的近い?表参道コースと並ぶ弥平四郎登山口より出発です。
弥平四郎ゲートで一旦登山届を提出してから、林道の突きあたりの弥平四郎登山口駐車場(25台可)へ向かいます。午前0時時点、山小屋泊と思われる車で満車率は60%です。3時間少々仮眠をして支度をしていると、東京よりお越しのグループが到着します。4時40分に出発し、右回りの新ルート登山口で東京グループと一緒になります。山小屋泊ののんびり旅だそうです。「私は日帰りです!」と伝えると、リーダーが「何処ですれ違うのか?楽しみ!」と言ってました。新ルートは結構な急登で、脹脛を引っ張りながら、ブナ林の中を標高を上げます。やがて陽が昇り、樹林帯の中は熱中歩きに変わります。
汗を拭うのが忙しく、サングラスが邪魔になりますので外します。やがて樹林帯を抜け、ひと際心地良いそよ風に吹かれます。一旦標高を下げて登り上げ尾根に出ると、巻岩山方面が見えてきます。本日もハイドレーションタンクは、冷たく美味しい2リットル(アク500ml投入)のロックアイス入りが飲み放題状態です!
鏡山との分岐の「上ノ越」を過ぎると景色が広がります。小刻みにアップダウンをしながら進んで行くと、前方に疣岩山のピークが見えて来ます。最初の花はヤマアジサイです。
会津方面の景色が開け、磐梯山が雲海の上に見えて来ました。標高を上げて行くとガスの中に入り、一瞬涼しくなり、何よりです。
    ミヤマクルマバナ        シロニガナ           オトギリソウ        センジュガンピ
新長坂ルートとの合流地点、疣岩分岐でひと息です。この辺りより飯豊連峰の景色が広がりますが・・・。飯豊連峰には残念ながらガスが掛っています。疣岩山には三等三角点が設置されています。この先の三国岳(1,644m)よりは少し高い頂きですので、アップダウン歩行になります。
三国岳が見えて来ました。目を凝らすと三国小屋も見えます。右の尾根道は新長坂ルートの松平峠方面で、帰路ではザレながら歩くコースとなりました。
    カラマツソウ         ニッコウキスゲ         ウメバチソウ       ヨツバシオガマ(終盤?)
ガスの中から三国小屋が見えて来ました。登山道が塞がれている程、沢山の登山者(山小屋泊の下山者)が寛いでいますので驚きです。優しそうな管理人の金子さんが「日帰りで飯豊?」と声を掛けてくれたので、少々為になる会話を楽しみます。
進行方向は全くのガスガスでテンションが下がります。バナナとゼリーを補給します。三国小屋を覗いてみると綺麗な佇まいで、良く整理されています。管理人さんの性格が良くわかりますね~!
三国小屋より、標高を下げながら進行して行きます。本山小屋&切合小屋泊と思われる登山者とすれ違うようになります。途中で振り返り、三国小屋!
   ミヤマクルマバナ         シロニガナ           ヤマハハコ         コウゾリナの群生
岩場ですが、鉄ハシゴと鎖が設置されていますので難なく通過出来ます。登り上がると、またまた小ピークです。
アップダウンを繰り返しながら、標高を下げている感じです。振り返って小さく三国小屋!前方に大きいピークが見えますが、一番奥のピークが種蒔山?
    タテヤマウツボグサ               時々、青空!              ツリガネニンジン
種蒔山付近で上空のガスが一瞬抜け、本山小屋ピークと左の飯豊本山が見えてきました。まだまだ飯豊本山までは、遠い事を実感します。
     チングルマ                 マツムシソウ               ナナカマド
     ヤマハハコ         ウメバチソウ          コイワカガミ        イワベンケイの親戚?
 タカネマツムシソウにスジグロカバマダラと蜂が仲良く~♪        イワイチョウと仮面ライダーの幼虫~? 
ガレ場の登りになります。少し下れば水の豊富な切合小屋に到着です。 定員約100名で、飯豊連峰の山中の山小屋としては一番大きいそうです。小屋周辺は時間的に閑散としていました。
豊富な水がホースより常備流れ出ています。ペットボトルに流し込み飲んでみると「美味い!」の一言です。ペットボトル2本に詰め込みます。 トイレは新築されたようで外観(使ってないので!)は綺麗でした。 小屋の裏側にはテン場があります。オフシーズンになると、水場のホースは片付けられてしまうそうです。雪渓を横断しますが、滑り止めを使う必要はありませんでした。そして沢水が流れ出している山道のお花畑に入ります。
   ショウジョウバカマ    ハクサンコザクラ(淡い色)       濃い色           ミヤマキンポウゲ
     丁度見頃のチングルマの群生には圧巻!              何処までも続く、チングルマのお花畑!
沢水が流れていますので、しばし心地良く爽やかな歩きです。雪渓より3人が下がって来ましたが、好意的に入ったようです。草履塚(1,908m)
    ハクサンフウロ        クルマユリ          ヨツバシオガマ        ハクサンシャジン 
小ピークから少し下った鞍部には、怖いお顔の「姥権現」さまが鎮座しています。 伝説では女人禁制の決まりを守らないで、飯豊山に登った女性が石になったと云われています。ここから御秘所と呼ばれる鎖のある岩尾根を慎重に登ります。
飯豊山方面が見えて来ました。御前坂より、最後の急登の長いガレ場になります。運が良い事に、厚く覆われていたガスが徐々に抜け始めて来ましたので、少しペースを上げて頑張ります。
     ツメクサ         ヒメウスユキソウ        ヒメシャジン          ヨツバシオガマ 
綺麗な佇まいの本山小屋(1,999年に新築)です。奥には飯豊山神社と本山の鐘があります。本山小屋から西へ延びる緩やかな稜線を10分ほど歩くと飯豊本山の頂です。
 
