谷川岳 初冬

トマの耳 標高1,963.2m オキの耳 標高1,977m 標高差約1,228m(下り)  歩行距離約6.5km

行程:天神平(7:35)⇒熊穴沢避難小屋(8:18~8:35)肩の小屋(9:35)⇒トマの耳(9:42~9:52)⇒
オキの耳(10:08~10:28)⇒
トマの耳(10:50~10:58)⇒鎖場付近((11:55~12:25)⇒
西黒尾根&厳剛新道分岐(12:45)⇒
西黒尾根登山口(14:18)⇒ロープウェイ駐車場(14:28)
(歩行時間5時間28分:全所要時間6時間53分) am7:35~pm14:28   yahoo地図  mapへ
歩行時間は単行動なので調子や気分によって違いますので参考にはなりません
谷川岳は群馬と新潟の県境をなす三国山脈中部にある山です。山頂はトマの耳(1963m)とオキの耳(1977m)の2峰に分かれ、遠望するとネコの耳の形に似ていることから〈双耳峰〉とも呼ばれています。標高は2,000mにも満たないが、急峻な岩壁と複雑な地形に加えて、中央分水嶺のために天候の変化も激しく、山頂付近の晴天率は低いです。気象の厳しさから標高1,500m付近が森林限界となるため、比較的低い標高でも夏には高山植物が観察できます。冬は早い時期から厳冬に入り、何処の山より真っ白な山容に変わります。ロープウェイを使って、一般コースの谷川岳(トマの耳・オキの耳)までの天神尾根コースはシーズンに入ると、首都圏から近いこともあって多くの登山者が訪れます。
谷川岳は今年に入って4回目の訪問になります。先月の10月16日は西黒尾根からの「日帰り馬蹄形縦走コース」で、紅葉真っ盛りの谷川連峰を堪能しました。40日も経たないうちに谷川岳は完全な冬山に入っていて、最高の好天候に恵まれ、北アルプス後立山連峰北部も爽快に見えました。当初西黒尾根からと思いましたが、トレースを期待できそうも無いので数年振りに天神尾根コースからのスタートです。オキの耳から先にトレースがあったら茂倉岳方面へと思いましたが、トレースは無く厚い雪庇に阻まれ、即、断念です。帰路は西黒尾根から登って来る登山者がいたので下がってみましたが・・・。 西黒尾根からの雪山下山は、谷川岳11回目にして初めて味合う緊張感でした。

   
 デジブックで編集しました。(注!再生するとBGMが流れます) ※要所の風景が見られます。
谷川ロープウェイ駅で片道キップ(@1,200)を買ってスタートです。キャビン内では、土浦からお越しのナイスな井上さんと二人だけでした。その後、山頂まで一緒のペースで歩きます。積雪55センチの天神平駅から、7時35分にスタートです。スキー場はまだオープンしていませんので閑散としています。尾根には数人分トレースがありますが、コースを外すと落とし穴に入ってしまいます。
帰路のコース予定だった田尻尾根の分岐案内板は埋もれ、トレースが無いのでこの時点で却下です。因みに天神峠方面もトレースはありませんでした。山頂を覆っていたガスは抜け始め、気分も高まります。天気が良いのでジャケットを着ているとサウナ状態です。前方をスノーボードを担いだ玄人おじさんが、スノーシューでしぶきを上げながら登って行きます。後日分かりましたけど、玄人は「sakusaku_fukafukaさん」で、プログに私達が小さく写ってました。
右がTomoさんで、中央が土浦のナイスな方、左が栃木のイケ面さん
熊穴沢避難小屋小広場で薄手のジャケットに着替えます。天神平から一緒だった土浦のナイス井上さんと、スノーハイク初デビューの栃木のイケ面さんと一緒に話をしながらアイゼン装着休憩に入ります。私達の目の前をnetで見覚えのあるお顔のスペシャリストが横切って行きます。思わず「Tomoさん!?」と声を掛けると、振り向いてくれます。「ゆうやけです」と言ったら、微笑みながら驚いていました。何時かは会えるかな?と思っていましたので嬉しく思います。相互リンクしている「Tomoさん」はキャノンの一眼レフと望遠レンズを背負って、トマの耳から上越線を走るSL撮りを趣旨に登るそうです。流石、余裕ですね~!。※記念のワンショット!
イザ出発!と思いきや、スパッツ付けるのを忘れ、再度避難小屋で装着です。山道にあるはずの鎖や岩場は積雪で覆われていますので、天神尾根を歩いている感覚は一切ありません。

