初冬の谷川岳(天神尾根~奥ノ院) 2013 11 29


トマの耳 標高1,963.2m オキの耳 標高1,977m 標高差約468m  歩行距離約6.8km

行程:天神平(8:55)⇒熊穴沢避難小屋(9:40~9:52)肩の小屋(10:58)⇒トマの耳(11:10~11:18)⇒
オキの耳(11:42~11:47)⇒
奥の院(12:00~12:13)⇒トマの耳(12:27)⇒オキの耳(12:47~13:11)⇒
肩の小屋(13:16)⇒熊穴沢避難小屋(14:10~14:15)⇒天神平(14:52)

(歩行時間4時間50分:全所要時間5時間57分) am8:55~pm14:52   yahoo地図 map(pdf) 
景色を楽しみながらゆっくりしましたので、時間は参考まで!
谷川岳は群馬と新潟の県境をなす三国山脈中部にある山です。山頂はトマの耳(1963m)とオキの耳(1977m)の2峰に分かれ、遠望するとネコの耳の形に似ていることから〈双耳峰〉とも呼ばれています。標高は2,000mにも満たないが、急峻な岩壁と複雑な地形に加えて、中央分水嶺のために天候の変化も激しく、山頂付近の晴天率は低いです。気象の厳しさから標高1,500m付近が森林限界となるため、比較的低い標高でも夏には高山植物が観察できます。冬は早い時期から厳冬に入るため、何処の山より真っ白な山容に変わります。ロープウェイを使っての一般コースの谷川岳(トマの耳・オキの耳)までの天神尾根コースは、シーズンに入ると首都圏から近いこともあって、多くの登山者が訪れます。
谷川岳は今年に入って3回目の訪問になります。先月の10月18日は白毛門からの「日帰り馬蹄形縦走コース」で、谷川連峰を堪能しました。昨年の11月25日に続き、「初冬の谷川岳」へ訪問です。当初は西黒尾根からと思いましたが、同行者がいますので安全を取って天神尾根コースからのスタートです。積雪の様子を見ながら茂倉岳を目標としましたが、厚い雪庇に阻まれましたので、奥の院で慎重にUターンです。
 デジブックで編集しました。(注!再生するとBGMが流れます)
関越高速赤城高原SA (下り)の展望台より眺める谷川岳です。本日の午前は、視界良好の晴天になりそうです。慰霊塔広場の駐車スペースは工事中の為入れませんので、谷川岳RWベースプラザ駐車場(500円)に駐車です。念押しで「西黒尾根から登らない?」と同行者に声を掛けますが、即、却下されました。切符売り場でJAFの会員証を見せると、ロープウェイ代金が割引きになります。往復キップ(@1900)を買ってスタートです。貸切キャビンに乗り、貸切の天神尾根に到着です。スキー場はオープンしていませんので閑散としています。尾根には数人分トレースがあります。天神平より眺める白毛門には積雪はありませんでした。
天神平は予想とは違い積雪が少ないので、ノーマルで歩いて行きます。可愛い氷柱を触ると良い感触です。天神峠からの分岐は雪で覆われています。風通しの悪い樹林尾根では、ジャケットを着ているとサウナ状態です。
積雪は締まっていて、意外と歩きやすいので嬉しい限りです。熊穴沢避難小屋までノーマルで歩いて来ました。ここで12本アイゼンを装着します。ついでに薄手のジャケットに着替えます。
避難小屋すぐの岩場は積雪が無く、アイゼンの爪を引っ掛けながら登って行きますので調子抜けです。やっと、尾根まで登って来ました。振り返ると馴染みの赤城山が見えます。更には富士山まで見渡せます。なんだか気分が高まって来ました。

先行者の姿、5名全員が見えます。積雪は多くなり、新雪歩きに変わって行きます。良く見ると可愛い氷柱が成形中です。

 「天狗の留まり場」が見えて来ました。深夜降った雪が樹氷になっています。次第に素晴らしい景色が広がってきます。
うぉ~!頭上に戦闘機が!!戦闘機は谷川を二周旋回しています。爆音を上げ真近に迫って来ますので、まるで映画で見るような迫力です。慌ててカメラを出して、何とか収めました。

先ほどより、富士山が心持ち大きく見えて来た感じがします。先行者のトレースがあるので幾分か歩きやすいので助かりました。ピッケルを背負っていますが、新雪ですのでここでは全く活躍はしていません。
オジカ沢の頭と俎嵒(マナイタグラ)のカッコ良い山容が見えます。肩の小屋をスルーして、山頂へと向かいます。肩の小屋は現在営業を終えて、避難小屋として活用されています。ようやく素晴らしい絶景が広がるポイントまで登って来ました。
分岐塔が凛々しく聳え建っています。本当は登りたかった西黒尾根が眼下に見えます。因みに西黒尾根にはトレースはありませんでした。
トマの耳へは新しいトレースを付けて、一直線の最短距離で登って行きます。「トマの耳」に到着です。山頂は風通しが良いので寒くなります。厚手のジャケットに着替えて防寒帽子を被ります。
トマの耳からの素晴らしい景色です。正面にはオジカ沢の頭と爼嵓(まないたぐら)の豪快な山容が見えます。オジカ沢の頭の後方のほぼ直線状に万太郎山と仙ノ倉山が見え、右奥には苗場山も見えます。
苗場山です。後立山連峰の白馬岳方面には雪雲が掛かっています。 右の写真は四阿山~草津白根山方面です。
オキの耳と、後方は一ノ倉から茂倉岳です。素晴らしい景色を楽しみましたので、隣のオキの耳へと向かいます。
トマの耳直下の素晴らしい吹きつけ樹氷です。本日初めての登山者とお会いします。後で分かりましたが、とっても爽やかなヤマレコのスーパーガールの「miyucchi」さんでした。先行者は男性4名だけの情報を頂き、「オキの耳」へと向かいます。
 