山頂には祠が祭られていて、一等三角点が設置されています。飯豊連峰最高峰の大日岳方面にはガスが纏わり付いて、残念ながら抜けません!
福岡よりお越しのねえさんにせっかく撮って頂いたので! 保冷バックより、冷た~いドライで飯豊本山にカンパ~イ~♪ 山小屋で買うと1,000円?するらしいので、2本持参です!毎度のカレーヌードルを美味しく頂きます。
       北へ延びるダイグラ尾根                   写真を撮ってくれた福岡のお姉さんと本山 
    すぐ下の可愛い池塘           貴重なイイデリンドウ~♪          マルバコゴメグサ 
飯豊山神社と本山の鐘があります。中に入ると写真撮影禁止になっていました。飯豊本山小屋で、せっかくなのでひと休みです。 小屋の裏で福岡のお姉さんは食事中です。本日は山小屋泊りだそうです。
 
 振り返って!飯豊山~本山小屋
 
      ヤマハハコ&ミヤマクルマバナのお花畑            飯豊のエーデルワイス?(ヒナウスユキソウ) 
 下山ですが・・・。草履塚~種蒔山~三国岳~疣岩山、プラスα、無名ピークを越えて、アップダウンを繰り返します。
何となーく休憩したくなる御前坂でひと息です。 やっぱり、怖~いお顔の「姥権現」さまが・・・! 草履塚は山岳信仰の飯豊山へ詣でる際に履き替えた草鞋が積まれ、塚となったと言われています。時間帯的に誰とも合わない静かな歩きをしばし味わいます。
 
  嬉しい満開状態!チングルマの自然のドームはお見事~♪
しばし雪渓の上をひんやりと横断!切合小屋に到着です。寛いでいるソロダンディーは切合小屋泊りだそうです。 本日みたいに暑い日は美味しい水場に感謝です。
   避難小屋のある三国岳まで、下山をしている雰囲気はなし!          登り返して、もうすぐ三国小屋!
登山口で一緒にスタートした東京よりお越しの6名のグループとすれ違い、リーダーに「もう帰ってきたんだ、早いね!」と声を掛けられます。グループの皆さんは、随分ゆっくり歩行なので心配です?
やがて三国岳(三国小屋)に到着です。誰もいない貸切の三国小屋広場では、管理人の金子さんが笑顔でお出迎えをしてくれました。陽気で話し好きの管理人さんと、飯豊山の話題でしばし会話が弾みます。先ほどの6名グループの女性1名が登山意欲喪失気味で、小屋でしばらく休んでいたそうです。切合小屋まで無事に行けるよう心配をしていました。※温度計は27度を指していますが・・・。

 
振り返って稜線中央に飯豊山神社のピークがチョコン!と見えます。改めて遠かった~!しかしながら弥平四朗登山口まで、まだ標高を1,000m近く下げなければいけません。
 
三国岳の山頂表示!弥平四朗まで9.1km?多分、登山ポストのあるゲートまででしょう! 飯豊連峰の最高峰の大日岳が、ガスの中から遅ればせながら姿を出します。
 金子さんに教えてもらい御西小屋の小アップ! やがて飯豊山方面はガスが湧いてきました。    疣岩山への最後の登り!
下がって1分もかからない獅子沼へ立ち寄ってみます。 会津磐梯山方面は早朝と同じく、視界良好! 疣岩分岐では、往きは新ルートで来ましたので帰路は松平峠方面の新坂ルートで下山です。※三国小屋の金子さんの話では、下山で新坂ルートを使うと、最初は急なザレ下がりなので注意が必要!だと言ってました。直射日光が右半身後部よりに当たり、首筋がジワジワ焼けてきた感じで熱い!
 
