新雪と霧氷の谷川岳!帰路は西黒尾根下がり! 2015年3月27日


トマの耳:標高1,963.2m オキの耳:標高1,977m  一ノ倉岳 標高1974.2m   累計標高差 約1,035m 歩行距離 約10.4km

行程:天神平(8:36)⇒熊穴沢避難小屋(9:45)肩の小屋(11:06)⇒トマの耳(11:15)⇒オキの耳(11:26~11:35)⇒
一ノ倉岳(12:38~13:04)オキの耳(14:08~14:12)⇒肩の小屋(14:30~14:43)⇒熊穴沢避難小屋(14:14)⇒天神平(15:50)

(歩行時間6時間32分:全所要時間7時間14分) am8:36~pm15:50   yahoo地図   map(pdf) 

ラッセル歩行等がありましたので、時間は参考まで!
谷川岳は群馬と新潟の県境をなす三国山脈中部にある山です。山頂はトマの耳(1963m)とオキの耳(1977m)の2峰に分かれ、遠望するとネコの耳の形に似ていることから〈双耳峰〉とも呼ばれています。標高は2,000mにも満たないが、急峻な岩壁と複雑な地形に加えて、中央分水嶺のために天候の変化も激しく、山頂付近の晴天率は低い。気象の厳しさから標高1,500m付近が森林限界となるため、比較的低い標高でも夏には高山植物が観察できます。冬は早い時期から厳冬に入るため、何処の山より真っ白な山容に変わります。ロープウェイを使っての一般コースの谷川岳(トマの耳・オキの耳)までの天神尾根コースは、シーズンに入ると首都圏から近いこともあって、多くの登山者が訪れます。
初春の山歩きでは、春かすみが掛って、眺望には恵まれない日が多いですが、本日は最後まで雲ひとつ無い、素晴らしい快晴に恵まれました。群馬の山はもちろん、上信&上越国境の山々、遠くには富士山、南アルプス、八ヶ岳、北アルプスを見渡せる、大変空気が澄んだ日となりました。

関越谷川IC出口より、真っ白に染まった谷川岳を望む。早くも気分が高まります! 平日の谷川ベースプラザ駐車場は嬉しい無料開放!
天神平は24日~25日に100㎝の積雪があったそうです。

 
天神平の積雪は440mで、本日は嬉しい晴れ! 貸切キャビンのRWで、天神尾根へと向かいます。眼下は田尻尾根のゲレンデを整備をしている、カッコ良い圧雪車! 天神平で登山届を提出!帰りも下山届を忘れずに!
アイゼンを装着して8時半頃天神平を出発!先行者は数名いるようです。振り返って天神平! 冬季限定コースは天神峠からの稜線へ、直登りして行く感じです。先行者のバックカントリースキーヤー2名が見えて来ました。
    少し登り上げると正面に新雪で白銀に染まった谷川岳! 前方には 本日のトップバッターが見えます。

 
 鞍部に入るとラッセル歩行を余儀なくされます。せっかく持ってきたのでスノーシューにチェンジ! しかしながらすぐにスノーシューでは歩き辛い、凍り気味のトラバース!
 南アルプスの北部の甲斐駒ヶ岳~千丈ヶ岳と、南八ヶ岳の赤岳~横岳~硫黄岳~!   榛名山の後方には富士山!  
右から標高順に白毛門~笠ヶ岳~烏帽子岳、 朝日岳は烏帽子岳の陰に隠れまだ見えません! 笠ヶ岳手前に見える西黒尾根にはクラック! 関越トンネル(11,065m)の空気孔が、眼下に見えます。

熊穴沢避難小屋はどこ?先日の積雪で小さい穴を覗いても、避難小屋は全く見えません!しばらくの間、避難出来ない避難小屋状態! 後ろから4名のバックカントリースキーヤーがやって来て、勢い良く登って行きます。

    平ヶ岳~景鶴山~燧ヶ岳~至仏山~笠ヶ岳                 四阿山~草津白根山

         白く染まった浅間山                      眼下にみなかみ町  

カッコ良い山容のオジカ沢の頭と俎嵒! 熊穴沢避難小屋付近より一緒のタイミングで歩いていた、バックカントリーのyamarekoユーザーの方は、トラバースしながら万太郎山方面へ颯爽と向かっていきます。お別れに手を振りあいました。
  谷川連峰主脈路を目の前にして景気づけの鐘を鳴らしてから、しばらくダイナミックな景色を眺めます。
               俎嵒左に浅間連峰!                   俎嵒右には薄ら北アの乗鞍岳!
 
振り返って! 肩ノ小屋とダイナミックな景色! 
最近のレコで良く目にしたクレバス!近寄らなければ怖くはありません!トマの耳!先程まで同じタイミングで登っていた、一ノ倉岳付近より滑走のバックカントリーの方と二人だけ!

