大持山(1,294m)  小持山(1,273m) 武甲山(1,304m)     秩父郡 横瀬町

行程  生川一の鳥居駐車場(10:00)⇒妻坂峠(10:35〜10:42)⇒大持山(11:38)⇒小持山
(12:10〜:12:26)⇒シラジクボ(12:50)⇒武甲の肩(13:10)⇒武甲山山頂(13:15〜13:30
大杉の広場(13:53)⇒生川一の鳥居駐車場(14:24)
  ・標高差約786m 歩行距離約10.3km

(歩行時間3時間46分:全所要時間4時間24分) am10:00〜pm14:24   yahoo地図  コースmap

歩行時間は単行動につき、調子や気分によって違いますので参考にはなりません
武甲山はその異様な山容から、奥武蔵や秩父周辺のどこから見ても山名を言い当てることのできる山です。山頂付近まで削り取られた痛々しい山肌は、山体の北半分が石灰石で出来ているために背負わされた宿命だったのでしょう。採掘は、大正時代から始まり、昭和40年ころから急速に山容を変えてきたそうです。秩父側から見るその山容は、いまだ堂々として、奥武蔵の主にふさわしい存在感を示しています。
ヘルニアの影響で左足の痛みが1ヶ月以上続き、ブロック注射や点滴注射で、多少回復してきました。処方された薬を飲んで慣らし歩きに、馴染みの武甲山へと向かいます。武甲山と大持の周回は2年振りですが、今回は逆回りの妻坂峠から登ります。生川から整備されたコースで一挙に武甲山へ標高上げる左周りと違い、妻坂峠からの右回りの方が体力を使う感じがしました。※小持山からは無傷の武甲山が眺められ、とっても“嬉し、懐かし”の感じがしました。
変わらずスケールの大きいセメントの工場群は、要塞みたいです。※そうです!ポレポレ隊でお馴染みの“秘密基地”なのです。舗装が終わり、林道に入ると生川登山口周辺は道路工事をしていました。

2年前から新しい鳥居に変わり、駐車場も広くなりましたが、トイレはありません。ここが石標の1丁目の生川登山口で、登山届ポストが設置してあります。駐車場には工事車両も含め8台置かれていました。いつもでしたら武甲山へ向かって林道歩きですが、今回は鳥居を出て、逆方向の妻坂峠経由で向かいます。林道を2回横切り、少し荒れ気味の山道を登って行きます。丸太が並べられたぎこちない橋は、安心な橋に変わっていました。

生川から30分少々で妻坂峠に到着です。武川岳は目の前ですが、足腰の具合と相談して残念ながら大事をとってパスする事にしました。妻坂峠は鎌倉時代から歴史のある峠で、戦国武将畠山重忠の伝説があります。昔は秩父と江戸を結ぶ重要な交易路のひとつだったみたいです。このお地蔵さんは、多くの人々を昔から眺めていたんでしょうね・・・。
妻坂峠で一休みしていると、爽やかな単独男性が武川岳から下がって来ます。話をすると、名栗を出発して武川岳から二子山経由の予定が、間違ってこちらに降りて来てしまったそうです。急坂で武川岳へ戻るのも面倒なので、生川経由で横瀬駅から戻られるそうです。妻坂峠を後にして、しばらくすると急登が始まります。急ですが土嚢が敷き詰められていますので滑る心配はありません。

標高を上げて行くと残雪が多くなり凍っていますので、踏み場に注意を払います。急登が終わると、今度は少し下りになりますが・・・。それもほんの少しで、またすぐに上りがしばらく続きます。やがて鳥首峠と妻坂峠の分岐に到着し、一気に眺望が開けます。
分岐から程なくして大持山へ到着です。天気が良ければこの頂から富士山も眺める事ができますが、どんよりしたお空では全く見えません。奥武蔵方面の景色を眺めて通り過ぎます。

尾根道は残雪が凍って滑りますが、軽アイゼンを使う程でも無さそうです。痩せ尾根道の端っこを、木の枝に捕まったりしながら下がって行きます。木々の隙間から、武川岳から伊豆ヶ岳方面が良く見えます。

岩の狭間を通り抜け、ヤセ尾根道を進んで行くと、左側に展望場所があります。甲武信岳方面から浅間山方面が見渡せます。残念ながら八ヶ岳方面には雲が掛かっていました。

縦走道で初めて人と行き合います。元気な単独女性で、私と逆周り(私が逆周り=正解)で、武甲山山頂はノンストップで通過して来た足腰の強い、可愛いらしいおばちゃんでした。小持山に近づくにつれ、武甲山へと続く稜線が見えて来ます。
尾根の岩場を過ぎると、直ぐに貸切の小持山山頂です。 来月末から5月上旬にかけて小持山付近では、アカヤシオツツジが可憐なピンクの花を咲かせます。今年は厳冬の影響で、開花が遅れるかもしれませんね。

風が穏やかになって来ましたので、ザックを下ろし昼ごはんにします。毎度のカップラーメンと鮭の切り身入りおにぎりを美味しく頂きます。食後は処方された薬をミネラルで頂きます・・・。小持山山頂からは、二子山〜武川岳〜伊豆ヶ岳方面が良く見えます。武甲山と子持山はほんの31m違いです。ここから次の通過地点のシラジクボのコルまで、185mの標高を下げて行きます。

