晩秋の高岩 (南軽井沢)  2013 11 22

高岩(奥妙義) 標高:1,084m   標高差約264m   歩行距離約4.8㎞  (高岩山とも呼ばれています) 

行程:恩賀車道(R92)駐車スペース(9:55)⇒恩賀登山口(10:07)⇒御嶽大権現(10:19)⇒鞍部(10:41)⇒
雄岳山頂(10:57~11:06)⇒雄岳北峰(11:13)⇒鞍部(11:28)⇒雌岳P1(南峰)(11:38~11:40)⇒
雌岳P2(本峰基部)(11:46~11:50)⇒雌岳P3(北峰)(11:53~12:00)⇒分岐(12:07)⇒
展望台(12:11~12:21)⇒分岐(12:25)⇒ロープ下がり(12:38)⇒
NHKアンテナ(12:44)⇒八風平キャンブ場入口(12:54)⇒駐車スペース(13:15)

 (歩行時:2時間48分 全所要時間3間時間20分)  am9:55~pm:13:15  yahoo地図  コースmap
碓氷軽井沢インターから見上げる岩峰群は、日本離れした景観を目にすることができる。 アプローチが短いわりには変化に富み充実したコースを楽しめる。専用駐車場が無く、コースガイド地図も鮮明では無い為、静かな山行が満喫できる。群馬県と長野県の境にある和寿峠の東部に位置し、標高1000メートル余りの双耳峰だ。雄岳・雌岳とに分かれ、展望は素晴しい。しかしこのコースは、上級者向きになっており、雄岳直下の22mの鎖はチムニー状の岩場を登らなければ山頂には立てない。道標はわずかにあるが、余り整備されていないので経験者の同行が望ましい。※軽井沢観光ガイドHP参考
上信越高速道を通った事がある方なら、碓氷軽井沢IC正面にそびえ立つ岩峰を目にした人も多いはずです。それが上信越高速のトンネル上に位置する高岩です。高岩は雄岳、雌岳の二峰から成っています。雄岳へに登るのには、垂直三段チムニーの鎖場が待ち受けている、手強いコースになってます。しかしながら歩行時間は短く、1時間ほどで雄岳の山頂に立てます。

碓氷軽井沢ICを下りて、最初の信号を右に進みます。恩賀集落方面へ100m位進んだ広い路肩に駐車しました。駐車スペースより歩き出すと上信越高速ICが右眼下に見えます。恐らく5、6台は置けそうなスペースです。※IC最寄りの駐車場は「釜飯のおぎのや」の駐車場ですので登山者は置けません。歩き出してすぐ、右眼下には上信越高速が見えます。
 
わき道に入ったりしながら、 しばらく紅葉観賞を楽しみながら歩きます.。
   
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しばらく紅葉観賞を楽しみながら歩きます。案内看板に従い、左の車道に入ります。付近は見事な紅葉真っ盛りです。
午前中は嬉しい快晴の予報です。眩い光を浴びて紅葉が映えています。村道では農家のおばさんが、落葉を竹箒で掃いています。なんとな~く、長閑な光景です。
恩賀集落に入って行くと、高岩と鉄塔が見えて来ました。少し進むと2台ほど置ける駐車スペース(マウス合わせた写真)があります。ピストン行程の方に良く利用されているみたいです。しばらく進むと、分かり易い登山口標識がありますので、左の山道へと入って行きます。しっかりりした案内板がありますので、登山口まで迷う心配はありません。
最初は落葉の積まれた樹林帯の中を登って行きます。見上げると色づいた樹木の葉が見え、すぐに左下からの道と出会います。コンクリート跡が疎らに露出していましたので、かつては林道だったのでしょうか?黄色い案内標識に従い右に進路を取ります。
大岩の下に祀られた「御岳大権現」が祭られています。祠は昔、地元の信仰登山の対象だったようですが、現在では崩壊寸前になっていました。この先の岩の上にも「周光霊神」と刻まれた石碑があります。
 
