北岳 日帰り

北岳  標高3,193m  標高差約1,673m  歩行距離約10.6㎞  yahoo地図  コースmap

広河原(6:30)⇒二股(8:03~8:06)⇒雪渓最上部(8:45~8:52)⇒八本歯のコル(9:32)⇒
間ノ岳分岐(9:57)⇒吊り尾根分岐
(10:12)⇒山頂(10:33~11:08)⇒北岳肩の小屋
(11::30~11:35)⇒小太郎尾根分岐(11:56))⇒二股(12:44)広河原(13:50)

 (歩行時間6時間30分:全所要時間7時間20分 ※CT:10時間20分)  am6:30~pm13:50 

歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません
日本百名山の一つでもある標高3,193mの北岳は日本第2位の高峰で、間の岳、農鳥岳とともに白峰三山を構成し、「南アルプスの盟主」との呼び名が高い秀峰です。山頂へは3本の登山道があり、八本歯のコルを経由するルートのみがやや難易度が高いとは言え、登山初心者でも十分登頂可能です。登山口となる広河原からの標高差が大きい為、日帰りは健脚者のみとなるでしょう。北岳は南アルプスの中で最も高山植物が豊富で7月初旬から8月上旬が見ごろとなります。 ※日本アルプス登山ルートガイドより(リンク)
梅雨明け宣言が成されてからも不安定な天候が続きます。ようやく時間が取れましたので、日本アルプスの最高峰北岳へと向かいます。6月25日~11月9日のトップシーズン期間は道路規制がなされ、芦安~登山口の広河原までは、バスか乗合タクシーでのアプローチになります。本日は平日ですので、広河原から芦安への最終バス時刻は16:10分になり、私なりの計算では、ゆっくりペースでも1本前の15時に余裕を持って帰着予定です。キタダケソウの花期は雪解けの6月中旬から7月上旬で、開花時期を過ぎていますが、探しながらのお花鑑賞を楽しみます。運良く貴重な咲き残りを目にして気持ちが高ぶりました。
※2014年7月24日~25日、白峰三山縦走レポへ!

芦安無料の市営駐車場で、唯一トイレ(男女兼用+仮説3箇所)が設置してある、第3Pで車中泊です。途中コンビニで買った、楽しみにしていた甲府ワイン(旨かった)とおつまみで晩酌と思いきや、ワインがコルク式ではありませんか。ヤケになり、割り箸で力一杯、なんとかコルクを瓶の中に押し込む事に成功してニンマリです。しかしながら、注ごうとするとコルクが、ラムネのビー玉状態になり、吹こぼれて私のシャツは真赤に染まってしまいました。
早朝4時半過ぎに起床し、支度を整えます。5時10分の乗合バスは私の勘違いで乗れませんでした。5:30分発の始発バス(@1,100)に1時間も揺られ、大河原登山口へと向かいますが、後部タイヤの真上の席でしたので激しい小刻みのアップダウンの揺れで寝られず、車窓からの景色をボーッと、見ていました。

6:30分に広河原のバスターミナルに到着です。乗合タクシーが早朝から稼働して、既に周辺は沢山の人で賑やかっていました。2台の大型バスから降りて来たみなさんはトイレ休憩等をしていますので、速やかに歩きはじめて群れから離れます。ゲートを横切り、巷で噂の吊橋を良い感じで揺れながら渡ります。正面には北岳山頂が見えます。

広河原山荘前で登山届を提出して、北岳へと向かいます。川沿いの樹林帯の中の登山道は、雪融け水が山道を横切っていますが、水量が少ないので特に問題はありません。随所に木橋や鉄の橋が架けられ、歩きやすく整備されています。要所で休憩しているグループ等に挨拶を交わし、お先に失礼させて頂きます。
大樺沢を何度か渡り返して、樹林帯を抜けると大樺沢の雪渓で、しばらく汚れた雪の上を歩いて行きます。分岐の二俣では殆どの方が右俣コースへ進んで行きますので、八本歯のコルコースは閑散としています。念の為、軽アイゼンとピッケルを持って来ましたので、装着してサクサク登って行きます。本日も飲み水5リットルを積んでの飲み放題歩きです。何時もの如く2リットルのシステムタンクは前日、冷凍庫で凍らして来ましたので融け始め冷え冷え飲み頃を、何時でも飲めます。