尾根道は残雪が凍っていて、さらに落ち葉に隠れていますので、滑らないように下がって行きます。山おじさんとすれ違った後、しばらくすると前から賑やかな声が聞こえてきました。男女4人の山ガール×2&山ボーイ、プラスα山おじさん??の混合パーティーで、陽気で元気な方々でした。嬉しい事に、時折雲の切れ間から陽が差し始めます。
シラジクボの鞍部に到着です。ここから“持山寺跡“を経由して生川登山口までエスケープコースもあります。武甲山まで高低差216mの最後の登りを開始します。
天気が良くなって来ましたので、爽やかな気分になって来ます。20分ぐらいで武甲山の肩まで呆気なく登り終わりました。雲の中から両神山が姿を現します。
武甲山の肩から眺める小持山と大持山です。 大杉の広場方面へ下がる階段コースは、崩壊の為、通行禁止になっていました。山頂手前にWCがありますが、冬季期間は使用不可のようです。御嶽神社の境内に入り、裏手から頂上の第一展望台へ向かいます。
第一展望所が、俗に言う武甲山山頂です。(最高地点と三角点は別々にあります)展望所にはおじさんらしき方が1人いるだけですので声を掛けますが・・・振り向くと、おじさん似の女性ではありませんか・・・。なんとなーく策を乗り越えて、赤いポールの最高地点へと直ぐさま移動です。外側のフェンスの柱に何やら、鹿みたいな頭蓋骨が置かれていますので、場所を離れたい余り、第二展望所方面へ移動です。 ※お姉さん?オバサン??は、パンを黙々と噛じっていました。

秩父の街並みと秩父ハープ橋が見えます。眼下には採掘場で小さく走り回る重機がおもちゃのように見えます。足元まで迫る石灰採掘場第二展望所の奥から秩父盆地や西上州の展望が広がります。
第二展望所の下にある鐘撞堂で鐘を鳴らします。小振りの鐘ですが、木槌で叩くと素晴らしい音色がします。温度計は摂氏0度を指していますので、寒くなって来ました。下山を始めると、所々凍っている場所があります。少しコースを外して、滑らないように、単調な杉林の中を下がって行きました。
32丁目手前の大杉の広場に到着です。表参道の中間点で、少し広くなっている平地の標高1000m地点です。大きさが均等の杉の林ばかりの中で、やたらと大きくて立派なこの杉の木は、圧巻です。カラフルな看板には山頂まで「あと60分」と書かれていて、見上げるばかりの杉の巨木です。 ※道標には武甲山1,304mへ50分、生川基点515mへ50分と書かれていました。
古ぼけて危なげな吊橋は、2年前に手すり付きの立派な橋に新設されてだいぶ馴染んで来ました。程なくして不動の滝に到着です。滝つぼから竹の樋が伸び、コップも設置されていて水場になっています。 下山は3名の単独ハイカーとすれ違い、不動の滝でご夫婦を追い越します。
下の丸太橋は相変わらず頼りなさそうですが、木の板で補強がなされていますので、安心して歩けます。林道に出てからしばらく下がると、未だ沢沿いに車が転落したまま置かれていました。車体に張り紙があり、一昨年6月の事故で、単独事故で届済みと書かれています。
養殖場か釣堀のような施設を通り抜けて、駐車場へと向かいます。下山を始めてから天気が良くなり、少し調子抜けです。駐車場には4台の車が駐車してありました。 ※一昨年コンビニで買った食料を車の中に忘れ、帰着後駐車場で食べた事を思い出します。
帰りは横瀬の珍達そばでラーメンを食べようと思いきや、残念ながら定休日でしたので、温浴施設で食べる事にします。本日は無性に濃い温泉に入りたくなり、10年前から定期的にお邪魔している、神川町の赤茶色で源泉かけ流しの「白寿の湯」へと、帰路ではありませんが向かいます。マッサージチェアは無料開放で、18:00以降は500円で入浴できます。※本日はは26日(フロの日)で、割引券を2枚頂きました。
昭和35年頃撮影された標高1,336mの貴重な武甲山の写真です。 現在は標高1,304mで、32m程削られて低くなっています。

おまけ 

 ヘルニアにより神経が刺激されて、左足の痛みが暫く続いています。ブロック注射や点滴注射と処方された
 鎮痛剤のお蔭で、少し回復してきました。足慣らしを趣旨に、赤岳以来約40日振りにザックを背負い、
 散策では無い山歩きが出来ました。心配だった痛みも、薬をしっかり飲んだので大丈夫でした。

 武甲山麓にはいくつもの巨大な石灰・セメント工場が聳え立ち、ダンプカー等の往来の数は圧巻です。
 武甲山は周辺から眺めると、いちばん目につきやすい山で、山肌が削り取られていて、
 痛々しい山に見えますが、大・小持山から見える武甲山は、奥武蔵を代表する堂々たる山容で、
 優しげな風格さえ感じられました。
 
天候:曇りのち時々晴れ 
出会った人:縦走道で7名 計15名
全く当てにならない疲労度:★★☆☆☆

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