祠を過ぎると、落葉に埋もれて歩きづらい急登が続きます。弱点の脹脛を必要以上に引っ張られるので、石の上に座り、マッサージ休憩を余儀なくされました。やがて沢沿いの道に変わり、左頭上には雌岳がそびえたっているのが見えます。
 
鞍部へ向かう沢筋は急登ですが、落ち葉が少なく岩が露出していますので、私的には歩きやすくなって来ました。鞍部の尾根より右の雄岳へと、落葉を踏みながら登って行きます。岩壁に棚道を少し進むと通れませんので一旦戻り、抉れた岩を下りてから登り返すと楽に通過出来ました。先ほどから頭上で話し声は聞こえています。先行者のデポザックは4つありました。手前にザックをデポして、目の前の基部へ移動です。
 
岩壁を回り込むと、鎖の下がったチムニーが現われます。下から見上げると鎖の取り付きの全容は見えませんが、3段の鎖がある高い岩壁のようです。いきなり垂直の鎖の登りですが、きっかけになるのホールドがあるので、足を掛けながら慎重に登って行きます。テラスがありますのでひと息入れます。
2段目は鎖だけを辿って登って行くと岩壁に挟まれるので、三点支持確保で通り抜けやすい場所から登って行きます。3段目基部にあるテラスで、同行者が登って来るのを待ちます。ひと息入れてから、最難所といわれる3段目の鎖場です。最後のVカットになっている、狭い鎖場を登ります。チムニーの中では体が突っかかるので、外にスタンスをとってホールドを確保しながら登ります。しばし同行者が登って来るのを上で待ちます。
 
コルから右の雄岳主峰へ向かいます。先ほどから聞こえていた話し声が大きくなって来ました。雄岳山頂には太田市よりお越しのベテラン4名(内女性1名)が寛いでいました。眼下に出発地点の碓氷軽井沢ICが見えます。5人では窮屈な、小さなピークの頂きです。
眺望は絶景の一言です。雌岳の後方にはうっすらと白い浅間山です。手前から雌岳南峰のP3、本峰のP2、北峰のP1です。雌岳本峰の(P2)には、ザイルが無ければ登頂出来ないみたいです。
やがて山頂は貸切になります。てっぺんの岩の上から下を覗き込むと、吸い込まれそうな高度感です。碓氷軽井沢ICのアップです。途中で悪戦苦闘していた同行者が、ようやく山頂に到着です。
山頂は爽やかな風が吹き付け(少し寒いですが)、気分爽快です。榛名山の右後方には赤城山です。裏妙義の岩峰群~谷急山。八ヶ岳方面には雪雲が掛っています。そして、隣のピークの北峰へと向かいます。
 
同行者はゆっくりチムニーを下がって行くそうなので、北峰はパスだそうです。チムニー上部の分岐を左に進み北峰へ登って行きます。先ほどの4名はザイルを使って登っていますので少し渋滞モードでした。北峰には摩利支天と刻まれた石碑がありましたので、速やかに写真を撮って戻ります。同行者は2段目の鎖を下がっていました。
雌岳との鞍部に戻り、そのままP1へ雑木林の急斜面を登ります。雄岳に洞窟みたいな穴が見えますので、何なのか?気になります。P1の岩峰は難なく登れますので、見掛けと違って少し拍子抜けです。
 
振り返ると雄岳側はスリリングな絶壁です。先ほどのグループが2段目のチムニーのテラスにいるのが見えます。こちらに気付いたらしく、手を振ってくれました。
雌岳本峰の(P2)には鎖は無く、クライマー向きです。岩峰基部に行くには、左右に切れ落ちたナイフリッジを通過しなければ行けません。取りあえず基部までいってみます。垂直の岩壁に数本のリングボルトとボルトが打ち込まれています。リングボルトを掴んで少し登ってみましたが、先の行程を考えると、登攀用具なしでは「無理!」です。例え登り上がったとしても、絶対に下りて来られません。(気合だけの私)
 
そして最後の雌岳の北峰(P3)に到着します。まずは基部右の隙間からは覗く「名物、のぞき浅間」です。北峰(P3)へは簡単に登れます。周囲は切り立っていて、あまり落ち着ける場所ではありません。
 
