常念岳~蝶ヶ岳

常念岳 標高2,857m  蝶ヶ岳 標高2,677m  標高差約1,577m  歩行距離約15.2km

三股駐車場(5:00)⇒登山指導センター(5:10~5:15)⇒標準点櫓跡6:50)⇒前常念岳(8:03)⇒
常念小屋分岐(8:39)⇒常念岳(8:47~9:02)⇒コルの池(10:42)⇒蝶槍(11:18)⇒蝶ヶ岳三角点11:26)⇒
瞑想の丘(11:54)⇒蝶ヶ岳ヒュッテ-(11:56~12:16)⇒蝶ヶ岳(12:20~12:25)まめうち平(13:55)⇒
力水(水場)(14:35~14:40
)登山指導センター(14:56)⇒三股駐車場(15:05)

(歩行時間9時間15分:全所要時間10時間05分) am5:00~pm15:05   yahoo地図  mapへ
歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません
標高2857mの常念岳は大天井岳から徳本峠へ至る常念山脈の主峰です。深田久弥の「日本百名山」の一つであり、安曇野から眺める雄大な北アルプスの山並みの中でも、その美しいピラミダルの山容はひときわ目を引きます。山肌に現れる「常念坊」の雪形は、昔から安曇野の人々に春の訪れを告げる目安として親しまれて来ました。森林限界を超えた山頂からは槍、穂高連峰の勇壮な一大パノラマを見る事が出来ます。標高2664mの蝶ヶ岳(蝶ヶ岳三角点)は常念山脈に属し、ハイマツと砂礫の山頂部からは槍、穂高の眺望が優れ、均整のとれた姿には定評があります。稜線直下には北アルプスでも有数のお花畑が広がっています。三角点は蝶槍のピークにあり、最高点は南端の長塀ノ頭(2677m)にあります。蝶ヶ岳の名前の由来は、残雪期の稜線直下に現われる雪形が安曇野から眺めると白い蝶に見える事から名付けられたと言われています。※信州の旅.comより
常念岳は、蝶ヶ岳と一緒に周回したいと以前から思っていた名峰です。眺望率の良い初秋頃、日帰りで予定していましたが、休みと天候のタイミングの良さを感じ出かけました。ヤマケイ8月号で三股から常念岳への登りが、北アルプスの急登、No.23で紹介されていたのにも興味が湧き、急遽前倒しして向かいます。今月の初旬は鏡平方面から、槍ヶ岳~穂高連峰のダイナミックな山容を眺めましたので、今回は反対方向の常念岳~蝶ヶ岳から、梓川を隔て槍ヶ岳~穂高連峰を眺めるのを楽しみにして登りました。
今年早くも7回目の山行き車中泊となります。本庄ICから関越高速に乗り、上信越の小諸ICで下り、三才トンネル経由で安曇野方面へと向かいます。三股駐車場(WCと水場あり)へ午後9時過ぎに到着すると、驚く事に8割近く埋まっていました。車中泊らしき車は私を含め5台位ですので、他の車の方々は山小屋泊だと思われます。コンビニ弁当と、角のハイボール500ml×2缶を頂きお休みです。翌朝4時半に起床し、カレーパンとゼリーを頂き出発です。駐車場から10分位林道を歩くと、誰もいない登山相談所がありますので、登山届を速やかに提出して出発です。※WCもあります。

鉄の橋を渡るとすぐに蝶ヶ岳と常念岳との分岐点がありますので、右の樹林帯の中の急登を黙々と標高を上げて行きます。前日の雨の影響で、山道は濡れていて足元は悪く、滑ります。足跡から察して先行者が1名いるみたいです。長く続くジグザグの急登中盤で、先行者の単独ハイカーを追い越して行きます。駐車場から出発した殆どのハイカーは蝶ヶ岳方面へ登ったみたいです。

随所に泥んこの水たまりが出来ていますので、避けながら歩きますが、登山靴は早くも泥まみれになってしまいました。今更、スパッツを付けても仕方ないので、そのまま歩きます。次第に景色が開け始めました

標準点櫓跡(2,207m)が、山道のまん中にあります。見上げると前常念岳が見え、森林限界を越える手応えがしてきます。
再び急坂になります。間もなくしてハシゴを登り平らな岩の上に出ると、一気に広々とした風景が広がります。前常念へ続く明るいハイ松の緑と白い花崗岩が見え、一挙にテンションが上がります。