「天狗のとまり場」が見えて来ました。付近は樹氷が綺麗で、素晴らしい景色を見渡せます。

左方面にはオジカ沢の頭と俎嵒(マナイタグラ)のカッコ良い山容が見えます。元々谷川岳の山名は、「俎嵒」に与えられていたみたいです。国土地理院の5万分の1地図の誤記のためにトマ・オキの二耳峰が谷川岳と呼ばれるようになったそうです。

「天神のザンゲ岩」から眼下に天神平を望みます。後方には赤城山が聳え立ちます。ピッケル片手に歩いていますが、新雪ですので、今現在、全く活躍はしていません。
勾配がきつくなりました。無積雪時に木段が設置されている場所だと思います。雪化粧の肩の小屋をスルーして、山頂へと向かいます。
振り返って分岐塔です。眼下に関越道水上インターから沼田市が見えます。トマの耳には一直線の最短距離で登って行きます。
10:50分、「トマの耳」に到着です。山頂標識は雪が凍り付いて見えませんので、ピッケルを活用して雪を落としました。先行者に写真を撮ってもらい、その後寒くなり、厚手のジャケットに着替えて防寒帽子を被ります。
トマの耳からの素晴らしい景色です。正面にはオジカ沢の頭と爼嵓(まないたぐら)の豪快な山容が見えます。オジカ沢の頭の後方のほぼ直線状に万太郎山と仙ノ倉山が見え、右奥には苗場山も見えます。
苗場山と富士山のアップです。
オキの耳と後方に一ノ倉から茂倉岳です。素晴らしい景色を楽しみましたので、隣のオキの耳へと向かいます。
鞍部で振り返ってトマの耳です。マウスを合わせると山頂を引いた写真に変わります。
10:08分、「オキの耳」に到着です。山頂標識は頭だけ出ています。後方は雪庇ですがギリギリ近付いて、東尾根とマチガ沢を見下ろしてみました。(怖ゎ!)
オキの耳から、振り返ってトマの耳と爼嵓(まないたぐら)です。