半数の方はノーアイゼンで登っていました。折角ピッケルを持って来たので、久し振りに使ってみると楽チン!の一言です。振り返ると歩いて来た雪渓と高嶺と鳳凰三山です。 雪渓上から冷気が上がり、先ほどまで暑かったのが嘘のようです。まるで天然の冷蔵庫に入ったように涼しく、やがて寒くなります。

雪渓の最上部まで登り、小休憩です。振り返ると地蔵岳の左方面に八ヶ岳が見えます。尖った山容は赤岳でしょうね。折角持って来たので、無理して少し使った感じのアイゼン等を外します。※500mlのペットボトル2本をハイドレーションタンクに補充したりして、チョコバーを齧ります。
雪渓の急登を脱出すると更に勾配が増して来ます。八本歯のコル手前の急登区間には、見かけより頑丈な木製のはしごが続きます。意外と傾斜があり、息が切れる場所です。右上部には北岳バットレス(北岳胸壁)が迫って来ます。

満足そうな表情をしたご婦人小グループと交互通行待ちを終え、登山口方面や二股分岐、歩いて来た雪渓などを振り返ります。略直線状に標高を上げて来たのが分かります。
八本歯のコルに到着です。ここからは反対側の「間ノ岳」方面を眺望できます。相変わらずはっきりしない天気ですが、富士山が一際でっかく見え、テンションが上がります。
まだまだ梯子は続き、しかも更に角度が増してきます。しかしながらさほどの高度感はありませんが、ゆっくり登らないと息が切れます。梯子を過ぎると森林限界を越え、北岳山頂方面が見えて来ます。

トラバース分岐から眼下に北岳山荘です。丁度、ヘリで荷上げをしていました。北岳山荘越しに中白根山と間ノ岳(標高国内第4位)・農鳥岳方面の白峰三山の峰が凛々しく見えます。周辺にはタカネツメクサを始め、沢山の高山植物が咲いています。※帰りのバス時刻(16:10分)にもっと余裕があったなら、間ノ岳まで行きたい気分です。
北岳頂上まで傾斜の緩い岩場の登りです。周辺は様々な高山植物が群生していて、北岳しか咲かないキタダケソウを探して歩きますが、時期が遅かったみたいでハクサンイチゲやチョウノスケソウやチングルマの似た花を見て一瞬ハッと!しただけでした。すれ違う登山者にキタダケソウの情報を伺うと、事もあろうにハクサンイチゲを指差していました・・・。※下記に花の写真を掲載してあります。
吊尾根分岐点を過ぎると、山頂まで20分の表示です。お花鑑賞をしながら、山頂へと向かいます。20人ぐらいの団体さんとすれ違いますが、早歩きで登ると息が切れますので立ち止まって、しばしの交互待ち休憩に入ります。
振り返り、吊尾根分岐から北岳山荘~間ノ岳へと伸びる稜線です。農鳥岳方面はガスに覆われ始めました。
稜線から北岳山頂にいる登山者が見えてきました。山頂手前でヘばっている人達を遠慮しながら追い越して行きます。程なくして、10:33分に日本第二位の高さを誇る、北岳山頂へ到着です。嬉しい事に雲の切れ間から日が差して来ました。
タイミング良く、6人位の静かな山頂です。お湯を沸かしている間、肩の小屋方面から続々、登山者が上がって来ますので端っこに寄り、先日登った甲斐駒を眺めながらカレーヌードルを美味しく頂きます。私の前に座っていた北岳へ毎年来ると言うベテランさんと会話をします。今年のキタダケソウは例年よりも少なく、肩の小屋のベンチに下がった場所に唯一、咲いているそうです。山頂記念写真を頼まれ、写してみるとフィルム式の幻の一眼レフではありませんか、シャッター音のシャキッ!は手元まで感覚が伝わり、1枚余計に撮らせて頂き、余韻を残せました。
続々と皆さん到着して、山頂は賑やかになって来ます。二股分岐で右俣コースへ行かれた若者も到着して来ます。何故か数組の方に、写真を撮って下さいと頼まれます。恐らく私は、人畜無害風に見られているのでしょうね。
北岳は平成18年に新しい三等三角点が設置してあり、「白根岳」標高3,192mの表示です。三角点より南南西の方向約28m離れた岩盤上に、約80cm高い地点があることを確認し、この地点を最高標高値3,193mにされたみたいです。山頂のお地蔵さん&ミニ地蔵さんに安全登山の祈願をします。甲斐駒ケ岳や地蔵岳のオベリスクを眺めて下山開始です。
帰路は肩の小屋経由の右俣コースに進路をとります。ハクサンイチゲの群生越しに、肩の小屋が眼下に見えて来ました。
肩の小屋に到着して早速、ベンチの下に回り込むと、10花位のキタダケソウが咲いています。私が下がって写真を撮っていると何を写しているのですか?とご婦人に聞かれ「キタダケソウです」と言ったら、いつの間にか沢山の人集りになっていました。
振り返って肩の小屋と北岳山頂です。吊り尾根分岐から眺める、荒々しい山頂と違って優しい山容に見えます。
女性の学生さんが30名位、群れをなして登って来ます。話をすると部活で登っているそうです。何処の学校かは聞きませんでしたけれど、凄い女学生さん達でした。
女性的な山容と云われている百名山の仙丈ケ岳(標高3,033m)が大きく見えて来ました。小太郎分岐点から広河原方面右に下がって行き、次の白根御池小屋との分岐を、真っ直ぐの二俣(大樺沢)方面へ下がって行きます。
右俣コースから鳳凰三山を見ながら下がって行くと、二股分岐に到着します。今朝ほどヘリを使って、仮設WCの設置をしていました。雪渓を少し下がり、来たコースを帰ります。
山小屋泊のハイカーとのすれ違いも疎らになって来ました。大樺沢を何度か渡り返して、樹林帯の中のコースへと入って行きます。やがて吊り橋が見えて来て、予定よりも早い時間に帰って来られました。
スタート地点のゲートに到着です。広河原バスターミナルに13:50分に帰着しました。芦安行きの乗合タクシーは14:20分発ですので乗車券(@1,100)を買い、綺麗なバスターミナル休憩所で、炭酸飲料を飲んだりして出発時間を待ちます。
行きの大型バスと違って、10人乗りのマイクロバスは揺れも少なく快適です。ウトウトしている間に芦安に到着します。近くの芦安の金山沢の日帰り温泉に立ち寄る予定ですが、バス発着所の日帰り入浴の看板に誘われ、目の前の白峰会館(@550)に入ります。狭く特色も無い施設ですが、泉質は良く、運良く貸切で入れましたのでゆっくり疲れを癒せました。
 