狭いですがピークに立てます。後方は榛名山~裏妙義~谷急山。石尊山の右には、軽井沢に繋がる道筋と茶色く染まった紅葉が目を引きます。
雌岳北峰を越えると葉の落ちた明るい雑木林の山道です。「八風平キャンプ場 」の道標を右に少し進んで、展望台を目指します。展望台を過ぎるとやせ尾根になります。2段の大岩に登りってからもう少し先に行きますが、落ち着かないので戻ります。大岩に腰を掛け、雄岳を眺めながら、おにぎり弁当を頂きます。同行者と会話をしていると、何故か急に関所食堂のラーメンを食べたくなったので、カレーヌードルは持ち帰りにします。
 
榛名山~裏妙義の岩峰群~谷急山~ギザギザの稜線を少し覗かせた表妙義。眼下には上信越道高速道の横川サービスエリア手前の大橋が見えます。後方には榛名山。
丁度、太陽が雲に隠れました。一瞬真っ青に染まった空とシルエット状態の雄岳です。「八風平キャンプ場 安中山の会」の道標に戻り、分岐を右の山道へ下がって行きます。
 
トラロープのある岩場を下がって行きます。ロープを過ぎるとザレているので、足元に注意を払います。NHKのアンテナ群を過ぎると、明るい雑木林の中の緩い下りです。
 
立派な松が数本そびえたっています。赤松も1本ありました。 やがて林道と合流すると「高岩→安中山の会」と書かれた道標がありました。少し下がると駐車スペースがあり、幹線道路の広い車道に出ます。
 
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眩い紅葉がお出迎えをしてくれました。軽井沢からの車道には、ブレーキが効かなくなった時の緊急退避場所があります。逆回りでの行程では、八風平西登山口の目印になりますね。車は北側の登山口に入った場所に数台置けます。※緊急退避場所前の駐車は危険です。
 
行き交う車に注意を払いながら、碓氷軽井沢ICへ向けて歩いて行きます。振り返って見上げれば、雄岳と雌岳の岩壁が粛然とそびえたっています。
おぎのや軽井沢インター店「峠の釜飯」の大きなオブジェが目を引きます。(幼少の頃、家の庭には釜めしの器が、植木鉢として再活用されていた事を思い出します)信号を左に進むと、駐車した車が見えて来ました。
 
帰路は関所食堂経由ですので、入山川沿いの道(R92)を下って横川へと向かいます。途中のビューポイントで車を降りて、しばらく長閑な風景を見て和みます。恩賀や下平の集落では、閑静な風景の中に聳える凛々しい高岩を眺める事が出来ます。
 
碓氷峠関所跡手前、旧18号沿いにある「関所食堂」に久し振りの訪問です。いつ食べても懐かしく感じる、昔ながらの美味しいラーメンです。お気に入りの上増田温泉「砦の湯」の素晴らしい源泉かけ流しの温泉は、いつ入っても落ち着きます。欲を言えば私的に火事になる前の小じんまりした施設の方が、情緒を感じた次第です。


おまけ

 高岩の鎖場は、雄岳への鎖場一箇所しかありませんが、チムニー状の岩場が障害物的な要素を持っていますので、
 登ってみた感じは表妙義上級コースの白雲山鎖場より、単発的な鎖場の難易度は高かったと思います。
 クライミング装備を要する雌岳(P2)を除外として、私的に上級コースに位置すると思います。
 しかしながら雄岳のチムニー以外のコースはごく普通の山道ですので、距離も短く楽々歩けます。

 ガイドブックで紹介されている東登山口は今現在無くなったようですので、注意が必要です。
 高岩への登山口は、恩賀登山口と八風平キャンプ場西登山口の二つとなっています。
 歩行距離が短いので、周回コースでゆっくり景色を楽しみながらがお勧めです。
 

 ザイル等の登攀用具は持ってませんので、何れは簡単な登攀用具を揃えて、
 雌岳本峰(P2)へ、晴天の日に登ってみたいと思います。

天候:晴れ
出会った人:ザイルを背負った太田市よりお越しの、元気な4名グループ
全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆ 

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