左の写真は浅間連峰で、マウスを合わせると少し霞んで南アルプスと八ヶ岳です。右は日光白根山と上州武尊山で、マウスを合わせると四阿山~日光白根山です。
馬蹄形コースの七ツ小山~朝日岳~笠ヶ岳~白毛門方面です。越後の名峰の巻機山~越後駒ヶ岳~中岳と平ヶ岳も見渡せます。
白毛門尾根の後方は、会津駒ヶ岳~景鶴山~燧ケ岳~至仏山~尾瀬の笠ヶ岳方面です。
オキの耳から、北アルプス後立山連峰北部の遠望です。左から不帰キレット、天狗ノ頭、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳です。昨年の夏に縦走したコースです。※苗場山の左奥にハッキリ、スッキリ見えました。
再びトマの耳へと戻ります。違う角度から万太郎山方面を望みます。
雪庇に近付いて見ると怖くなり、すぐに撤収です。
2回目の山頂には、本日、西黒尾根を先頭でラッセル歩きをして来られた黄色いジャケットのスペシャルな若者がいました。写真を撮ってもらい話をすると、思いの外ラッセル歩きは疲れたそうで、帰りは天神尾根から下山するそうです。「これから自分のトレースを辿って、5人位登って来ますよ」と言っていました。私が「西黒尾根を下がるんですよ」と言ったら、「不安定な場所やつるつる岩で滑る箇所があり、危険ですので気を付けて下さい」と言って私の前を颯爽と下がって行きました。
本日は谷川岳からの素晴らしい景色を沢山堪能出来ましたので、足取りも軽くなっていました。見る限り、全員の登山者が天神尾根へと下山して行きます。分岐を左に進路を取り、西黒尾根を下がって行くと、トレースはスペシャルな若者の一人分だけ付いています。
分岐を左に進路を取り、最初から積雪で一段と急峻になった西黒尾根を下がって行きます。すぐにヤマレコハイカー3人組とすれ違います。登っている登山者がいるのが分かれば、最初から西黒尾根から登れば良かったなぁ~と、思いました。
お腹が空きましたけれど、休める場所は全くありません!ゼリー補給で空腹を凌ぎます。天神尾根からとは又違った銀世界の素晴らしい眺望を見渡し、得した気分です。雪庇まがいの落し穴に一回はまり、ヒヤヒヤものでした。
急な箇所は後ろを向いてピッケルを刺しながら慎重に下がって行きます。途中、3組4名の登山者とすれ違います。危険ですので交差場所を確保して、ずーっと待機待ちになったりします。気温が上がって雪質は緩くなって来ましたので、少し厄介です。
ひと息付ける場所に出ましたので振り返ります。急峻な下りは落し穴と、つるつる岩が露出していて非常にスリルがあります。
この高度感は谷川岳で初めて味わいます。先々週の表妙義縦走の時と同じ位、緊張する場面がありました。※本日のコンディションでは下りは危険です。
氷河の跡らしき場所は全く分からず終いでしたけれど、鎖場の支点らしき場所が少し平坦になっていましたので、カレーパンとカップヌードルを美味しく頂き栄養補給です。慎重に下がって行くと殆どの鎖は埋もれていて機能していませんでした。つるつる岩にアイゼンの前爪を掛けたりしながら下がって来ました。途中分岐から、厳剛新道を覗くとトレースは無く、先を見ると2人組がなにやら立止っています。
振り返って谷川岳山頂の双耳峰を望みます。左(南峰)がトマの耳で、右(北峰)がオキの耳です。良く見ると、先ほどから急に下山に向けられた足跡が2人分付いていますが・・・。
天神平方面を眺めます。スキー場がまだオープンしていないので人の動きは疎らです。先行者がザイルを使って慎重につるつる岩の鎖場を下がっていますので、早くも追いついてしまいました。話をすると登頂を諦め、安全を取って撤収してきたそうです。
樹林帯に入ると危険な場所が無いので、何時ものペースで快適に歩けます。道標設置場所でアイゼンを外して小休憩に入ります。標高を下げて行くと積雪は無くなり、落葉と泥のハーモニーの悪路歩きで、靴は泥だらけになってしまいました。やがて「ゆうやけシンボルスチールタワー?」が見えてきますので、登山口に近づいたことを実感します。
14:18分、西黒尾根登山口に到着です。一ノ倉沢岩壁トレッキングコースを楽しんで来たらしいカップルが、仲良くRW駅へと向かっていきます。登山指導センターでブラシをお借りして、登山靴の泥を洗い落します。
ロープウェイ駅駐車場に帰着して、「鈴森の湯」でゆっくり温まろうと思いましたが、3連休最終日ですので関越高速が渋滞しないうちに帰路に入ります。地元の「花湯の森」に直行してゆっくり温まり、汗を流して疲れを癒します。
 おまけ 
 
 谷川岳11回目にして、初めて雪山の谷川に登りました。前回の馬蹄形縦走に続き、晴天率の低い谷川で
 素晴らしい晴天に恵まれましたので、お天道さまに感謝、感謝です。

 前日、谷川岳の情報収集をしてみると、西黒尾根にはトレースが無さそうですので、片道切符を買って数年
 振りにRW経由で向かいます。積雪で埋もれた天神尾根コースは、無積雪期よりも歩き易い感じです。
 オキの耳から先にトレースがあったら、茂倉岳までの行程で、帰路は田尻尾根経由と思っていました・・・。
 しかしながら両コース共、トレースはありませんでした。西黒尾根から数人登って来る光景を目にすると、無性に
 羨ましく感じましたので、帰路は迷わず下がって行きました。西黒尾根からの雪山下山は、谷川岳で初めて
 味合う高度感と緊張感でした。私の知る限り、西黒を下がったのは私だけだったみたいです。

 谷川岳方面のスペシャリスト「Tomoの奥利根山歩き」さんにお会いして、ビックリです。

 天候:文句なしの快晴!
 出会った人:40人位
 全く当てにならない疲労度:★★☆☆

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