初夏の北岳は南アルプスを代表する花の宝庫です。残雪頃のキタダケソウ(左上写真)に始まり、イワベンケイ(右上写真)やミヤマキンバイやハクサンイチゲ等多種類のが咲き誇り、花の名峰を満喫しながら訪問出来ました。







上記の写真は主に、八本歯のコル~吊り尾根に咲いていました。
おまけ
 南アルプスは昨年の鳳凰三山と、先日の甲斐駒ケ岳に続いて3回目になり、
 何れも日帰りになりました。
 北岳は登山口の広河原までバスでのアプローチになりますので、少し面倒だな!と思っていました。
 当初、始発バスは5:10分と思ってましたけれど、それは乗合タクシーの方でした。気が付いた時は、
 タクシーは残念なが らもう、出発していました。広河原登山口を6:30分から歩き始めましたので、
 最終バス時刻まで9時間40分もあるので時間的には余裕です。※過去の歩行時間から、
 のんびりペースでも8時間以内の計算です。

 開花時期を過ぎていましたが、山頂で聞いた情報通りで、
 肩の小屋ベンチ下でキタダケソウに期待通り、間に合いましたので、嬉しさ倍増です。
 もう少し早い時期でしたら、群生が見られたかもしれません。

 南アルプスならではの特色ある高山植物が綺麗に咲いていました。
 本当は一眼レフで綺麗な花の写真を写したかったのですが、
 以前、買ったばかりの望遠レンズを、岩場から落としてしまった事がトラウマになって、
 めっきりハイキングのみの使用となっています。
 
 自分勝手な印象ですが、国内第2位の標高を誇る北岳山頂からの高度感は、森林限界が比較的高く
 間ノ岳へと続く3,000メートル級の稜線を眺めると、
 特別高い場所とは不思議と感じられませんでした。

 前日、南アルプスへ向かう途中、山仲間の●ひらさんより、
 北岳日帰り行きの激励メールを頂きました。
 参考にさせて頂いたホームページ ●気ままな男の山歩きsan 

天候 : 曇りのち時々晴れ
全く当てにならない疲労度 ★★★☆☆
出会った人 130人以上です。 

●トップページヘ   ●前回へ  ●次回へ  ●登山のページへ