巻機山

安達太良山 標高1,700m  鉄山 1,710 m  標高差約360m(下り760m) 歩行距離約8.2q 

ゴンドラ山頂駅(11:18)⇒仙女平分岐(11:43)⇒安達太良山(12:20〜12:58)⇒牛ノ背(13:14)⇒
鉄山(13:38〜13:45)⇒くろがね小屋分岐(14:15)⇒安達太良渓谷分岐(15:31)…奥岳登山口(15:45)

 (歩行時3時間42分:全所要時間4時間27分)  am11:18〜pm15:45   コースmap  yahoo地図
那須火山帯に属する安達太良連峰は、磐梯朝日国立公園内の南端に位置し、南から北へ和尚山、安達太良山、船明神山、鉄山・箕輪山、鬼面山と約9kmにわたって連なっています。また、安達太良山は活火山のひとつであり、日本百名山と花の百名山に選ばれています。この主峰である安達太良山は、別名「乳首山(ちちくびやま)」とも呼ばれる標高1700mの山です。万葉集にも歌われ、また詩人・彫刻家として有名な高村光太郎は、「あれが阿多多羅山、あのひかるのが阿武隈川」(樹下の二人)「阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空が、智恵子のほんとの空だといふ」(あどけない話)等を詠み、智恵子のふるさととしても 知られています。鉄山と船明神山に囲まれた「沼ノ平」は明治33年(1900年)の大爆発によってできた直径500mの噴火口で、荒々しい山肌がそそり立ち、月世界を思わせるような不気味な様相を呈しています。東に広がる勢至平・僧悟台には高山植物も多く、初夏には天然記念物の「しゃくなげ」が咲き乱れ、美しい渓流は登山者の心をなごませ、秋の紅葉が終わると山麓一帯は一面銀世界のスキー場となります。安達太良山は四季を通じて楽しむことができる山なのです。※二本松観光協会より
急遽連休が取れましたので、以前から登ってみたかった「安達太良山」、「磐梯山」、「西吾妻山」をゆっくり時間を掛けて堪能する事にしました。初日は優しそうな山名に反して、炸裂噴火口跡が荒々しく残る「安達太良山」へと向かいます。※上記の写真は鉄山から眺める安達太良山へ続くダイナミックな稜線です。
ゴンドラ(あだたらエクスプレス)で標高950mから、一気に1350mの8合目まで登ります。歩いて登れば1時間20分位かかりますが、わずか6分で登ってしまうので楽チン山行きとなりました。
山頂駅からスタートです。「皇太子同妃両殿下行啓記念」の碑が建っています。マーガレット?シャスターデージー?が咲き誇る整備された木道をしばら進んで行きます。
薬師岳との分岐周辺では軽装の人達が、薬師岳への周回コースを楽しんでいます。シャクナゲのトンネルやハイマツ帯を抜けると傾斜がきつくなり、茶褐色の石ゴロ道に変わって行きます。
中間点少し手前の仙女平分岐です。親子連れのハイカー達が、のんびり休憩をしていました。私の頭上をパタパタと音を立てて蝶が飛んでいき、目の前の大石に着陸です。キベリタテハ(黄縁立羽)と言う蝶で、ビロードのような美しい臙脂色と黄色の縁がゴージャストなタテハチョウでした。
山頂までもう少しです。歩きにくい砂っぽい山道で、踏み跡の多い場所を選んで登って行きます。テンポ良く登って行くと、年配のご婦人が、「良い脚してるね!」とお世辞を言ってます。「最近は何処の山登ったの?」と聞かれ、「北アルプス方面!」と答えると、「随分、お金の掛かった脚だね」と笑いながら同行者に冗談を言ってました。
山頂標識に到着です。何故か一番高いピークではなく、その下の広場に山頂標識がありました。岩のピークを登ると私的に安達太良山山頂です。
小高い岩場を登ると山頂です。石祠と「八紘一宇」の標柱と石が積まれた展望指示盤みたいのがありました。10人ほどが景色を楽しんだり食事をしたりで、賑やかな山頂です。本日はなんとな〜く担担麺にしてみましたが、思いの外美味かったです。
山頂より、今から向かう鉄山と沼ノ平方面を眺めます。360度見渡せますが、遠方は少し霞と雲が掛かっています。磐梯山は良く見えています。
安達太良山から稜線を進んで行くと、赤褐色や白茶けた色の稜線を不思議な感じで鉄山目掛け進んで行きます。馬ノ背分岐を過ぎてから本日初めての急登になります。
鉄山を巻いて進んで行くと、前方に鉄山避難小屋が見えて来ます。ピークに上り、少しもどる形で登って行くと三角点があります。さらに進むと絶壁の鉄山山頂です。
鉄山ピーク岩場から、歩いて来た稜線と安達太良山を振り返ります。白や茶色や緑や黒に染まった稜線歩きは楽しく歩けました。
眼下には草木1本生えてない裂火口跡の「沼ノ平」です。深さ150m、直径1kmもあり、荒涼とした月のクレーターのようであると言われています。周囲を炸裂山に囲まれた過酷な殺伐たる所で 「月世界を思わせる広大で荒涼とした沼」とも云われています。右後ろに会津の名峰、「磐梯山」が見えます。
鉄山から下がるのには、一旦避難小屋方面に戻って岩場を巻かなければならないので、山頂から直接岩場を自己責任で下がってみましたが、同行者も難なく下がって来ましたので一安心です。
午後2時少し前ですが、周辺は閑散として人の姿も疎らになっています。馬ノ背を過ぎて眼下に小さく「くろがね小屋」が見えて来ました。峰の辻分岐を「くろがね小屋」を経由しないで、岳登山口へと向かいます。
途中に「友と雪」と書かれた石碑が祀られていました。S39年12月6日、高校生がスキー練習中に岩に激突し大怪我して4週間後に亡くなり、翌年の夏に当時のアルペン隊仲間が建てた「友と雪」の慰霊碑です。右には篭山(1548m)が見えます。樹林帯の中に入り、くろがね小屋からとの山道と合流すると幅広の林道になります。要所は旧道でショートカットして下がって行きます。
帰路はゴンドラを使わないので、それなりに少しは歩いた感じになります。安達太良渓谷自然遊歩道との分岐を過ぎ、しばらくすると「あだたらエクスプレス」の駐車場に午後3時45分に帰着です。
桧原湖から眺めた明日登る磐梯山を眺めます。本日は磐梯桧原湖畔ホテルでゆくり温泉に浸かります。




道中に咲いていた花々です。
おまけ

 安達太良山と言う優しいそうな山のネーミングと、ゴンドラで1年を通して容易に登れそうな標高1,700mの山
 と云う大人しそうな印象が強かったので、登る前と登った後の印象は全く違いました。
 峰の辻入口付近から森林限界を越えた周辺の景色を眺めると、明治の噴火から出来た異様でダイナミックな
 景色が広がり、火星を思わせるような色彩が目に入り圧巻でした。
 鉄山まで足を伸ばしたのも幸いして、草木1本生えてない裂火口跡の「沼ノ平」を眼下にじっくり眺められ
 気分爽快でした。

 コース的にもメリハリがあり、流石は百名山の一座だと、やけに納得しました。
 本当は紅葉時期に予定をしていましたが、折角の連休ですので会津周辺を、観光気分でのんびりと
 過ごして歩きたくなりました。
 明日は楽しみにしている磐梯山と浄土平を予定していますが、天気予報は生憎雨が降るみたいです。

 天候 曇り、時々晴れ
 出会った人 35人位
 全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆

●トップページヘ   ●前回へ  ●次回へ  ●登山のページへ