トマの耳からの素晴らしい景色です。正面にはオジカ沢の頭と爼嵓(まないたぐら)の豪快な山容!オジカ沢の頭の後方のほぼ直線状に万太郎山と仙ノ倉山が見え、右奥は苗場山!
苗場山左より、後立山連峰北部の遠望!左から不帰キレットの頭部分、天狗ノ頭、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳、小蓮華山! 右の写真は越後駒ヶ岳~中岳!
         本日トップバッターで、谷川岳山頂へ向かいます。オキの耳後方は一ノ倉から茂倉岳!
            凄い雪庇!            蓋の開いた、でっかい落とし穴が見えます!落ちたら大変な事に!

振り返ってトマの耳!

  トマの耳の後方は赤城山~子持山~小野子山~榛名山        本日トップバッターで、谷川岳標識をタッチ!
 
     安全なコース取りをしながら奥の院へ向かいます!         奥の院鳥居より、一ノ倉から茂倉岳を望む!

風当たりが強くなりますので、両足に重心を掛けて踏ん張ります。雪庇に注意を払いながら進行!

凄く迫り出している雪庇!基にはクラックが! ノゾキから一ノ倉岳は、雪だまりの直登りですので、著しく体力を使い、時間も掛ります。 何処を歩いてもラッセル!最後は枝を掴みながら強引に登って行く!
 
一ノ倉岳手前より、谷川岳と急峻な一ノ倉沢の断崖絶壁を良いアングルで望みます!この白く染まった危なげな絶景を拝む事が、本日の最大の目的だったんです!
風当たり良好の一ノ倉岳手前は足元が締って少し歩き易くなった! 一ノ倉岳の避難小屋&山頂標識は雪深く埋もれていて、何処が山頂だか全くわからず!
バックカントリーの方は下からやって来ました。   しばらく景色を眺めていると準備完了らしく、急降下の滑走スタート!

絶景を眺めながら、茂倉岳へと進んで行きます。遠く遥かの越後?の山も良く見える! 降ったばかりの新雪に覆われている茂倉岳へはラッセル歩きを余儀なくされ、強風に煽られますので著しく時間が掛ります。最終RW時間もあるので鞍部の吹きだまりより、無理をせずUターン!
    一ノ倉岳へと標高を上げながら戻って行きます。           前方には一ノ倉岳~オキ&トマの耳!
 
      苗場山の右には後立山連峰!    アップで、鹿島槍ヶ岳~五竜岳~唐松岳~不帰キレット~天狗の頭~白馬三山!
      谷川連峰馬蹄形縦走コースの茂倉岳直下の武能岳~蓬峠~七ッ小屋山~! 後方には越後の山々と巻機山

        巻機山~越後駒ケ岳~中ノ岳                 景鶴山~燧ヶ岳~至仏山~笠ヶ岳!

 
 一ノ倉岳より雪庇に注意を払いながらラッセル下がりで急降下!   白く染まった断崖絶壁と、谷川岳山頂が見えて来ました。
ノゾキに近づこうと思いますが、雪庇迫り出しているので無理! 新雪の上を歩いていたら突然落とし穴に落ちました(汗!)反射的に両手を横に出し、運よくザックと両手で止まりました。殆ど積雪面から顔が出た状態でしたので、ギリギリセーフ!火事場の馬鹿力全開でもがきながら、無事脱出成功!中を覗いてみると広い空間になっていて、深さもあり、危険なクレバスでした。

 
周辺には誰もいませんので、足元に注意を払いながら谷川岳へと戻ります。雪庇越しに日光白根山~上州武尊山~皇海山! 
      奥ノ院手前の鎖場だけ、雪融け!           ここまで戻って来れば積雪が少なくなり、一安心!
 
 オキの耳にはカップルハイカーさんが、広大な景色を楽しんでいました。 誰~もいないトマの耳より、再び景色を楽しみます。
 
 振り返って!茂倉岳~一ノ倉岳~オキの耳 、先程のカップルハイカーも見えます。
 
新雪を覆った、怖そうな西黒尾根!先程のカップルによりますと、本日歩いて来た方がいたそうです。 風を避けて肩ノ小屋玄関でひと息!カレーヌードルを頂こうと思いましたが、気温上昇の為か?著しく喉が渇くので、パンをポカリで流し込みます。
 
 肩ノ小屋より主脈路方面の絶景を見納めです!景気付けの鐘を鳴らして下山開始!
 
       眼下の天神峠と天神平を目掛けて、急降下開始!      標高を下げながら、カッコ良い山容のオジカ沢の頭と俎嵒!
先程の肩ノ小屋でお会いした、熊谷よりお越しの陽気な二人さんと話をすると、右の方が偶然にも私のHPを知っていました。またお会い出来る事を楽しみにしています。 標高を下げ、天狗のトマリ場&熊穴沢避難小屋上部を通過!
 