ザレ場下がりではカニさん歩きを余儀なくされます!ストックでもあれば少しは楽なのでしょうね? 最初のザレ場を下がってひと息です! やせ尾根?何故が平ヶ岳のやせ尾根を思い出しました。その後、荒れたトラバース道や崩落迂回道歩きをしながら、下がって行きます。
 
標高を下げて行くと歩きやすい山道に変わり、何よりです。避難するには勇気が入りそうな?「祓川山荘」を横目に通り過ぎます。 そして二ヶ所、木橋を渡ります。 沢から登りあがると新坂ルート登山口に到着です。
 
はっきり言って、新長坂ルートは登りも下りも使わない方が良い!とつくづく実感しました。 しかしながら切合小屋の主人や、お会いした常連は新長坂ルート方が歩きやすい?と言ってましたが・・・。
 
弥平四郎登山口駐車場に15時53分帰着です。本日は熱中登山を余儀なくされましたので汗ダクです。近くに日帰り温泉が無いので、予め用意をしていた4リットルタンクの水で行水して着替えます。 弥平四郎ゲートまで車で下がり、下山届を提出です。車を止めると虻がまとわり付くので注意が必要です!
    ●弥平四朗ゲートのマピオン地図   ●飯豊山弥平四朗登山情報(H26.7.29現在).pdf    ●飯豊山登山口情報

 

おまけ

 前々より訪問したかった懐深き東北の名峰、飯豊山(いいでさん)にワクワクしながら向かいます。

 歴史ある表参道コースと呼ばれている川入の御沢野営場は、古くから飯豊詣りのコースとなっていますが、
 昨年の台風の影響で車両通行止めになっていました。
 アプローチ的に磐越自動車道の西会津ICより比較的近い?表山道コース並ぶ弥平四郎登山口からの行程です。
 このコースは、最近人気のようです。

 前日に予報が変わり、残念ながら曇りのち雨・・・。
 自称晴れ男!とプラス思考でテンションを上げて望みます。
 嬉しい事に最後まで天候は崩れる事もなく、花々を楽しみながら、懐深く素晴らしい名峰を堪能する事が出来ました。

 飯豊山の他の日帰りレポを読んでみると、谷川連峰の馬蹄形や主脈縦走の日帰りと難易度的に比較し、
 出来そう!と勝手に思い、プランを練ります。

 そして歩いてみた結果は・・・?
 飯豊山はどの登山口からもアプローチが長く、体力をを要求される山脈と言われていることが納得できました。
 今回の祓川コースは、
 「往が登り、帰りが下がり!」の決まり文句は当てはまらないアップダウンの行程でした。
 飯豊山より望む三国山方面は眼下には見えず、山々でカーブを描いた稜線状先に見えました。
 熱中歩きも加わり、予想通りのハードな歩きになりましたが、良い具合にテンションは上がったままでした。

 飯豊山の魅力は・・・?
 三国小屋の金子さん曰く、飯豊山の楽しみ方には大きく二つあるそうです。
 一つは飯豊本山を目標にして1泊~2泊してのピークハントの通常の登山。
 もう一つは飯豊連峰に拘り、最高峰の大日岳や北股岳の数泊しての縦走と言ってました。

 改めて飯豊山へ訪問して思ったことは・・・?
 飯豊連峰は20km以上の山脈から形成されている巨大な山域で、
 東北のアルプス~!と言われる懐の大きさと、大自然の魅力を感じた次第です。

 そして・・・、
 大自然が広がる雄大な山域と素晴らしい花々、心地良い疲労感を思う存分味わう事が出来ました。
 とんぼの数も半端ではなく、自然に一緒に並んで歩いて(とんぼは飛んで)いるような錯覚がする程でした。

 帰路は思ったより元気でしたので、高速を使わず鬼怒川方面より一般道で埼玉に帰ります。
 予報より遅く夕方から雨が降り出し、虫のへばり付いたフロントガラスはワイパーと雨の力で綺麗になりました。
 最近温泉になった地元の浪漫館に22時に到着して、ゆっくり疲れを癒しました。

天候:晴れ時々曇りとガス!
出会った人:30人以上~
全く当てにならない疲労度:
★★★(樹林帯は熱中歩き)

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