快晴の白毛門(クラックだらけの修羅場門)2014 3 24


白毛門  標高1,7.20m   標高差約1,081m  歩行距離約7.2km

行程:土合駅手前駐車スペース(7:58)⇒谷川連峰馬蹄形概要図看板(8:10~8:22)松ノ木沢ノ頭(10:37~10:58)⇒
白毛門山頂(11:40~11:50)⇒松ノ木沢ノ頭(12:51~13:23)⇒谷川連峰馬蹄形概要図看板(15:00)⇒土合駅手前(15:15)
(歩行時間6時間02分:全所要時間7時間17分) am7:58~pm15:15  yahoo地図 

景色を楽しみながらゆっくりしましたので、時間は参考まで!

湯檜曽川をはさんで谷川岳の向かいにある白毛門は、谷川岳の東壁を一望できる絶好の展望台です。白毛門の名前の由来は積雪期の山容からきています。ジジ岩、ババ岩が雪で氷門のようになり、山頂付近が白髪頭のようにみえるためにその名がついたといわれています。谷川岳の西黒尾根に引けを取らない急登が続く人気のコースで、馬蹄形縦走コースの基点となる健脚向けです。更に積雪時は直登りコースになる為、体力を要します。
厳冬期を過ぎてしまった谷川連峰の西黒尾根に登ろうか、それとも真っ白に染まった山容の白毛門に登ろうか?と迷った挙句、谷川岳の絶景を望めるスーパービューマウンテンに決めました。白毛門は昨年の10月18日、谷川連峰馬蹄形縦走以来5ヶ月振りになり、今回で6回目の訪問になります。本日は予想以上の晴天に恵まれ、著しく気温が上昇しました。厳冬期を過ぎた雪の白毛門の下山は、ゆるゆるでドキドキ状態でした。思い起こせば3年前の夏、山頂付近昼食を頂こうと思いきや、雲行きが一挙に怪しくなり、ど肝を抜く夕立で、落雷を避けながら急流の川となった登山道を必死でチャッチャカ下がりました。恐怖の修羅場門でした。今回も修羅場門になるのでしょうか? ※山頂付近の写真はレンズに水滴が付いたみたいです。
 