振り返ると雲海がどんどん上がって来ます。先程まで富士山や南アルプスが見えていましたけれど、富士山もそろそろ見えなくなってしまいそうです。
常念岳から蝶ケ岳への稜線が見えます。写真は常念岳から最低のコル、蝶槍で後方は穂高岳、稜線はかなりな距離に見えます。マウスを合わせると蝶ヶ岳の全容です。
花崗岩がゴロゴロと続く登山道は、ペイントマークが道しるべになっています。ダイナミックな山道と、高度感ある周辺の景色を楽しみながら、爽快に登って行きます。目の前に雷鳥がゆっくり歩いていました。近寄っても人馴れしているみたいで、一切逃げる気配はありませんでした。
古墳のように周辺に石が積んである、前常念避難小屋に到着です。小奇麗なので中に入ってみると多くの部分は石が剥き出しで、小屋と石が一体造りになっているのには驚きです。避難小屋の屋根に続いた地点に一等三角点があります。
ようやく常念岳の山容が間近に迫って来ます。左後方には大キレットが見えて来ました。前常念から常念岳への岩上の尾根歩きはとっても快適で、本日のコースの中で最も爽快且つ、気持ちの良いポイントでした。
ガスが上昇して来ます。前方から、本日2組目の15人位の山小屋宿泊の年配パーティーが元気にやって来ます。皆さん口々に「常念山頂からの景色は最高ですよ」と、言っていました。常念山頂に登山者の姿も見えるようになって来ました。
常念岳と常念小屋への分岐に出て、目の前の山頂へと向かいます。軽装で山頂から下がって来る、数組のハイカーとすれ違います。常念小屋にザックをデポしたのでしょうね。山頂に向う途中、ガスが巻いて来るではありませんか・・・。振り返って常念小屋~大天井岳方面は、早くもガスの中で見えなくなっていました。
8時47分、常念岳山頂に到着です。蝶ヶ岳経由で来た2名のハイカーがいるだけでした。残念ながら穂高連峰~槍ヶ岳にはガスが掛かり始め、槍の穂先は見え隠れしています。30分前までは360°のスーパービューが広がったはずが・・・。※三股Pから3時間47分で到着。
槍&穂高方面は目の前ですが、雲が湧いて槍の穂先にまとわりついています。穂高方面を眺めていると、今年も穂高岳へ登りたくなりましたので、今後の山行き予定にいれようと思います。しばらく様子を見てみますが、一向に雲は取れないみたいですので、蝶ヶ岳へ向かう稜線から振り返りながら眺める事にします。
蝶ヶ岳へ向かう稜線を堺に、東側からガスが登って来ます。右眼下に梓川を眺めながら標高を下げて行きます。蝶ヶ岳ヒュッテ泊のハイカーと続々すれ違います。常念岳への最終登りの急登で、皆さん苦戦をしていました。気さくなご夫婦と話をすると8時頃は最高の景色だったそうです。※気さくな夫婦と三股P手前の林道でまた会う事になります。
巷で評判のニコちゃんマークペイントや、ハート型ペイントに導かれてアップダウンをしながら稜線を下がって行くと、あっという間に最下鞍部まで来た感じです。次第にハイ松道から、ガスの中の森林帯へと突入して行きます。アップダウンを繰り返して進んで行きますが、先ほどの心地よい森林限界の稜線歩きとは別物となります。
山道にはお花畑が数ヶ所有りますので、鑑賞しながらチンタラと歩きます。蝶槍への手前鞍部に、少し濁った水溜りの池塘があります。
鞍部へ下る途中、前方に蝶槍が見えてきました。樹林帯を抜けて森林限界に出ると、トウヤクリンドウが随所に咲いています。
蝶槍が目の前に見えて来ました。巻き道もありますが、もちろん蝶槍へ登って行きます。ペイントのみで、特に山頂標識等はありませんでした。振り返って蝶槍を望みます。次のなだらかなピークが蝶ヶ岳の三角点です。陽気な5人組と同じタイミングで三角点に到着です。
三等三角点(標高2,664.32m)に記念のタッチ!です。山道から少し上がった場所なので、気付かないで通り過ぎるハイカーが多いとか。ふと槍ヶ岳方面を振り返ると、槍の穂先に掛かっていた雲は無くなり、穂高岳~槍ヶ岳の全容が少しの間、見えました。※20年以上前に、国土地理院が蝶ヶ岳最高地点を計測した結果、三角点より約1km離れた「長塀ノ頭」南端が現在の山頂になったそうです。