鞍部より振り返ってトマの耳です。途中でお会いした千葉からお越しのナイスなお二人さんにスマートフォンでの写真撮影を頼まれましたが、白銀の世界の為、液晶が光って、良く撮れませんでしたm(_ _)m
 
        鞍部の吹きつけ樹氷、その1                        鞍部の吹きつけ樹氷、その2
 
「トマの耳」と「オキの耳」で、手を振りあっていました。千葉からお越しのナイスなお二人さんは左の写真の「トマの耳」で手を振っています。やがて「オキの耳」から下がって来たナイスなお二人さんとすれ違い、以後、貸切になります。
吹き付け樹氷を見ながら登って行くと「オキの耳」に到着です。後方は雪庇ですが、ギリギリ近付いて東尾根とマチガ沢を見下ろしてみました。(怖ゎ!)
 
朝日岳~笠ヶ岳~白毛門方面です。平ヶ岳~会津駒ケ岳~景鶴山~燧ケ岳~至仏山も見渡せます。
 
    景鶴山~燧ケ岳~至仏山               日光白根山                    皇海山
           大源太山                  巻機山                    越後駒ヶ岳~中岳
 
左から「茂倉岳」~「一ノ倉」。手前が「奥の院」です。小動物の足跡が疎らについています。
「オキの耳」から先はトレースは無く、雪庇が張り出していますので注意が必要です。「奥の院」に到着です。頭上のピークに登り、しばらく絶景を眺めます。

 
眼下に「奥の院」の鳥居と後方にはオジカ沢の頭と爼嵓、万太郎山と仙ノ倉山。右の写真は一ノ倉岳、眼下にはノゾキの岩壁です。
 
ピークの雪庇にはウサギらしい足跡があります。危うく落ちそうになったのでしょうか? 奥の院より先は雪庇も大きくなり、ラッセル歩きを強いられて茂倉岳までは行けそうもありませんので、慎重にUターンです。

「奥の院」より眺める「トマの耳」です。「オキの耳」まで直線状に来た道を戻って行きます。沢山のうさぎらしい足跡が、健気に付いていますので、なんだか和みます。

折角ですので名もないピークに登り、もう一度、景色を楽しみます。昨年歩いた「谷川岳主稜線」は白銀の世界です。「オジカ沢」の頭の後方に「万太郎山」、更に「仙ノ倉山~「平標山」が見えて、気分が高まります。
 
注意を払って雪庇に近づきます。迫力のある素晴らしい雪庇が張り出しています。そして、「オキの耳」と「トマの耳」をダブルで望みます。
上空は雲に覆われ始めますが、依然と視界は良好ですので何よりです。少し陰って寒くなりましたので、「トマの耳」でおにぎりランチと、熱々のカレーヌードルを美味しく頂きます。肩の小屋でひと息入れて、下山開始です。
予報通り、午後から雲が纏わりついて来ました。本日最後のソロ男性が登って行きます。丁度10人目になる登山者です。谷川岳を横断する、日本一の長さを誇る関越トンネル(11,065m)の空気孔が見えます。眼下は水上温泉街です。
鎖場は無積雪で岩が露出していますので、早めにアイゼンを外して下がります。しかしながら雪と岩とのバランスが悪く歩きにくかったです。標高を下げて行くと暖かくなって来ましたので、熊穴沢避難小屋で薄手のジャケットに着替えます。
誰~もいない、閑散とした天神平に帰って来ました。 ロープウェーイはもちろん豪華貸切状態です。本日は定番の日帰り温泉「湯テルメ谷川」でゆっくり温まります。

 おまけ 
 
 初冬の谷川岳に1年振りに登りました。前回(11/25)同様、晴天率の低い谷川で素晴らしい晴天に恵まれましたので、
 お天道さまに感謝、感謝です。

 西黒尾根から登りたかったのですが、同行者がいますので安全を取って天神尾根よりのピストンでした。
 しかしながら早目に山頂に到着出来たので、雲が掛る前に谷川岳の眺望を楽しめました。

 熊穴沢避難小屋にて12本アイゼンを装着しましたが、雪に埋もれているはず…。
 と思った途中の鎖場は無積雪で岩が露出しており、歩きにくかったです。
 ザックに背負ってあるピッケルは、最後まで使うほどの雪質ではありませんでした。

 奥の院より先は雪庇も大きくなり、ラッセル歩きを強いられます。
 茂倉岳までは行けそうもありませんので、慎重にUターンです。
 途中、雪の上に沢山のうさぎの足跡があり、
 うさぎとの遭遇を楽しみにしていましたが、残念ながら会えませんでした。
 うさぎも奥の院の崖ふちでUターンした様子がうかがえました。

 下山後は「鈴森の湯」か「湯テルメ谷川」と迷いましたけれど、
 本日は混む可能性が少ないので、久し振りに「湯テルメ谷川」へ向かいました。
 

 天候:晴のち曇り
 出会った人:10人
 全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆

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