振り返って!ダケカンバと、今だ雲ひとつ無い谷川岳!  ソロダンディーに続いて、子連れのワンパーティーも小屋泊で登って行きます。
朝は数名しか無かったトレースが、すっかりコースになっているので驚き! 観光客もいる閑散とした天神平へ帰着です! ベースプラザでコーラを買って、爽やかに喉を潤します。
 
今回も、下山後の楽しみの「鈴森の湯」でゆっくり温まり疲れを癒します。 本日は気温上昇の為水分補給が忙しく、遅ればせながらお腹が空きましたので、鈴森の湯で美味しい豚丼を頂きます。
 
おまけ 
 
 積雪の谷川岳は今回で4回目になり、残雪期は初めての訪問となりました。
 谷川ベースプラザ駐車場は平日のみ、無料開放されています。
 RW始発時間は平日は8時でしたが、7時と勘違いして早く来てしまい、
 車の中で待つ事になりました。

 先一昨日から一昨日にかけて天神平は100cmの積雪があり、
 残雪期ですが、嬉しい事に綺麗な新雪の上を歩く、
 心地良いスノーハイクが出来ました。

 手持ちの温度計では最低温度が3度で、
 天神平付近では最高で17度を示す、暖かい1日となりました。

 天神平よりスタートすると先行者は登山者2名と
 バックカントリの方2名の合計4名で、まだ静かな谷川岳でした。

 初冬と違って、熊穴沢避難小屋は見事なまでに積雪で埋もれていました。
 トマの耳へ到着すると積雪は余りありませんが、
 オキの耳は毎回のように積雪が多く、
 北側には雪庇が迫り出し、近寄り難い山頂展望場所でした。

 本日の谷川岳(オキの耳)訪問のトップバッターは、珍しく私が1番でした。
 奥ノ院を過ぎると雪庇や吹き溜りも多くなり、
 安全なコース取りをしながら、慎重に進行します。
 幸いな事に、一ノ倉岳までバックカントリーの方が
 近くで歩いていましたので、少し心強い感じがしました。

 ノゾキから一ノ倉岳への登りは柔らかい新雪になり、
 急登ラッセル登りを余儀なくされます。
 雪庇に注意を払いながら、著しく体力を使った感じがしました。
 バックカントリーの方は、
 一ノ倉岳手前でアイゼンからスキーに変えると、頗る早くなるので驚きです。

 一ノ倉岳手前より、振り帰って眺める、
 白く染まった急峻な一ノ倉沢の断崖絶壁は、やはり迫力満点でした。
※本日の目的は、白く染まった急峻な一ノ倉沢の岩壁と、谷川岳の絶景を眺める事です

 一ノ倉岳の訪問は、馬蹄形縦走4回を含めて、
 今回で8回目になりますが、凄い積雪で避難小屋や標識が埋まり、
 何処が正確な山頂なのか、まったくわかりません?
 無積雪時の記憶では、想像もつかない風景に変わっていました。

 すぐ近くの茂倉岳へ向かいましたが、
 思いの外深雪で、突風も強く歩行に時間が掛ります。
 最終RWリミット時間があり、もし乗り遅れたら、
 恐怖の西黒尾根か、積雪の為閉鎖されている田尻尾根しかありません!
 茂倉岳到着時間は全く予測出来ませんので、
 安全の為、無理はしないでUターンです。

 帰路の一ノ倉岳直下では深雪&新雪に注意を払いながら
 ラッセル気味で下がって行きました。
 何と!突然深い落とし穴に落ちてしまいました。(汗!)

 落とし穴の入口が狭かったので、反射的に両手を伸ばし、
 運よくザックと両手で止まりました。
 殆ど積雪面から、顔が出た状態でしたのでギリギリセーフ!
 ここからが大変、火事場の馬鹿力全開でもがきながら、無事脱出成功!
 中を覗いてみると広い空間になっていて、
 5メートル近いクレバスだったので、本当に危なかった!

 本日先頭組で途中まで一緒だった、
 2名のバックカントリーの方(一ノ倉岳まで近くを歩いていた方&
 肩ノ小屋手前まで一緒だった万太郎山より、滑走予定のヤマレコユーザーの方)
 と、肩ノ小屋まで一緒だった越後の方。
 そして下山途中、お会いしたカップルの方や、
 写真を撮りあった熊谷市からお越しの陽気なお二人さんを始め、
 多くの方と話が出来て、充実した谷川岳スノーハイクが出来ました。

 下山後は「鈴森の湯」(650円)で、
 美味しい豚丼(900円)を頂いてから温泉に浸かり、毎度の如くゆっくり疲れを癒しました。

天候:快晴!
 出会った人: 登山者8名+BCの方6名=14名 (一ノ倉岳方面へ行っている間、多くの登山者が訪問したらしい) 
 全く当てにならない疲労度:
★★☆☆

●トップページへ   ●前回へ   ●次回へ    ●山歩き記録へ