程なくして横尾との分岐点に出ます。ケルンが点在している山道を進み、丘の上にある蝶ヶ岳方面へと向かいます。
蝶ヶ岳山荘手前のピーク「瞑想ノ丘」で仲良し夫婦がカップラーメンを美味しそうに頂いていました。感じの良いご夫婦と少しの会話を楽しみます。奥さんの笑顔がとっても印象的でした。蝶ヶ岳山荘手前のベンチに座り、槍、穂高方面を眺めながら「山ごはん」です。食べ終わる頃、三角点見学で一緒になった、陽気な小パーティーがやって来ましたので、席を替わる事にします。本日は上高地へ下山し、徳澤ロッチに宿泊するそうです。
蝶ヶ岳ヒュッテの「長塀ノ頭」の南端が現在の蝶ヶ岳山頂(標高2,677m)になっています。山頂でひと休みしてから三股へ向け、下山開始です。
常念岳への登りでは2組しかすれ違わなかったですが、こちらの山道は午後にも関わらず、どんどん登って来ます。標高1,900地点が「まめうち平」です。チーズケーキを頬張り、ひと息です。再び急坂を下がって行きます。
名物の「ゴジラみたいな木」では、山小屋関係者と息子さんが案内表示版を設置していました。多くの登山者から案内表示の設置依頼があったそうです。記念すべき平成24年8月20日にゴジラに似ている枯木が「ゴジラみたいな木」と命名され、知らずに通り過ぎる登山者も無くなると思います。程なくして水場の「力水」をご賞味です。気持ち“力”が湧いて来た感じですが・・・。二股?まで0.8kmの案内表示で力が湧いて来たのでした。
吊り橋を渡り、程なくして鉄の橋を過ぎると、登山指導センターに到着です。三俣駐車場に向け、林道を歩いていると前方に見覚えのある夫婦が歩いています。話をすると蝶ヶ岳ヒュッテ泊で、常念岳直下ですれ違った気さくな夫婦です。日帰りで周回している等の話をしていたので、恐らく私と登山口付近で一緒になるのでは?と噂をしていたそうです。奥さんは常念岳からの下山時、悪路で2回転んだそうです。もう疲れたよ~と、笑いながら言っていました。※持参した5リットルの水分消化は、沢山飲んだ割には3.5リットルで済みました。
15時5分、三股駐車場に帰着です。WC脇の水場で顔を洗い、支度を整え温泉へと向かいます。帰路の鳥川林道では、我が者顔の猿が、平然と林道を歩いていますのでビックリ!です。常念岳&蝶ヶ岳からの下山後は定番の「ほりでーゆ~」へと向かうべく、車を走らせますが・・・。何を思ったか、すっかり忘れて通り過ぎ、R19号線に出ているではありませんか!(;*△*;)! netで日帰り温泉を検索すると、帰り道沿いの「湯多里山の神」がヒットしました。風流な雰囲気で、こじんまりとした施設で湯質も良かったです。露天風呂でゆっくり浸かり、疲れを癒します。(@400)はリーズナブルでした。
 







道中に咲いていた花々です。主に蝶槍手前、森林帯のお花畑に咲いていました。
 おまけ 

 
 常念岳へ登るのは、以前から三股からだと決めていました。
 その訳は、長い眺望の利かない樹林帯抜け森林限界を越えて大石に掛かった木梯子を登ると、
 「一挙に別世界の雄大な景色が飛び込んで来る!」
 と言う趣旨の多くの記事を読んでいたからです。
 大石に掛かった木梯子を登り、
 前常念岳へ続く緑のハイ松と白い花崗岩のダイナミックな景色に圧倒されました。
 前常念を過ぎ、常念岳へ向う天空の稜線は気品があり、
 私的には今回の最大のポイントになりました。

 常念岳から蝶ヶ岳への縦走歩きは、前半は森林限界の眺望の良い稜線で、後半から蝶槍手前まで
 ガスの中の森林帯歩きになります。
 なんとな~く泥濘道が多かったのでダラダラ歩きになりましたが
 その分、メリハリはありました。
 要所のお花畑はガスに覆われていましたが、可憐に咲いていました。
 山頂から槍ヶ岳~穂高岳を眺めると、槍の穂先に雲が掛かり始めてしまい少し残念でしたが、
 無性にあっち側へ(槍、穂高側)再び登りたくなりました。

 天候 晴れのちガス&曇り
 出会った人 三俣から常念岳(少数)+常念岳~蝶ヶ岳(多数)=80人位
 全く当てにならない疲労度:★★★☆☆


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