 デジブックで編集しました。(注!再生するとBGMが流れます)
白毛門登山口の土合橋駐車場は積雪で入れませんので、土合駅線路脇の空きスペースに車を止めスタートです。MAX土合ベース横の、土合橋駐車場入口に積もった雪を乗り越えて行きます。
雪に埋もれた駐車場にはトレースが真っすぐ伸びています。最初は「驚き!」、今では「親しみ」の『谷川連峰馬蹄形概念図』手前で、12本アイゼンを装着します。東黒沢に架かる雪でナイフリッジ化した赤い小さな鉄橋を渡ります。
雪景色に染まった情緒ある東黒沢をしばらく眺めます。夏コースでは右に進路をとりますが、左に進路を取り、後は真っすぐ尾根伝いに直登りして行きます。トレースも数人分あり、締まった雪質ですのでアイゼンの爪が良く利きます。
谷川岳側の西黒尾根水場上部に小さく聳え立つスチールタワーのアップです。西黒尾根には多くのトレースが付けられているのが確認できます。標高を上げて行くと谷川岳が良い感じで見えて来ます。
ヒノキのウロらしき木がありますが、積雪が多いのでヒノキのウロかは定かではありません。白毛門沢の滝も雪渓の間から見えます。樹林帯の尾根コースは、積雪時限定のふかふか歩きになっています。
眼下に谷川ロープウェーイの山麓駅と、上には山頂駅です。この時期は天神平スキー場は静かなスキー場となり、閑散としています。
樹林帯ポイントを抜け、ようやく松ノ木沢ノ頭と白毛門が姿を現します。この先は、最近苦手になった雪庇が発達しているようです。(先日、黒檜山猫岩先で雪庇ごと落ちたので!)
新しいアイゼン跡が二人分確認できますので、どうやら貸切ではなさそうです。雪庇に近づかないよう、先行者のトレース跡をおとなしく辿る私でした。振り返ると同行者も雪庇側から著しく離れて登って来ます。
谷川岳の絶景が広がる、松ノ木沢ノ頭に到着です。白毛門方面を見上げると二人の先行者が下がって来る姿が見えます。この先は狭い雪庇ゾーンですので、休憩方々下がって来るまで景色を眺めます。谷川岳方面では、雪崩らしき音がしていますが・・・。
最初に下がって来た左の高崎市の先行者としばらく会話です。谷川岳馬蹄形及び主脈縦走、早月尾根、黒戸尾根等の日帰りをこなしている健脚者でした。気温上昇で山頂方面はクラックしている箇所があるそうです。後から降りてきた右の方はヤマレコユーザーの方で、とっても爽やかさんでした。後ほど私も何とな~くポーズ!アレ!こんがり焼けてます。
振り返って、通過して来た雪庇を眺めます。著しく気温が上昇しているのが気になりますが、迷わず山頂へ向かいます。
一ノ倉沢に発生した雪崩跡です。標高を上げて行くと雪屁の先はクラックしていますので、ハラハラドキドキ走行になります。
クラックが発達してクレパス状態になり、登山道は寸断されていますので、狭げな場所を跨いで通過です。
白毛門名物、ジジ岩&ババ岩です。積雪期限定、急斜面の直登りで標高を上げて行きます。雪質は大分緩くなって来ましたので、下山時は難儀しそうです。
七ッ小屋山と笠ヶ岳が見えて来ました。山頂直下の鎖場は風当たりが強い為か、岩場には雪は余りありません。
振り返って!背後に谷川岳のダイナミックに広がる風景が迫ってきます!
11:40分、白毛門山頂に到着です。山頂標識は埋もれ、分岐標識だけが確認できます。少し先に進んで行くとここでもクラック!
笠ヶ岳へ続く稜線は未踏のノントレース状態です。                燧ヶ岳~至仏岳~小笠-笠ヶ岳
            一ノ倉岳~茂倉岳~武能岳                        武能岳~七ッ小屋山
クレパスの開いた危なげな北側より、白毛門山頂と谷川岳~一ノ倉岳~茂倉岳を望む
再び白毛門山頂より、谷川岳(トマの耳-オキの耳)一ノ倉岳~茂倉岳   茂倉岳と武能岳の間に苗場山~神楽ケ峰~霧ノ塔
先ほどから谷川岳方面より不気味な音が響いています。一ノ倉岳直下の堅炭尾根では小雪崩が発生しています。クラックが広がり、大雪崩が起きるのは時間の問題みたいです。
緩んだ雪は手怖く、ピッケルを挿しながら、後向き姿勢で急斜面を下がって行きます。滑ってしまえば谷底まで滑落してしまいそうです。眼下は、先ほどよりクラックが広がった危険地帯です。
クレパスに落ちたら這い上がれそうもない深さなので、一息に飛んで横断します。この先も、至る場所にクラックが発生しているので慎重にコースを選びます。
次第に雪がゆるゆる状態になって行くので、下るのには勇気がいるようになって来ました。同行者は雪庇に落ちた事がないので、少し余裕の表情です。
ゆるゆる雪の雪庇地帯は、気持ち早足で通り抜けます。
松ノ木沢ノ頭まで下がって来れば一安心ですので、毎度の昼食(カレーヌードル、おにぎり、塩大福)を頂きます。
      視界良好の至仏岳~小笠-笠ヶ岳                         上州武尊山
振り返って松ノ木沢ノ頭~白毛門。  落とし穴連発の樹林の上の樹林帯に入ります。
谷川が照かっているように見えます。先程マチガ沢直下で発生した小雪崩です。こちら側から見ると、ゆっくり雪崩落ちて行くのが確認できました。
眼下に登山口付近の東黒沢と雪に埋もれた土橋駐車場です。先ほどよりヘリコプターが馬蹄形縦走のような飛び方で数周まわっています。滑落?雪崩?事故???
朝の締まっていた積雪はゆるゆる雪に変わり、余計な体力を要しながら下がって行きます。東黒沢を渡り、無事下山完了です。
振り返って武能岳。MAX土合ベースへ着地して速やかにアイゼンを外します。
 
土合駅手前まで向かう車道の雪融け地帯に、ふきのとうが沢山ありましたので嬉しい限りです。シーズンオフなのか、大変静かな湯テルメ谷川でゆっくり温まります。
おまけ

 今回で6回目になる白毛門(日帰り馬蹄形3回)は歩きなれたコースですが、積雪時は初めてです。
 夏コースとは違い樹林帯歩きでなく直登りで、
 最初から笑っちゃうほどの急登が続くので、違う山を登っている感じがしたくらいです。

 天候に恵まれすぎ、予想以上の気温上昇でしたので、終始ジャケットはザックの中!
 厳冬期を過ぎた雪の白毛門の下山は、ゆるゆるでドキドキ状態でした。
 
 谷川岳方面より、時折雪崩らしき音がしますので、アップで覗いてみると、雪崩跡が数か所確認出来ます。
 最後は谷川のミニ雪崩の瞬間を目撃する事となり、この場所で雪崩れたら!と心配になります。

 ジジ岩・ババ岩の周辺はクラックしている箇所が多くありましたので、雪崩てもおかしくない位でした。
 残雪が落ち着くまで、クレパス、雪崩等の危険は拒めないので、しばらくは修羅場門です。
 雪解けまでは、近寄り難いと実感しました。

 思い起こせば3年前の夏、山頂付近昼食を頂こうと思いきや、一挙に雲行き怪しくなり、
 ど肝を抜く夕立で落雷を避けながら、急流の川化した登山道を必死でチャッチャカ下がりました。
 これが最初の修羅場門でした(笑)

天候 : 快晴 (日焼が凄かった)
 出会った人:松ノ木沢ノ頭でお会いした元気な2名
 全く当てにならない疲労度:★★★☆☆

※後日夜間にワンコの散歩中、歩道の段差につまずき、左膝の靭帯を捻り負傷してしまいました。
  悲しい事に医者通いとなってしまいました(>_<)

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